10 / 22
❇︎2
しおりを挟むそれから父と綧が10分ほど話し電話は終了。
恐る恐る携帯を綧から受け取り、様子を見つつ電話の内容と結論を聞く。
内容はやはり試験を1週間後に控えているという事と、私の会社の規定でその資格を取得するまで試験を何度でも受けなければならないという話だった。
ただ予想外だったのは「あやせを今すぐ帰らせろ。」や決定事項での「試験が終わるまで会うな。」という話ではなかったこと。
そして1番心配していた「どういうつもりで連れ回してるのか。」という旨の話は一切なかったこと。
「まぁ試験前やけん勉強ちゃんとしてるか心配してるってことやったよ。やけん一緒にてもいいけど、勉強させてって。」
「そっか。ごめんにいきなり電話出てもらって、怒ってる?」
「なんで?ちゃんと話できたし、怒ってないよ。あと、あやせちょっと俺のひざに下向いて頭乗せて。」
なんで?と思いつつも綧の膝に頭を乗せる。何か首元でもぞもぞとしてるのはわかるが、いいよというまで上向かないでと言われたので待つ。
ちょっとして「はい、いいよ。」と言われ首元を見る。
「え?」
「お守り代わり。」
私の身につけているネックレスに、綧がいつも身につけているシルバーのトップが追加されてたいた。
「ピアスのトップやけど、俺が長年気に入ってるやつ。試験勉強1人で頑張るのきつかろ?これ俺の代わりと思って勉強がんばろ。」
素直に嬉しかった。
勉強が嫌いなわけではないが、1人で続けるのは個人的に好きではなかったので応援してもらえるのは本当に嬉しかった。
綧の応援もあるから、試験までの残り1週間がんばろう!と気合を入れ直した瞬間でもあった。
が、しかしこの次の日から綧の勉強中の茶々いれはヒートアップしたわけだが…実はそれだけではなかった。
綧からは父との電話で「一緒にていいけど、勉強させて」と言われたと聞いていたが、本当は「試験までの1週間、あやせが勉強に専念できるように会うのを控えてほしい。その後は試験結果が出るまでの間は少なくとも落ち着くからお願いしたい。」と伝えていたらしい。
つまり遠回しではあるが、綧に私の勉強の邪魔をしないでほしいと伝えていた。
この時の事実を私が知ったのは、数年先の退職した後になる。
綧の言うことを疑いもせずまんま受け取った私も私だが、まさかはっきり「会うのを控えてほしい」と言われているのにも関わらず堂々と話を脚色されているとは思わなかった。
そして父と話した翌日から前日の話とは真逆な行動を取る綧。
この一件から既に両親は綧に対し不信感を抱くことになったとも聞いた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
分かりやすい日月神示の内容と解説 🔰初心者向け
蔵屋
エッセイ・ノンフィクション
私は日月神示の内容を今まで学問として研究してもう25年になります。
このエッセイは私の25年間の集大成です。
宇宙のこと、118種類の元素のこと、神さまのこと、宗教のこと、政治、経済、社会の仕組みなど社会に役立たつことも含めていますので、皆さまのお役に立つものと確信しています。
どうか、最後まで読んで頂きたいと思います。
お読み頂く前に次のことを皆様に申し上げておきます。
このエッセイは国家を始め特定の人物や団体、機関を否定して、批判するものではありません。
一つ目は「私は一切の対立や争いを好みません。」
2つ目は、「すべての教えに対する評価や取捨選択は自由とします。」
3つ目は、「この教えの実践や実行に於いては、周囲の事情を無視した独占的排他的言動を避けていただき、常識に照らし合わせて問題を起こさないよう慎重にしていただきたいと思います。
それでは『分かりやすい日月神示 🔰初心者向け』を最後まで、お楽しみ下さい。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年(2025年)元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる