彼が他人になるまで

あやせ

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やったやってないの攻防戦を何時間も繰り返し、終いには
「いつまで人の時間使うわけ?使った時間返せるとやろね、今すぐ使った時間返せ。」
とまで言い出し収拾がつかないまま惇が寝たため就寝。
寝た気がしないまま次の日を迎える。

その日は産婦人科に予約入れたものの、当日受診とはいかず後日検査を受けることになった。
その旨を惇にも伝えるが既読スルー。
いつもは買い物などで私が1人で出かけて連絡が不安定になると、「何しよると?すぐ連絡おろそかになるよね、男とでもおるん?」と不機嫌になる癖にこういう時はシカトを決め込む。
その後も定期的に連絡を入れるが全部既読スルーをされ、時間が経つにつれ焦りは募った。
何故ならその日は彩との約束があり、彩の家に一泊することになっていたから。

彩は惇とは違うSNSのブログで惇より先に知り合った女の子。
同い年で同じ誕生日、同じF件在住ということでコメントしたのをきっかけにリアルでも仲良くなった。
惇には予め「○日に久しぶりに彩と遊ぶ約束してて、その日はそのまま泊まってくるね。」と伝えていたが、前日から理不尽な理由とはいえとんでもなく機嫌を損ねているからには何かしらのリアクションを返してもらわないと嫌な予感しかしない。
そんな人の気を知ってか知らずか惇は、昼過ぎの彩との待ち合わせ場所に向かうというラインにも返事を返さなかった。

そして彩と待ち合わせ場所で合流し、お喋りをしながらランチやウインドウショッピングを楽しんでるうちに、
『何度も連絡を入れてるのに返事を返さないのは惇ちゃんのほうだし、私は前々から今日のことは言ってて承諾得てるんだからもう知らん!』と半ば開き直っていた。
彩も「あやせちゃん今日のこと彼にもちゃんと話してるんやろ?既読になってるのなら見てるってことやけん、何も言わずにきてるわけじゃないんやけん少し様子見てみたら?あまり気にしすぎると気が滅入るよ。」と気遣ってくれていたので、連絡を断つことはしないが惇のことは一度頭から切り離すことにした。

そこからの数時間は楽しかった。
一緒にいるようになってからこの日まで、惇といない日は1日たりともなかったから新鮮でしかない。

夕方になり「そろそろ家に行こうか!ご飯とかの準備もあるし、お酒も買わなきゃ。」と、彩の提案で宅飲みのためのお酒を近くのスーパーに買い出しに向かう。

そしてそこで懐かしい人と再会することになる。

「あ、待ち合わせ時間よりは早く来たつもりだけど、もう来てる!」
「ん?誰のこと?」
「あやせっ。」

ーもう、会うことはないと思っていた人。
会えないと思っていた人。ー

「雅?」




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