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しおりを挟む久しぶりに彩と会えて浮かれていて忘れていた。
雅との共通の友人が彩だということ。
私が雅と別れたことを引きずっていたこと。
その相談に乗ってくれていたのが彩だったということ。
いろんな考えが頭の中を駆け巡って言葉が出ない、落ち着かない。そんな私の様子を見た彩が話し出す。
「昨日ね、タイミング測ったようなタイミングで雅くんから連絡きたの。『あやせと今でも遊んだりしてる?』って。雅くんの方から私に連絡あるの初めてだったしびっくりしたけど、あやせちゃんのこと気にかけてる風だったから理由聞いたらね。」
「なんて?」
「『話がしたい』って。あやせちゃんには今彼氏いることも言ったけど、それでもって引かないから今日のこと話したの。そしたら『あやせが嫌がるのならすぐ帰る』って約束して今来てもらってる。」
「話聞いておいで」と背中を押されるも、会えるわけがないと思っていた人が突然目の前にいる。そんな状況下で話題なんて思い浮かばない。
「久しぶり、元気しとった?」
「え?あぁ、うん。」
唐突に話し出され焦るも、二、三言葉を交わすと自然と話すことはできた。
懐かしい声、懐かしい訛り。
ひとしきり他愛のない話をして、彩を待たせてもいたから本題に入る。
「…話がしたいって聞いたけど、話ってなに?」
「あーうん、なんか用があって話したいってことじゃないんよね。」
「ん?どうゆうこと?」
「本当の本当にあやせと話がしたかっただけ。昨日最終手段で彩ちゃんに連絡入れて、あやせと繋がってなかったら本当に諦めるしかなかったけさ。」
「ん?え?最終手段って?」
「俺、先週あやせの職場に電話したんばい?」
耳を疑った。
話を聞きながら、それらしき電話の存在が1本確かにあった。
その日は出勤ではあったけど、午後出勤だったため私が直接受けたわけではないが、その電話を受けた子から話は聞いていた。
『佐藤さん名指しで、クレームって訳でもない感じの電話ありましたよ。怪しい人だったかいかんと思って、『出勤されたときに折り返しましょうか?』って伝えたら、あっさり番号教えてくれましたら。番号これなんですけど…名前聞きそびれちゃいまして、すみません。身に覚えなかったら無理にかけなくていいと思いますよ!店にってのがグレーゾーンなんで!』
雅にその話をしたらアッサリ
「それ俺やね。そういえば名乗った覚えない。」
と認めた。
その他にも別れた後に未練がましく連絡しないように一度番号を消していたから、自分の携帯の過去の通話履歴を携帯会社に問い合わせて遡って番号を捜したりもしていたらしい。
「いきなり家に押しかけるのはさすがにまずいと思ったけ、連絡手段をとにかく探した。」
と、雅は話してくれた。
そこから打ち解けるまでは早く、この後予定のない雅はお開き後帰宅するというこで、彩の彼氏も途中参加する上で宅飲みに参加することになった。
そこからの数時間は昼間とはまた違い、お酒も入ることもあってまた楽しかった。
楽しくて楽しくて、すっかり抜けていた。
惇が前日から不機嫌であることを。
そして1通のラインで私は血の気が引いた。
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