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「あやせ、ライン来てるよ。彼氏やない?」
そう言って雅から手渡された携帯を受け取る。
『そういえば彩の家着いたって連絡入れたけど、しばらくいれてないや。どんくらい時間経ったとかいな?』
なんてぼんやり考えながら画面を見て凍りつく。
『遊び呆けて気楽でいいですね』
『こっちは汗水垂らして働きよるのに』
『誰のせいで寝ずに働くはめになったと思っとるとや?』
『いいよね、あなたは今日休みやけんって好き勝手できるんやけん』
『シカトや』
『返事せんや』
など
家についてから数十分後からすごい数の暴言を綴ったラインが届いていた。
どれも私が送ったラインに対しての返信ではなく、私が休みだということと予定に対しての恨みつらみ。
ほろ酔い気分も吹き飛んびラインを開くこともできず固まるも、この間にもラインが届く。
『さっさ返事せんや』
『都合が悪くなったらすぐ逃げる』
『イライラさせんな』
『病気持ちが』
頭が回らない。
心も落ち着かない。
なんて返せば惇は納得する?
「あやせ。」
雅に呼ばれてハッとなり振り返る。
彩と彩の彼氏が雅の後ろでほろ酔い気分で楽しそうにしている。
『この場の空気を壊しちゃいけない。』
前日から惇の機嫌を損ねたのは自分であって、この場にいる雅達3人は関係ない。気を遣わせるわけにはいかない。
咄嗟に浮かんだのは悟られないように取り繕うことだった。
「あーごめん、返事返したら戻るから!あっち行ってて。」
「ごめん、さっき携帯渡すときに見えた。」
ヒュッと冷たい空気が喉を通った気がした。
声が、手が震える。
「返さなくていい。」
「え、いや何言ってんの?返すよ。」
「返すなって。」
「あっ。」
頑なに返事を返そうとする私から雅が携帯を取り上げられる。
「返してよ、返事返さんと余計に怒らせてしまう。」
「返さなくていいって、返さんで。」
「雅には関係ないやろ。」
「あんなライン見てほっとけるわけなかろうがちゃ。」
「どうしたどうした?」と彩と彩の彼氏もこちらを気にしだす。
「あやせちゃんどうしたの?雅くんと喧嘩?だめよー仲良くしなきゃー。」
「喧嘩とかしてないけ。」
「大丈夫よ、何もないけん。ごめんね、心配させて。」
慌てて彩達に取り繕ってその場を凌ごうとしている間にも、惇からのラインは止まらない。
見なくてもわかる内容のラインの嵐が雅の手元で鳴り続けてた。
しばらくそんなやり取りをして彩と彩の彼氏はなんとか誤魔化すことができたが、チラッでも画面に表示された文章を見て内容を知っている雅は誤魔化されてはくれなかった。
「携帯、返して欲しいなら外行こう。」
「なんで?」
「いいから。」
そう言って彩達には「つまみを買い足してくる。」と伝えて、外に連れ出された。
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