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第1章 新担任
第20話 勉強の意義(3)
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久しぶりに再会した美智子は、長い髪を真上でシニヨンにして、アイラインがいっそう濃くなっていた。
服装も、学生時代よりコケティッシュになっていてパッと見、編集者に見えない。
指摘すると、若者向けの情報誌をつくっているからネ、とチロッと舌を出した。
聡は、同じ若い女性として、学校帰りの地味なスーツをちょっと恥じた。
待ち合わせ場所から話は尽きず、言っていた「安くて美味しい寿司屋」まで、お互いの近況を話すには短すぎるほどだった。
その寿司屋は、こぢんまりとしているが、白木のカウンターがよい匂いを放っており、いかにも清潔な感じのたたずまいだった。
早い時間だからかまだ客はまばらだが、美智子の担当した記事が世に出たら、こうは簡単にこれなくなるだろうとのことだった。
貝殻を使った箸置きが女将さんによって置かれる。
しかし着物も着ておらず、白いブラウスに黒いエプロン姿は「奥さん」といったほうがふさわしい。
店の接客は若い衆とこの奥さんだけでまかなわれていて、気楽な感じだ。
「ここはね。本当におすすめなの。基本的にはお任せコースしかないんだけど、マグロ以外は国産の天然ものしか使わないのよ。
全部ご主人のコネなんだから」
まずはビールで乾杯する。もちろんヱビスビールである。
「聡の就職祝いに乾杯!」
「ありがとう」
仕事帰りの体はビールを砂のように吸い込んでいく。
聡のグラスはあっという間に空になり、そこへすかさず美智子が2杯目を注ぎ込む。
握るのは年配の主人といくぶん若いベテランの職人のようだ。
さっそく目の前にサヨリの握りが置かれる。
白く透明な身に銀青色の皮が少し残してある。それを見て聡はまたも故郷を思い出した。
聡は箸で口に運んだが、ほどよい握りの寿司を箸で食うのは難しい。
裏返して醤油をつけるときに飯が崩れそうになる。
しかし、最初の握りにふさわしい清冽な身に、握り過ぎない飯粒が舌の上でほろほろとほぐれ、交じり合う様は素晴らしかった。
握りの飯が小さめなのは、客を見て加減しているのだという。
ここ数年、やけに甘いぎっちりと固められた寿司飯に乗った、脂っぽい養殖タイや、サーモンしか味わっていなかった聡には別世界のような旨さだった。
次に岩塩が乗せられたイカ。身がまだ透明でシャキッと噛み切れる。
自虐芸人のギャグよろしく、『いつ飲み込んでいいかわからない』ゴムのような冷凍イカと比べると別物である。
ひととおりの仕事のグチを言い合ったところで聡はくだんの問題をもちだしてみた。
目の前には、落ちギスの握りが置かれた。白いキスの身の上にはぽっちりと小さく桃色の梅肉が置いてあるのが美しい。
それを素手で一口で頬張りながら美智子は考える。
「んー。勉強ねえ……。あたしの仕事はそれなりに全部役に立ってる感があるんだけど」
「大学行かないコとかだとどうなんだろ」
箸を使っていた聡だが、美智子を真似てこれ以降は手でいただくことにする。
梅の酸味がキスに秘められた甘味を引き出している。
「そーだねー。難しいわねー」
次に置かれたのは、皮付きの鯛。皮を香ばしく炙ってあり、九州特産のユズコショウが一粒載せられている。
「1つは忍耐力を養う、ってところかなあ」
「はあーなるほどね」
自分のクラスを思い出す。忍耐力を養うというよりは、面倒くさいことをていよくやり過ごす、という時間になっていそうだ。
「あとは、人と共通の経験。勉強が嫌だった、我慢したってのは世代を超えてわりと共通の話題になりえるでしょ」
「フンフン」
次の紫蘇をあしらった鯖はこってりと舌にとけていく。
舌を爽やかにすべく聡は、自家製だというガリを噛んだ。
タイ産のピンク色のそれとは違ってショウガのままの色だ。
まあ、勉強で退屈だった、という共通の思い出は、寿司におけるガリ程度のつまみになるのかもしれない。
「あとはぁ、うーん。大学行かなくても分野によっては必要なものもあるかもしれないんじゃない?例えばさあ……」
美智子は、キュウリと海苔でおのおの巻かれた小さなウニの軍艦巻き2種を頬張りながら、
取材で出会ったというあるセラピストの話を詳しくはじめた。
「なるほどー」聡はそれはとても参考になると思った。
「でもさ、聡、そもそも高校時代に自分のなりたいものってあった?」
聡は自分の高校時代を思い浮かべる。
初めて出来た彼氏に浮かれていた自分を思い出している聡の前に、活きトコブシの軍艦が置かれた。
ヌルヌルとまだうごめく、アワビのミニチュアのような姿に一瞬ギョッとしたが、
こわごわ口にすると以外にも涼やかな味なのだった。レモンのさっぱりとした後口がする。
あの頃、同級生の彼氏ができて、しばらくして聡はセックスを知った。
知ってしばらくは、そればかりに夢中だったような気がする。それは大学受験を意識する頃まで続いたのだ。
あの頃、遠い将来なんかより、彼氏と一緒にいることのほうがずっと大事だった。
「ないねー。なかったね」
「あたしはさ、本当はさ、漫画家になりたかったんだけどさー。
でもね、たぶん今のコたちもそうだけど、大人になることに夢が持てないんじゃないかなあ」
「夢?」
店自慢の穴子が置かれ、寿司のコースもクライマックスを迎えている。美智子は食べながら話を続ける。
「うん。大人になっても、つまんない労働だけさせられて、そのくせ働いても働いて給料もあがらないで、
リストラにおびえるの。親たちも含めて、まわりがそういう大人ばっかりなんじゃないかな。
で、自分もいずれそうなると思ってて、絶望してんの。だから今を楽しんじゃってるんじゃないかなあ」
穴子は濃く煮締めてあるように見えたが、口に入れるとふわっとしていた。
「でもさ、労働ってさ、つらいばかりじゃないんだよね。
努力して苦しい思いをしたのが報われるとかさ。自分が成長したのを感じるとかさ。
こういうのって学生時代はわかんないじゃん」
聡はまだその果実の味を知らないので黙ってきいている。
「ねっ?大将!」
美智子は12種の寿司の最後の玉子焼きを置いた主人に同意を求めた。
「これが絶品でデザートがわりなのよ~」と目を細めて付け加える。
50代後半だろうか。主人は微笑んでうなづいた。お愛想ではない額に刻まれた皺を崩すようないい顔だ。
「そうですね。やらされてる、と思っている間は仕事はつらいばかりですけど、
自分でやるって決めた仕事は面白くなりますね」
聡はハッとした。確実なヒントを1つ聞いた気がした。
デザートがわりの玉子は甘じょっぱさがいい塩梅だった。
そのとき、シメの濃いお茶を運んできた若い衆と目が合った。見覚えのある顔。
―――ええっ!
その若い衆も目を丸くしている。
「兵藤くんじゃない!何やってるの」
聡に『勉強って役に立つのか』という難問を出した丸刈り少年である。
白いうわっぱりを着た兵藤は盆を胸元に持ってペコリと頭を下げた。
「ん、憲どうした?」主人がこちらに気がついて、兵藤に声をかけた。
「親方、僕の担任の先生です」
「あ、先生ですか、どうも。憲がお世話になってます」
主人は、仕事の手を再びとめて、カウンター越しに挨拶した。
「ここでバイトしてるの?」バイトは特に禁止されていないのだが。
「……修行してるんです」兵藤は顔を真っ赤にして言うと、お茶を運びに行ってしまった。
翌日。
朝のHRで教室に入った聡は、将よりも前に、兵藤憲一と目があってしまった。
兵藤は顔を赤くするとペコっと頭だけで挨拶をした。
隣の席の将は目を丸くして、兵藤と聡の様子を交互に見比べた。
聡は教卓に立ち、出席を取ると、おもむろに生徒全員に向かって聞いてみた。
「この中で、大学に進学しようともう決めてる人」
生徒は突然の質問に顔を見合わせたが、10人ほどが手を挙げた。
その中に頬杖をつきながら一番前で手を挙げる将がいたのが意外だった。
「じゃあ、将来何の仕事をやりたいか決めてる人」
こちらは数人程度だ。その中には、昨日寿司屋で働いていた兵藤がいた。
聡は、皆に来週から進路指導のための三者面談が始まることを告げてHRを終了した。
「兵藤くん、いい?」聡は兵藤を廊下に呼び出した。
聡が将以外の生徒を一人を呼び出したのは初めてである。とたんに廊下の窓に野次馬が鈴なりになった。
兵藤は赤くなって下を向いた。
話にならない、と判断した聡は「放課後にね。事情を教えて」と言って兵藤を解放した。
将は戻ってきた兵藤に「ケンちゃん、何だったのよ」とふざけて聞いたが
兵藤は丸刈りの地肌をほんのりピンクにそめて、「何でもないよっ」と下を向いて教科書を出し始めた。
服装も、学生時代よりコケティッシュになっていてパッと見、編集者に見えない。
指摘すると、若者向けの情報誌をつくっているからネ、とチロッと舌を出した。
聡は、同じ若い女性として、学校帰りの地味なスーツをちょっと恥じた。
待ち合わせ場所から話は尽きず、言っていた「安くて美味しい寿司屋」まで、お互いの近況を話すには短すぎるほどだった。
その寿司屋は、こぢんまりとしているが、白木のカウンターがよい匂いを放っており、いかにも清潔な感じのたたずまいだった。
早い時間だからかまだ客はまばらだが、美智子の担当した記事が世に出たら、こうは簡単にこれなくなるだろうとのことだった。
貝殻を使った箸置きが女将さんによって置かれる。
しかし着物も着ておらず、白いブラウスに黒いエプロン姿は「奥さん」といったほうがふさわしい。
店の接客は若い衆とこの奥さんだけでまかなわれていて、気楽な感じだ。
「ここはね。本当におすすめなの。基本的にはお任せコースしかないんだけど、マグロ以外は国産の天然ものしか使わないのよ。
全部ご主人のコネなんだから」
まずはビールで乾杯する。もちろんヱビスビールである。
「聡の就職祝いに乾杯!」
「ありがとう」
仕事帰りの体はビールを砂のように吸い込んでいく。
聡のグラスはあっという間に空になり、そこへすかさず美智子が2杯目を注ぎ込む。
握るのは年配の主人といくぶん若いベテランの職人のようだ。
さっそく目の前にサヨリの握りが置かれる。
白く透明な身に銀青色の皮が少し残してある。それを見て聡はまたも故郷を思い出した。
聡は箸で口に運んだが、ほどよい握りの寿司を箸で食うのは難しい。
裏返して醤油をつけるときに飯が崩れそうになる。
しかし、最初の握りにふさわしい清冽な身に、握り過ぎない飯粒が舌の上でほろほろとほぐれ、交じり合う様は素晴らしかった。
握りの飯が小さめなのは、客を見て加減しているのだという。
ここ数年、やけに甘いぎっちりと固められた寿司飯に乗った、脂っぽい養殖タイや、サーモンしか味わっていなかった聡には別世界のような旨さだった。
次に岩塩が乗せられたイカ。身がまだ透明でシャキッと噛み切れる。
自虐芸人のギャグよろしく、『いつ飲み込んでいいかわからない』ゴムのような冷凍イカと比べると別物である。
ひととおりの仕事のグチを言い合ったところで聡はくだんの問題をもちだしてみた。
目の前には、落ちギスの握りが置かれた。白いキスの身の上にはぽっちりと小さく桃色の梅肉が置いてあるのが美しい。
それを素手で一口で頬張りながら美智子は考える。
「んー。勉強ねえ……。あたしの仕事はそれなりに全部役に立ってる感があるんだけど」
「大学行かないコとかだとどうなんだろ」
箸を使っていた聡だが、美智子を真似てこれ以降は手でいただくことにする。
梅の酸味がキスに秘められた甘味を引き出している。
「そーだねー。難しいわねー」
次に置かれたのは、皮付きの鯛。皮を香ばしく炙ってあり、九州特産のユズコショウが一粒載せられている。
「1つは忍耐力を養う、ってところかなあ」
「はあーなるほどね」
自分のクラスを思い出す。忍耐力を養うというよりは、面倒くさいことをていよくやり過ごす、という時間になっていそうだ。
「あとは、人と共通の経験。勉強が嫌だった、我慢したってのは世代を超えてわりと共通の話題になりえるでしょ」
「フンフン」
次の紫蘇をあしらった鯖はこってりと舌にとけていく。
舌を爽やかにすべく聡は、自家製だというガリを噛んだ。
タイ産のピンク色のそれとは違ってショウガのままの色だ。
まあ、勉強で退屈だった、という共通の思い出は、寿司におけるガリ程度のつまみになるのかもしれない。
「あとはぁ、うーん。大学行かなくても分野によっては必要なものもあるかもしれないんじゃない?例えばさあ……」
美智子は、キュウリと海苔でおのおの巻かれた小さなウニの軍艦巻き2種を頬張りながら、
取材で出会ったというあるセラピストの話を詳しくはじめた。
「なるほどー」聡はそれはとても参考になると思った。
「でもさ、聡、そもそも高校時代に自分のなりたいものってあった?」
聡は自分の高校時代を思い浮かべる。
初めて出来た彼氏に浮かれていた自分を思い出している聡の前に、活きトコブシの軍艦が置かれた。
ヌルヌルとまだうごめく、アワビのミニチュアのような姿に一瞬ギョッとしたが、
こわごわ口にすると以外にも涼やかな味なのだった。レモンのさっぱりとした後口がする。
あの頃、同級生の彼氏ができて、しばらくして聡はセックスを知った。
知ってしばらくは、そればかりに夢中だったような気がする。それは大学受験を意識する頃まで続いたのだ。
あの頃、遠い将来なんかより、彼氏と一緒にいることのほうがずっと大事だった。
「ないねー。なかったね」
「あたしはさ、本当はさ、漫画家になりたかったんだけどさー。
でもね、たぶん今のコたちもそうだけど、大人になることに夢が持てないんじゃないかなあ」
「夢?」
店自慢の穴子が置かれ、寿司のコースもクライマックスを迎えている。美智子は食べながら話を続ける。
「うん。大人になっても、つまんない労働だけさせられて、そのくせ働いても働いて給料もあがらないで、
リストラにおびえるの。親たちも含めて、まわりがそういう大人ばっかりなんじゃないかな。
で、自分もいずれそうなると思ってて、絶望してんの。だから今を楽しんじゃってるんじゃないかなあ」
穴子は濃く煮締めてあるように見えたが、口に入れるとふわっとしていた。
「でもさ、労働ってさ、つらいばかりじゃないんだよね。
努力して苦しい思いをしたのが報われるとかさ。自分が成長したのを感じるとかさ。
こういうのって学生時代はわかんないじゃん」
聡はまだその果実の味を知らないので黙ってきいている。
「ねっ?大将!」
美智子は12種の寿司の最後の玉子焼きを置いた主人に同意を求めた。
「これが絶品でデザートがわりなのよ~」と目を細めて付け加える。
50代後半だろうか。主人は微笑んでうなづいた。お愛想ではない額に刻まれた皺を崩すようないい顔だ。
「そうですね。やらされてる、と思っている間は仕事はつらいばかりですけど、
自分でやるって決めた仕事は面白くなりますね」
聡はハッとした。確実なヒントを1つ聞いた気がした。
デザートがわりの玉子は甘じょっぱさがいい塩梅だった。
そのとき、シメの濃いお茶を運んできた若い衆と目が合った。見覚えのある顔。
―――ええっ!
その若い衆も目を丸くしている。
「兵藤くんじゃない!何やってるの」
聡に『勉強って役に立つのか』という難問を出した丸刈り少年である。
白いうわっぱりを着た兵藤は盆を胸元に持ってペコリと頭を下げた。
「ん、憲どうした?」主人がこちらに気がついて、兵藤に声をかけた。
「親方、僕の担任の先生です」
「あ、先生ですか、どうも。憲がお世話になってます」
主人は、仕事の手を再びとめて、カウンター越しに挨拶した。
「ここでバイトしてるの?」バイトは特に禁止されていないのだが。
「……修行してるんです」兵藤は顔を真っ赤にして言うと、お茶を運びに行ってしまった。
翌日。
朝のHRで教室に入った聡は、将よりも前に、兵藤憲一と目があってしまった。
兵藤は顔を赤くするとペコっと頭だけで挨拶をした。
隣の席の将は目を丸くして、兵藤と聡の様子を交互に見比べた。
聡は教卓に立ち、出席を取ると、おもむろに生徒全員に向かって聞いてみた。
「この中で、大学に進学しようともう決めてる人」
生徒は突然の質問に顔を見合わせたが、10人ほどが手を挙げた。
その中に頬杖をつきながら一番前で手を挙げる将がいたのが意外だった。
「じゃあ、将来何の仕事をやりたいか決めてる人」
こちらは数人程度だ。その中には、昨日寿司屋で働いていた兵藤がいた。
聡は、皆に来週から進路指導のための三者面談が始まることを告げてHRを終了した。
「兵藤くん、いい?」聡は兵藤を廊下に呼び出した。
聡が将以外の生徒を一人を呼び出したのは初めてである。とたんに廊下の窓に野次馬が鈴なりになった。
兵藤は赤くなって下を向いた。
話にならない、と判断した聡は「放課後にね。事情を教えて」と言って兵藤を解放した。
将は戻ってきた兵藤に「ケンちゃん、何だったのよ」とふざけて聞いたが
兵藤は丸刈りの地肌をほんのりピンクにそめて、「何でもないよっ」と下を向いて教科書を出し始めた。
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