詩集『関係』 ーフリー朗読台本ー

Reki

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約束事の関係

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それは際どいゲーム
勝利の味を夢想しながら、負けることが保証されている

扉の前で止まる足音
『海の沈黙』のようにノックされる扉
開け放たれ瞬間に閉じられる世界
身体は開かれるが心はますます閉じられる

駆け引きは不要に見えて有用
思いやりが大切な関係
はじめて出会ったが二人が
いきなり命と命でぶつかって
削られる

そこには小さな部屋がたくさんあって
いつもうめき声で満室の拷問部屋
きずの舐め合いは始まっていて
陥没した乳首が吸い出される関係

――痛く、ない?
――気持ちい、い

こういう会話が何度も繰り返される場所
その時、君は天井を見つめる

――あ、あの天井のひび、うちのひびに似てるな…

君の世界が始まったとき
この部屋に来ることは予見されていなかった
宿命的なヒールの音をたてて
君はたぶん探していたと思う
開けた先に、森があるドアを
そこにはリスや狐がいて、君を優しく待っている
待っているんだよね?

けれども実際はそこに広がるのは
少し湿気ているか、乾燥している閉塞空間
そこには一人の人間しかいない
窓もない
何度も繰り返される既視感デジャヴ

君は立ち上がり
再びここを訪れるために立ち去るだろう
約束事は痛々しいまでに守られて

これは一種の際どいゲーム
敗者しかいない、関係
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