くすぐり愛 ― 偏執の紳士と聖女ティアナ

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愛執と蕩けの果て

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「ああ……ティアナ……君が笑い、震える姿を見ていると、胸が締めつけられるようだ。もっと……もっと君を感じたい」

レオニスの声音は掠れていた。
だが、その手つきは、以前にも増して精妙で、冷静だった。
彼の欲望は、激情として表に出るのではなく、冷たく、緻密な愛撫として表現される――だからこそ、恐ろしいほどの深さを持つのだ。

彼の両手が、ティアナの胴体を包む。
指先は肋骨の隙間を滑り、脇腹を這い、そして脇の窪みへと忍び込む。

「ひゃぁっ……! レオニス、そこは……っ、ふあっ、くすぐったい、いぃぃっ……!」

「知ってるよ。君の弱いところは、すべて……何度も確かめた。覚えている。忘れるわけがないだろう?」

そして、脇をくすぐる手は、ほんの少し角度を変える。
肋骨の際、肘の裏、そして――そのまま手首を取り、片手でティアナの腕を上に押し上げる。

露わになったその下の、なめらかに張った肌へ、舌を這わせる。

「んんっ、くすぐったぁい……! ひゃううううっ……! も、そこばっかりぃっ、んふふふふふっ……!」

笑いが、喘ぎとともに漏れ出る。
身体は逃れようとするが、レオニスの手が、巧みに、優しく、それでいて確実に制していた。

「君のくすぐったさの奥にある、もうひとつの“震え”。
……そこに触れると、君の声が変わる。君の身体が、欲しくて震える。気づいてるかい? ティアナ」

そう囁くと、レオニスの舌が、再び脇腹から乳房の下へと滑っていく。
くすぐりながら、愛撫する。
愛撫しながら、くすぐる。
その境界が、もはや存在しない。

「いやっ、だめぇっ……あっ、んふっ、ふぁあぁっ……もう、変になっちゃう、やぁぁっ……!」

ティアナの身体は、反射的に跳ね、足先がぴんと張る。
足の裏までも、くすぐられているように敏感に反応していた。

「その“変になる”ところまで、君を連れていきたい。
笑いと快感の果て……その先に、君だけの悦びがあるならば、俺は――」

彼の手が太ももを撫で上げ、敏感な付け根へ。
同時にもう一方の手が、乳腺の中心部を、舌と指で交互に、そっと、けれど確実に攻め立てる。

「レオニスぅっ……あああっ……くすぐったいのにっ……きもちいいのっ……なにこれ、なにこれぇぇっ……!!」

「君の“全部”を知りたい。感じさせたい。くすぐって……笑わせて……何度も、果てさせたい。俺だけに……そうだろう、ティアナ?」

ティアナは頭を振り、涙をにじませながら笑い、声を上げ、くすぐったさと快楽の波にのみ込まれていった。
笑って、喘いで、絶頂し……また笑わされる。

それは、何度も、何度も。
波が寄せては返し、また押し寄せるように。

「ひあっ、あっ……またぁぁっ……っ! きちゃうのぉ……笑ってるのにっ……どうしてっ……っ!!」

「それが、くすぐりの愛だ。君を一番感じさせる方法……俺は知ってる。君のすべてを、これからも何度でも――くすぐって、悦ばせる」

そう誓うように囁いたレオニスの口元に、微笑が浮かんでいた。
それは紳士の顔をした狂気。
だが、ティアナは、そのすべてを拒まずに受け入れた。

快楽とくすぐりの渦の中、ふたりの世界は、静かに深く、絡み合っていく――
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