くすぐり愛 ― 偏執の紳士と聖女ティアナ

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「この身すべて、あなたに委ねたい夜」

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朝の柔らかな光が、カーテン越しに差し込む。
だがティアナの心は、夜の余韻をまだ抱いていた。

微かな筋肉痛。
何度もくすぐられ、笑い泣きし、快楽の深みに落ちた記憶。
レオニスの手、声、眼差し——
どれもが、彼女の中で甘く疼いていた。

「もっと……」
唇から、自然とこぼれたその言葉。

彼女は自室の鏡台の前に立ち、ドレスを選ぶ。
白磁のような肌に映える、すこし大胆なドレス。
胸元があき、肩が露わになる滑らかな絹。
——くすぐってほしい場所を、彼の目にさらけ出すために。

そして夜。
ふたたびサロンで、ふたりは向かい合った。

ティアナは、まっすぐにレオニスの瞳を見つめる。

「お願い……」
「ティアナ?」
「……くすぐって。もっと、私を……壊れるまで。あなたの手で、笑い尽くさせて」

レオニスの目が、驚きと、すぐに抑えがたい熱を帯びる。

「どうして、そう思った?」
「あなたが……触れてくれたあの夜、私は、笑いながら、心がほどけていくのを感じたの。
ねえ、レオニス……笑うの、怖くないの。あなたとなら、どこまでも堕ちていける……」

その声は震えていた。
けれど、その願いは確かだった。

レオニスはそっと立ち上がり、彼女の髪に指を通しながら、ささやく。

「……いいだろう。
今夜は、君の願いに応えてあげよう。
どこまで君が“笑い堕ちてくれる”か、ゆっくり確かめさせてもらう」


◆ 夜の饗宴、ふたたび。


ティアナは、ソファに仰向けに寝かされ、リボンで両手首を拘束される。
だが今回は、自ら身を差し出した彼女の中に、恐れはなかった。

「くすぐって……レオニス……私の全部を、あなたに晒すの」

まずは足裏から。
繊細な羽根が、アーチを描くように踵から指先へと這う。

「ひゃぁっ、あふっ、んふふ……あははっ、あぁ、やっぱり……そこ、だめっ、好きっ……!」

彼女の笑いは、すでに陶酔を帯びている。
脇、背中、膝裏、腰のくびれ。
どこに触れても、彼女は悦びの声で応える。

そして、唇が、耳の後ろに添えられ、吐息混じりにささやかれる。

「ティアナ、まだ笑えるだろう?」
「ん、ふふっ……まだ、笑える……。もっと、ちょうだい……! もっと私を、壊して……!」

彼は彼女の願いどおりに、胸元のくぼみ、肋骨の下、敏感な首筋まで、すべてを指先で掘り起こす。
甘く、執拗に、愛おしむように。
だがどこか、容赦のない嗜虐性を滲ませて。

「ふあっ、ひゃっ……ひぃ……あっははははっ、も、だめ、でも、好きっ……好きぃ……レオニス……!」

笑いながら、涙を流しながら、彼の名を何度も呼ぶティアナ。
その姿は、崩れ、翻弄され、それでも甘く、美しい。

そして、静けさのなかに、ふたりだけの時間が戻ってくる。

くすぐりの嵐のあと、レオニスは彼女を抱き寄せ、髪を撫でる。

ティアナの指が、けだるげに、レオニスの胸元をなぞる。
信頼。降伏。熱。
そのすべてが、静かにふたりを包んでいた。

「また……お願いしてもいい?」
「もちろん。何度でも、君が願うたびに、僕のすべてで応えるよ」

そして、ティアナは微笑んだ。
心の奥から、甘くほどけるように。

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