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再会のくすぐり
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夜の帳が降りていた。
薄いレースのカーテンが風に揺れ、月光が室内にやさしく降り注ぐ。
ティアナはひとり、ベッドの上に腰掛けていた。
身に纏うのは、絹のナイトドレス。肩先から鎖骨のあたりまで、ほのかに透ける布が彼女の肌の白さを際立たせる。
──指先が、触れた。
あの夜。彼の指が、肌をなぞり、音もなくくすぐったあの感触を──ふいに、思い出す。
「レオニス……」
その名を呟いたちょうどそのとき、扉が、静かにノックされた。
彼の帰還は、知らせを受けていた。
けれど実際に彼がこの扉の向こうに立っていると気づいた瞬間、ティアナの心臓は、急に不規則に鼓動を刻み始めた。
──鍵を開けると、彼がいた。
黒の礼服の上着を手に持ち、旅の疲れを微塵も見せない、穏やかで鋭いその瞳。
ティアナの視線と、彼の視線が、静かに重なる。
「……おかえりなさい、レオニス様」
彼は微笑んだ。
一歩、また一歩と、ティアナに近づく。
「ただいま、ティアナ。ずいぶん、君の夢を見ていたよ──指先の感触までも、覚えているほどにね」
彼の手が、そっとティアナの頬に触れる。
その温もりと同時に、彼女の頬がほんのりと熱を帯びた。
「そんな…意地悪。思い出すだけで……」
レオニスは彼女の手を取り、ゆっくりとベッドに導いた。
ティアナは、彼の胸元に顔を預けるようにして、軽く息を吐く。
──そして。
レオニスの指先が、そっと、ティアナの耳の後ろを撫でた。
ごく軽く、まるで絹糸がすべるような感触。
「っ……ふっ……く、すぐったい……」
反射的に肩が跳ねる。
けれど彼の指先は動きを止めず、まるで“忘れかけていた旋律を思い出すように”、静かに、そして執拗に肌をたどってゆく。
耳の後ろから、首筋、鎖骨へ。
そのくすぐりは、笑わせるというよりも、「心をほぐし、開かせる儀式」のように思えた。
「ティアナ……この辺りが、特に敏感だったね」
レオニスは囁きながら、今度は指先を彼女の脇の下のあたりへ滑らせる。
服の上からではあるけれど、彼女の柔らかな肉がぴくりと震えた。
「やっ…! だ、だめ……そこは……ぁ、ふふ……」
くすぐったさを堪えながらも、ティアナの笑いは、甘く濡れていた。
“やめて”の中に、“もっと”が混ざる──
くすぐったさというのは、不思議な感覚だった。
快楽とも違い、痛みでもなく、けれど抗えない。
逃れようとするほど、身体の奥の奥まで入り込んできて、自分でも知らなかった快感の芽を震わせてくる。
レオニスは、そんなティアナの揺れを、楽しむかのように、けれどとても優しく受け止めていた。
「ほら、ここも──君は、覚えていたかい?」
そう言って、彼の指が今度はお腹の下腹部に触れる。
そっと、ゆっくりと円を描くように、くすぐりが続けられる。
「ぁ……うそ……そこ……ふ、ぁ……だめぇ……」
声が、甘く震える。
ティアナは自分の身体が、自分の意思とは別に、震え、熱を帯びていくのを感じていた。
レオニスは、ただ“くすぐるだけ”。
けれどその指先が触れるたび、ティアナの身体は記憶を呼び起こされ、愛されることを思い出していく。
「ティアナ。君の身体は、言葉よりも雄弁だ。──ずっと、俺の指を待っていたようだね」
「そんな……ぁ、レオニス様が、わたくしを……こんなふうに……」
「……くすぐりは、“心の封印”をほどく儀式だ。
君がどんなに言葉で拒んでも、この指は、君の真実を引き出す──
ほら、こうして……」
ティアナの太もも内側。
触れられた瞬間に、彼女の身体は小さく跳ね、笑いと息の混ざる声が漏れた。
「ん……っ、ふふっ……あっ、だめ……いや……ぁ……」
その声は、拒絶でも命令でもない。
くすぐられながら、自らを許し、委ねていく声──愛される悦びを、歌うような声だった。
薄いレースのカーテンが風に揺れ、月光が室内にやさしく降り注ぐ。
ティアナはひとり、ベッドの上に腰掛けていた。
身に纏うのは、絹のナイトドレス。肩先から鎖骨のあたりまで、ほのかに透ける布が彼女の肌の白さを際立たせる。
──指先が、触れた。
あの夜。彼の指が、肌をなぞり、音もなくくすぐったあの感触を──ふいに、思い出す。
「レオニス……」
その名を呟いたちょうどそのとき、扉が、静かにノックされた。
彼の帰還は、知らせを受けていた。
けれど実際に彼がこの扉の向こうに立っていると気づいた瞬間、ティアナの心臓は、急に不規則に鼓動を刻み始めた。
──鍵を開けると、彼がいた。
黒の礼服の上着を手に持ち、旅の疲れを微塵も見せない、穏やかで鋭いその瞳。
ティアナの視線と、彼の視線が、静かに重なる。
「……おかえりなさい、レオニス様」
彼は微笑んだ。
一歩、また一歩と、ティアナに近づく。
「ただいま、ティアナ。ずいぶん、君の夢を見ていたよ──指先の感触までも、覚えているほどにね」
彼の手が、そっとティアナの頬に触れる。
その温もりと同時に、彼女の頬がほんのりと熱を帯びた。
「そんな…意地悪。思い出すだけで……」
レオニスは彼女の手を取り、ゆっくりとベッドに導いた。
ティアナは、彼の胸元に顔を預けるようにして、軽く息を吐く。
──そして。
レオニスの指先が、そっと、ティアナの耳の後ろを撫でた。
ごく軽く、まるで絹糸がすべるような感触。
「っ……ふっ……く、すぐったい……」
反射的に肩が跳ねる。
けれど彼の指先は動きを止めず、まるで“忘れかけていた旋律を思い出すように”、静かに、そして執拗に肌をたどってゆく。
耳の後ろから、首筋、鎖骨へ。
そのくすぐりは、笑わせるというよりも、「心をほぐし、開かせる儀式」のように思えた。
「ティアナ……この辺りが、特に敏感だったね」
レオニスは囁きながら、今度は指先を彼女の脇の下のあたりへ滑らせる。
服の上からではあるけれど、彼女の柔らかな肉がぴくりと震えた。
「やっ…! だ、だめ……そこは……ぁ、ふふ……」
くすぐったさを堪えながらも、ティアナの笑いは、甘く濡れていた。
“やめて”の中に、“もっと”が混ざる──
くすぐったさというのは、不思議な感覚だった。
快楽とも違い、痛みでもなく、けれど抗えない。
逃れようとするほど、身体の奥の奥まで入り込んできて、自分でも知らなかった快感の芽を震わせてくる。
レオニスは、そんなティアナの揺れを、楽しむかのように、けれどとても優しく受け止めていた。
「ほら、ここも──君は、覚えていたかい?」
そう言って、彼の指が今度はお腹の下腹部に触れる。
そっと、ゆっくりと円を描くように、くすぐりが続けられる。
「ぁ……うそ……そこ……ふ、ぁ……だめぇ……」
声が、甘く震える。
ティアナは自分の身体が、自分の意思とは別に、震え、熱を帯びていくのを感じていた。
レオニスは、ただ“くすぐるだけ”。
けれどその指先が触れるたび、ティアナの身体は記憶を呼び起こされ、愛されることを思い出していく。
「ティアナ。君の身体は、言葉よりも雄弁だ。──ずっと、俺の指を待っていたようだね」
「そんな……ぁ、レオニス様が、わたくしを……こんなふうに……」
「……くすぐりは、“心の封印”をほどく儀式だ。
君がどんなに言葉で拒んでも、この指は、君の真実を引き出す──
ほら、こうして……」
ティアナの太もも内側。
触れられた瞬間に、彼女の身体は小さく跳ね、笑いと息の混ざる声が漏れた。
「ん……っ、ふふっ……あっ、だめ……いや……ぁ……」
その声は、拒絶でも命令でもない。
くすぐられながら、自らを許し、委ねていく声──愛される悦びを、歌うような声だった。
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