くすぐり愛 ― 偏執の紳士と聖女ティアナ

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加虐と被虐

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ティアナの胸元は、くすぐられたばかりの余韻でまだ微かに波打っていた。
吐く息は熱く、肌は汗ばんで、けれどその姿はどこまでも上品で、気高くて──
くすぐられてあらわになった彼女の無防備ささえ、ひとつの美術品のような神聖さを湛えていた。

レオニスは、彼女の髪をかきあげ、そのうなじにそっと口づけた。

「……ティアナ。
君の“笑い”を、俺は、宝石のように思っているんだ」

彼の低く、確信に満ちた声が、ティアナの背骨を通して心に染み込む。
それは、快感でも言葉でも越えられない──ただ、彼にしか届かない場所をくすぐられるような感覚だった。

「わたくし、……レオニス様にくすぐられると、何も隠せなくなって……
でも、それが……幸せ、で……怖くて、うれしくて……」

「いいんだ、ティアナ。隠さなくていい。
君が恥ずかしがるその場所こそが、いちばん美しいのだから」

彼の手が、もういちどそっと彼女の腰のあたりに触れる。
けれど今度は、くすぐるというよりも慰撫のように──すべらせ、撫で、温もりを与えていく。

だが、安心した瞬間、彼の指先がふいにくすぐったい点を正確に突いた。

「やっ……ふ、ふふ……っ、も……っ、また……ぁ……!」

笑いが、零れる。
心の奥の蓋が、また開いてしまう。

そして、彼女は気づいたのだ。
自分が愛される時──レオニスは、
「安心させながら、同時に、無防備なところを甘く突いてくる」のだということに。

それは、技巧でも駆け引きでもない。
ただ、愛しているからこそ、心の一番奥に触れたくなる──そんな指先だった。

レオニスはティアナを抱きかかえ、ベッドの中央にゆっくりと寝かせる。
彼女の髪がシーツにほどけ、まるで白百合の花びらのように広がった。

「ティアナ、目を閉じて。
君の“くすぐりの音”を、今夜は目で聴かせてくれ」

彼の囁きに従い、ティアナはまぶたを伏せた。
すると、視覚を閉じた分だけ、皮膚の感覚が鋭くなる。

──そして、彼の指が動き出す。

今度は、おへそのまわりを、ゆっくり、円を描くように。
ごく軽く、指先だけでなぞるように。

「くっ……あっ、ふふ、ふ……ぁ……そこ……」

そこは、笑いが反射的に出てしまう場所。
けれど同時に、神経がじんわりと熱を帯びていく場所でもあった。

くすぐったくて、苦しい。
でも、そこに触れてもらえることで、どこか安心している。

レオニスの指が“自分の核”を知ってくれている──そう思えるからだ。

やがて、彼の指はさらに内側へ、中心へと向かっていった。

ティアナの脚が自然とわずかに開かれ、
彼女自身がそれを意識していないほど、くすぐりによって心も身体も解かれていた。

彼のくすぐる手はもう、笑わせるためではない。
くすぐられることで──ティアナは、自分という存在の深層を、彼に預けていく。

「レオニス様……わたくし、全部……あなたに見られても、かまいません……」

「見ているよ、ティアナ。
くすぐりながら、君の心を全部、抱きしめているんだ」

その言葉とともに、彼の指が**とある“深奥の場所”**をくすぐった。
そしてティアナは──

「ふぁ……ぁああっ……レオニス様……わたくし……っ」

身体を弓のようにしならせ、
くすぐったさと快感の極みの中で、震えるような幸福の声を上げた。

月は高く昇っていた。
くすぐりは、ただ笑わせるものではなかった。

それは、心をすべて委ねるための儀式。
笑いも、恥も、悦びも、涙さえも、ひとつの感覚へと溶けていく夜。

ティアナは、レオニスの胸の中で眠りにつく。
微笑みを浮かべながら、くすぐったさの残る肌を、彼の体温に預けたまま──

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