不死の魔法使いは鍵をにぎる

:-)

文字の大きさ
124 / 201

魔王城へ向かうために

しおりを挟む
ダモンの村から視認できない程度に距離を取り、森の中で一夜を明かす。
いつもの通り引っ付いて眠っているヘフテとダモンを横目に、今後についての話し合いだ。


魔王城に行かなければならない、というのは意見が一致している。
魔王に会い、この忌まわしい呪いを解く。




問題は、どう魔王城に行き、どう魔王と話を付けるかだ。







「魔物と遭遇するね。道中は絶対に。ヘフテの魔具を使う?戦闘は避けられるよね」

「それよりも、ダモンの村で使ってた仲間か確かめる陣を使う方がいいだろう」






魔具について聞いた時にあれだけ嫌がっていたのだ。
再び頼んだところで、ヘフテが魔具を渡してくれるとは思わない。

となると、魔物との衝突を避けられるあの魔具を使うためにはヘフテとダモンが同行する形になる。

それは避けるべきだ。





「魔王はダモンの村に顔を出している。ならあの魔法陣は魔物に対しても有効なはずだ」





魔物の仲間である混ざり者なのかどうか、見た目では判断できない。
敵味方の判断材料は必ず必要になる。





「わかった。そうしよう。ゲルハルトの結界もあるもんね。最悪の場合は。姿を隠しちゃえば魔物との戦闘もない。
じゃあ城まで行けたとする。行けたとして、どこに行けばいいんだろうね?魔王はどこに居るのかな。魔王城なんて入ったことないよ」

「それは私もだ」








勇者として魔王討伐を目指す者は、例外なく魔王城を目指す。


魔物は魔王城のある方向から必ずやってくるし、魔王城と呼ぶくらいなのだ。
あの城に魔王がいるはずである、と知らぬうちに刷り込まれている。

しかし、おそらく魔王城の中まで足を踏み入れたことのある勇者はいない。



魔王城を目指し、魔物を倒し、と足を進めていると、魔王自ら勇者を倒しに姿を現す。


ダモンは言っていた。
仲間の協力により、力、魔力を魔王は得ているのだと。


どんなに強い魔物が束となっても、魔王1人の力には及ばないのだろう。




そこまで勇者に辿り着かれてしまったら、魔王が返り討ちにした方が魔物側の被害は少なく済む。
私は魔王城の城門をくぐる前に魔王と戦ったため、敷地に足を踏み入れてもいない。








「あ、でも城に入る必要ないかもね。もしかしたら。誰か勇者と戦ってるかも。それならすぐに会えるよ」

「まだ魔王が起って10年と経ってないだろう。魔王の姿を見た勇者なんてまだ一人も居ないんじゃないか?」





魔王が現れて倒されるまでに、百十数年かかるのが通常である。


何人もの勇者が魔王城を目指し、魔物に倒され、複数人で連携を取り、どうにか魔王の情報を持ち帰り、漸く真に勇者と呼べる者が現れるのだ。

魔王の姿に関する情報が出回るだけでも5、60年程はかかる。


今はまだ魔物にやられる程度の、魔王城にたどり着くことすらできない勇者しかいないだろう。






「そっか。じゃあやっぱ入らなきゃいけないのか。魔王城の中まで。いっそ魔物に聞いちゃうとか?直接さ。魔王城にいる魔物は上位ばかりだし。言葉は通じるよ。聞いてくれるかは別として」





他に良い策がなければ、そうするしかないだろう。

そうなった場合は、いっそ魔物に変異したほうが楽かもしれない。
魔物同士で話した方が口が緩むのではないだろうか。



情報が少ないまま話し合っていても解決策は生まれない。
とりあえず魔王城付近に行って情報を得ようという話で終えた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
短編では、なろうの方で異世界転生・恋愛【1位】ありがとうございます! 読者様の方からの連載の要望があったので連載を開始しました。 シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます! ※連載のためタイトル回収は結構後ろの後半からになります。

まず、後宮に入れませんっ! ~悪役令嬢として他の国に嫁がされましたが、何故か荷物から勇者の剣が出てきたので、魔王を倒しに行くことになりました

菱沼あゆ
ファンタジー
 妹の婚約者を狙う悪女だと罵られ、国を追い出された王女フェリシア。  残忍で好色だと評判のトレラント王のもとに嫁ぐことになるが。  何故か、輿入れの荷物の中には、勇者の剣が入っていた。  後宮にも入れず、魔王を倒しに行くことになったフェリシアは――。 (小説家になろうでも掲載しています)

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】婚約破棄、その後の話を誰も知らない

あめとおと
恋愛
奇跡によって病を癒す存在――聖女。 王国は長年、その力にすべてを委ねてきた。 だがある日、 誰の目にも明らかな「失敗」が起きる。 奇跡は、止まった。 城は動揺し、事実を隠し、 責任を聖女ひとりに押しつけようとする。 民は疑い、祈りは静かに現実へと向かっていった。 一方、かつて「悪役」として追放された令嬢は、 奇跡が失われる“その日”に備え、 治癒に頼らない世界を着々と整えていた。 聖女は象徴となり、城は主導権を失う。 奇跡に縋った者たちは、 何も奪われず、ただ立場を失った。 選ばれなかった者が、世界を救っただけの話。 ――これは、 聖女でも、英雄でもない 「悪役令嬢」が勝ち残る物語。

【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます

なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。 過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。 魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。 そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。 これはシナリオなのかバグなのか? その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。 【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】

黄金の魔族姫

風和ふわ
恋愛
「エレナ・フィンスターニス! お前との婚約を今ここで破棄する! そして今から僕の婚約者はこの現聖女のレイナ・リュミエミルだ!」 「エレナ様、婚約者と神の寵愛をもらっちゃってごめんね? 譲ってくれて本当にありがとう!」  とある出来事をきっかけに聖女の恩恵を受けれなくなったエレナは「罪人の元聖女」として婚約者の王太子にも婚約破棄され、処刑された──はずだった!  ──え!? どうして魔王が私を助けてくれるの!? しかも娘になれだって!?  これは、婚約破棄された元聖女が人外魔王(※実はとっても優しい)の娘になって、チートな治癒魔法を極めたり、地味で落ちこぼれと馬鹿にされていたはずの王太子(※実は超絶美形)と恋に落ちたりして、周りに愛されながら幸せになっていくお話です。  ──え? 婚約破棄を取り消したい? もう一度やり直そう? もう想い人がいるので無理です!   ※拙作「皆さん、紹介します。こちら私を溺愛するパパの“魔王”です!」のリメイク版。 ※表紙は自作ではありません。

《完結》雪の女王を追って消えた、あんたは私と婚約してない!

さんけい
ファンタジー
「雪の女王」を追って村から消えたエイナル。 「君は僕の足かせだ?」ふざけんな、私はあんたの婚約者じゃない!

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

処理中です...