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見て見ぬふりを
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「その草どうするの?」
「食う」
「おいしいの?」
「まずい」
まずかろうが何だろうが、何かを口にしなければならないのだ。
それが食べ物であろうとなかろうと、だんだんと関係なくなっていく。
かつてのワイセたちよりも深刻な状況のようだった。
子供は危うげな足取りで歩いていく。
細い路地に入り、行きついたのは木や壁で隠れる場所。
幾人かの孤児でまとまって過ごしているようだった。
ワイセより2,3年下であろう子供が6人ほど。
野草や茸や捨てられたゴミ、精一杯集めたそれらを分け合っている。
「お腹こわすよ」
「待ってて!もっと良いもの、持ってくる」
野草や茸はかろうじていいとしても、およそ食べられるとは思えない物も交じっていた。
慌てて食べるのを止めて、ヘフテとダモンが町を飛び出す。
「おい!町の外は危ねえぞ!」
魔物に襲われる。
殺される。
ワイセ1人で自由に動き回る子供4人を止められはしない。
何とか1人捕まえられたシュグリを抑えながら、町と外の境界で叫んだ。
「アンテル!戻ってこい!」
「へいき。魔物こないよ」
「おいでよ」
魔物なんて存在しないかのように、何の警戒もなく森へ入っていくヘフテとダモン。
自分も付いて行きたいと腕の中でシュグリが暴れたが必死に抑えた。
アンテルの姿が遠くなっていく。
今にも魔物が現れて弟を殺してしまうのではないか。
恐怖に心臓が暴れる。
不安に駆られるワイセをよそに、ヘフテ・ダモン・アンテルは笑顔で戻ってきた。
幾つもの果物を抱えた状態で。
すぐさま先ほどの場所に戻り、孤児たちに果物を渡す。
まともな食べ物を口にしたのは久しぶりのようだった。
「助けてくれないかな」
アンテルがぽつりと言う。
「ゲルハルトとマーツェ、お願いしたら助けてくれないかな」
自分たちと同じように。
この孤児たちも。
「無理だ。言うんじゃねえぞ、アンテル」
ゲルハルトたちは金を豊富に持っているわけではない。
ほとんどを物々交換、もしくは技術提供の代わりに手に入れていた。
ワイセら3人を食べさせてくれているが、決して楽ではないだろう。
さらに6人の子供が加わるなど、食べていけるはずがない。
それは自分たちの寝食が脅かされることに繋がる。
せっかく手に入れたのだ。
雨風にさらされない温かい寝床。
飢える心配のない、満たされるまで食べられる食事。
手放すわけにはいかない。
見て見ぬふりをするのが一番いいのだ。
そう言い聞かせたのに。
「食う」
「おいしいの?」
「まずい」
まずかろうが何だろうが、何かを口にしなければならないのだ。
それが食べ物であろうとなかろうと、だんだんと関係なくなっていく。
かつてのワイセたちよりも深刻な状況のようだった。
子供は危うげな足取りで歩いていく。
細い路地に入り、行きついたのは木や壁で隠れる場所。
幾人かの孤児でまとまって過ごしているようだった。
ワイセより2,3年下であろう子供が6人ほど。
野草や茸や捨てられたゴミ、精一杯集めたそれらを分け合っている。
「お腹こわすよ」
「待ってて!もっと良いもの、持ってくる」
野草や茸はかろうじていいとしても、およそ食べられるとは思えない物も交じっていた。
慌てて食べるのを止めて、ヘフテとダモンが町を飛び出す。
「おい!町の外は危ねえぞ!」
魔物に襲われる。
殺される。
ワイセ1人で自由に動き回る子供4人を止められはしない。
何とか1人捕まえられたシュグリを抑えながら、町と外の境界で叫んだ。
「アンテル!戻ってこい!」
「へいき。魔物こないよ」
「おいでよ」
魔物なんて存在しないかのように、何の警戒もなく森へ入っていくヘフテとダモン。
自分も付いて行きたいと腕の中でシュグリが暴れたが必死に抑えた。
アンテルの姿が遠くなっていく。
今にも魔物が現れて弟を殺してしまうのではないか。
恐怖に心臓が暴れる。
不安に駆られるワイセをよそに、ヘフテ・ダモン・アンテルは笑顔で戻ってきた。
幾つもの果物を抱えた状態で。
すぐさま先ほどの場所に戻り、孤児たちに果物を渡す。
まともな食べ物を口にしたのは久しぶりのようだった。
「助けてくれないかな」
アンテルがぽつりと言う。
「ゲルハルトとマーツェ、お願いしたら助けてくれないかな」
自分たちと同じように。
この孤児たちも。
「無理だ。言うんじゃねえぞ、アンテル」
ゲルハルトたちは金を豊富に持っているわけではない。
ほとんどを物々交換、もしくは技術提供の代わりに手に入れていた。
ワイセら3人を食べさせてくれているが、決して楽ではないだろう。
さらに6人の子供が加わるなど、食べていけるはずがない。
それは自分たちの寝食が脅かされることに繋がる。
せっかく手に入れたのだ。
雨風にさらされない温かい寝床。
飢える心配のない、満たされるまで食べられる食事。
手放すわけにはいかない。
見て見ぬふりをするのが一番いいのだ。
そう言い聞かせたのに。
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