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呪われたエザリア
実は利害一致してました
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そのあとセインは約束通り、眠るまでに2回とり肉を湯掻いてエザリアに食べさせた。
(よかった、本当になんていい人かしら!セインありがとー)
とは言えないため、またニャッニャッとセインに話しかける。
するととてもうれしそうに、うんうんと言いながらエザリアの頭を撫でてくれるのだ。
(気持ちいい)
耳の後ろをかりかりとかいてくれるセイン。
エザリアは眠気を催し、すぅとセインの膝の上で寝落ちてしまった。
「え?寝ちゃった?なんかすごく懐こい子だな。どこかで飼われてたんじゃないかな?もしかして飼い主が探してるかもしれない・・・」
そうしたら、ねこちゃんは行ってしまう。
急にさみしくなって、眠る白猫の背をそっと撫で、抱き上げて自分のベッドに下ろしてやる。
眠り込んでいるというのに、もぞもぞと動いて布団に具合のいい凹みをこさえると、白猫は一度伸びをして、またスヤスヤと寝入った。
起きていたときもめちゃくちゃ可愛かった。
おしゃべりして返事して、ごはんをうみゃいうみゃいと食べて。
しかし、今ただ寝てるだけの姿も猛烈に可愛いのだ。
「ねこってヤバいな」
自分の声にクスッと笑ったセインは、布団に潜り込むと灯りを消した。
朝、セインは胸に重みを感じて魘された、と思ったら、胸の上にしがみつくように白猫が眠っているではないか!
「あはっ、こりゃあ参ったな」
自分の胸の鼓動に安心したように、すーすーと寝息を立てて。
─誰かの寝息を聞くなんて久しぶりだな─
誰かを泊めることもないので、父が亡くなってからは初めてだ。
自分がどれほど孤独だったのか、猫が現れて気がついてしまった。
─ねこちゃんが出て行ってしまったら・・・犬か猫を飼おうかな─
そうでもないと、この先の孤独に耐えられる自信がないと気弱に笑って、まだ惰眠を貪り続ける白猫の背を撫でていた。
誰かが揺さぶっているのを感じ、メイドが起こしに来たのかとエザリアは片目を開ける。
見知らぬ男!
(キャーっ!)
と叫んだつもりだったが、口からはニャーとしか出てこない。
(あ、ああ。そうだった!この人は助けてくれたんだったわ。・・・私今日も猫のままなのね)
猫もため息をつく。
「おはよう、ご機嫌はいかがかな?すぐにごはんの支度をするから待っていてね」
(ごはん?またごはん作ってくれるの?本当いいひとー♪)
エザリアはまだ呪いが解けない憂鬱を一瞬で忘れ、ニャニャッと返事をしていた。
朝もとり肉を茹でてくれたセイン。
エザリアは喉を鳴らしてむしゃむしゃ食べた。
(なんかとり肉茹でただけなのに、すっごく美味しいんだわ!私が猫だからかしら)
「ニャニャニャ、ニャアー?」
「うん?おいしかったかい?よかったね」
セインのやさしい人柄、やさしい言葉や撫でてくれる手が、エザリアのお気に入りになるのに時間はかからなかった。
(セインってとってもいい人だわ!いつもおうちにひとりで、家族はいないのかしら?
とりあえずしばらくはセインにお世話になって、神殿で呪いを解いてもらうにはどうしたらいいかを考えよう!)
喋れないエザリアがセインに了解を取ることはできないので、勝手に居座ることに決めた。
■□■
作者、訳あって庭にやってくる子猫たちを保護することになり、ただいま医療費ヤベー!状況でございまして(;^ω^)
少しでも足しにしたいという邪な考えで書き上げた作品です(*_*;
お気軽にお気に入りにポチっと頂けると大変ありがたいです。
当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
※【最新話を読む】機能を使うと読み飛ばす可能性がありますので、【しおりから読む】をお勧めします。
(よかった、本当になんていい人かしら!セインありがとー)
とは言えないため、またニャッニャッとセインに話しかける。
するととてもうれしそうに、うんうんと言いながらエザリアの頭を撫でてくれるのだ。
(気持ちいい)
耳の後ろをかりかりとかいてくれるセイン。
エザリアは眠気を催し、すぅとセインの膝の上で寝落ちてしまった。
「え?寝ちゃった?なんかすごく懐こい子だな。どこかで飼われてたんじゃないかな?もしかして飼い主が探してるかもしれない・・・」
そうしたら、ねこちゃんは行ってしまう。
急にさみしくなって、眠る白猫の背をそっと撫で、抱き上げて自分のベッドに下ろしてやる。
眠り込んでいるというのに、もぞもぞと動いて布団に具合のいい凹みをこさえると、白猫は一度伸びをして、またスヤスヤと寝入った。
起きていたときもめちゃくちゃ可愛かった。
おしゃべりして返事して、ごはんをうみゃいうみゃいと食べて。
しかし、今ただ寝てるだけの姿も猛烈に可愛いのだ。
「ねこってヤバいな」
自分の声にクスッと笑ったセインは、布団に潜り込むと灯りを消した。
朝、セインは胸に重みを感じて魘された、と思ったら、胸の上にしがみつくように白猫が眠っているではないか!
「あはっ、こりゃあ参ったな」
自分の胸の鼓動に安心したように、すーすーと寝息を立てて。
─誰かの寝息を聞くなんて久しぶりだな─
誰かを泊めることもないので、父が亡くなってからは初めてだ。
自分がどれほど孤独だったのか、猫が現れて気がついてしまった。
─ねこちゃんが出て行ってしまったら・・・犬か猫を飼おうかな─
そうでもないと、この先の孤独に耐えられる自信がないと気弱に笑って、まだ惰眠を貪り続ける白猫の背を撫でていた。
誰かが揺さぶっているのを感じ、メイドが起こしに来たのかとエザリアは片目を開ける。
見知らぬ男!
(キャーっ!)
と叫んだつもりだったが、口からはニャーとしか出てこない。
(あ、ああ。そうだった!この人は助けてくれたんだったわ。・・・私今日も猫のままなのね)
猫もため息をつく。
「おはよう、ご機嫌はいかがかな?すぐにごはんの支度をするから待っていてね」
(ごはん?またごはん作ってくれるの?本当いいひとー♪)
エザリアはまだ呪いが解けない憂鬱を一瞬で忘れ、ニャニャッと返事をしていた。
朝もとり肉を茹でてくれたセイン。
エザリアは喉を鳴らしてむしゃむしゃ食べた。
(なんかとり肉茹でただけなのに、すっごく美味しいんだわ!私が猫だからかしら)
「ニャニャニャ、ニャアー?」
「うん?おいしかったかい?よかったね」
セインのやさしい人柄、やさしい言葉や撫でてくれる手が、エザリアのお気に入りになるのに時間はかからなかった。
(セインってとってもいい人だわ!いつもおうちにひとりで、家族はいないのかしら?
とりあえずしばらくはセインにお世話になって、神殿で呪いを解いてもらうにはどうしたらいいかを考えよう!)
喋れないエザリアがセインに了解を取ることはできないので、勝手に居座ることに決めた。
■□■
作者、訳あって庭にやってくる子猫たちを保護することになり、ただいま医療費ヤベー!状況でございまして(;^ω^)
少しでも足しにしたいという邪な考えで書き上げた作品です(*_*;
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当面は6時、12時、18時で一日三話更新しますのでサクサク読み進めて頂けると思います。
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