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第2章
第46話 ミイヤは促される
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赤い珊瑚のブローチをミイヤは握りしめていた。
─素敵!トローザー殿下から頂いたなんて!─
珊瑚であることは間違いない。高価な珊瑚などではさらさらないのだが、ミイヤにその区別はつかなかった。
光を受けるとてらてらと艶めくブローチをうれしくていつまでも眺めていると、トローザーがミイヤの手を握った。
「え、で、殿下」
「うん。聞いてほしいことがあるんだミイヤ」
「はっ、はい!」
─もしかして私、プロポーズされるのかしら─
裏返った声がミイヤの期待を現している。
トローザーはもちろん気づいて心の中で舌打ちをしていたが、にっこりと微笑んで顔を寄せた。
「いいかい、ミイヤ。私たちが結婚するとしたら大きな障害があると以前話したね。覚えているかな?」
首を傾げたミイヤに、トローザーは思わず舌打ちしそうになったがかろうじて止めることができた。
「王族に一つの家から姉妹ふたりが嫁ぐことは許されないと」
そこまで言うと、漸くミイヤはハッとした。
「あ!覚えていますわ、それ」
「よかった。それでね」
握りしめたミイヤの掌にそっと口づけると、ミイヤは狼狽えて真っ赤に顔を染める。
小さく震えているミイヤに、トローザーが囁いた。
「ミイヤは私と結婚したい?」
そんなことを聞かれるとは思わず、ミイヤはトローザーを見た。
いや、見ようと顔を向けると、頬が触れそうなほどトローザーの顔が近くにあって、口が開いてしまう。
「あっ、あのっ」
「うん、落ち着いて。私と結婚したい?」
「は・・・い。したいです」
─本当に厚かましいなこの女─
そう腹の中で毒づくトローザーとは違い、ミイヤは心で歓声をあげていた。
─けっこん!トローザー殿下と!やったわ、私が王族の仲間入りをするのね!─
「ミイヤ、私も同じ気持ちだ。しかし」
興奮を隠せずにいるミイヤの意識を引き戻す。
「ミイヤ聞いてくれ。王族に一家から姉妹ふたりは上がれないんだよ。言っている意味はわかるか?」
「え?」
ミイヤは体を揺すられて、きょとんとしている。
「だから!ユートリー嬢がいる限り、私とミイヤが結ばれることはないんだ」
「・・・え、なぜ?なぜですか」
─ちっ、この女どこまで頭が悪いんだっ!─
顔に出さないようにすることが精一杯になってきたトローザーだが、なんとか踏みとどまる。
「何度も言わせないでくれ!ちゃんと話を聞けよ。一つの家から何人も王族に嫁いだらその家が力を持ちすぎてしまうから、ユートリーが兄上と結婚する以上ミイヤが私と結婚することはできないんだ。わかったか?」
苛つくトローザーは最早ユートリーすらも呼び捨てにしているが、ミイヤはそれに気づくことはない。
「わ、わかりましたけど、そんなの酷いです。じゃあ私どうしたらトローザー殿下と結婚できるんですか」
─やっとここまできたぞ─
最後の決断をミイヤにさせねばならないのだ。けっしてトローザーがそれを促し、言ってはならないのだ。
─素敵!トローザー殿下から頂いたなんて!─
珊瑚であることは間違いない。高価な珊瑚などではさらさらないのだが、ミイヤにその区別はつかなかった。
光を受けるとてらてらと艶めくブローチをうれしくていつまでも眺めていると、トローザーがミイヤの手を握った。
「え、で、殿下」
「うん。聞いてほしいことがあるんだミイヤ」
「はっ、はい!」
─もしかして私、プロポーズされるのかしら─
裏返った声がミイヤの期待を現している。
トローザーはもちろん気づいて心の中で舌打ちをしていたが、にっこりと微笑んで顔を寄せた。
「いいかい、ミイヤ。私たちが結婚するとしたら大きな障害があると以前話したね。覚えているかな?」
首を傾げたミイヤに、トローザーは思わず舌打ちしそうになったがかろうじて止めることができた。
「王族に一つの家から姉妹ふたりが嫁ぐことは許されないと」
そこまで言うと、漸くミイヤはハッとした。
「あ!覚えていますわ、それ」
「よかった。それでね」
握りしめたミイヤの掌にそっと口づけると、ミイヤは狼狽えて真っ赤に顔を染める。
小さく震えているミイヤに、トローザーが囁いた。
「ミイヤは私と結婚したい?」
そんなことを聞かれるとは思わず、ミイヤはトローザーを見た。
いや、見ようと顔を向けると、頬が触れそうなほどトローザーの顔が近くにあって、口が開いてしまう。
「あっ、あのっ」
「うん、落ち着いて。私と結婚したい?」
「は・・・い。したいです」
─本当に厚かましいなこの女─
そう腹の中で毒づくトローザーとは違い、ミイヤは心で歓声をあげていた。
─けっこん!トローザー殿下と!やったわ、私が王族の仲間入りをするのね!─
「ミイヤ、私も同じ気持ちだ。しかし」
興奮を隠せずにいるミイヤの意識を引き戻す。
「ミイヤ聞いてくれ。王族に一家から姉妹ふたりは上がれないんだよ。言っている意味はわかるか?」
「え?」
ミイヤは体を揺すられて、きょとんとしている。
「だから!ユートリー嬢がいる限り、私とミイヤが結ばれることはないんだ」
「・・・え、なぜ?なぜですか」
─ちっ、この女どこまで頭が悪いんだっ!─
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「何度も言わせないでくれ!ちゃんと話を聞けよ。一つの家から何人も王族に嫁いだらその家が力を持ちすぎてしまうから、ユートリーが兄上と結婚する以上ミイヤが私と結婚することはできないんだ。わかったか?」
苛つくトローザーは最早ユートリーすらも呼び捨てにしているが、ミイヤはそれに気づくことはない。
「わ、わかりましたけど、そんなの酷いです。じゃあ私どうしたらトローザー殿下と結婚できるんですか」
─やっとここまできたぞ─
最後の決断をミイヤにさせねばならないのだ。けっしてトローザーがそれを促し、言ってはならないのだ。
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