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第4章
第70話 集合
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紋章のない馬車が城の裏に到着すると、三十余名の騎士に囲まれた、三人の大きなフードのついたローブを羽織る者が現れた、かと思うとあっという間に姿を消した。
隠し通路から王たちが待つ部屋へと向かったのだ。
「帰ってきたという感じがするな」
実感のこもったナイジェルスの声が小さな灯りの中で響く。
「殿下、こちらの扉からどうぞ」
開かれた小さな扉から明るい光が差し込んでいる。
眩しそうに目をパチパチと瞬きながら暗がりから現れた美しい王子に、王妃が駆け寄って抱きしめた。
「ナイっ!ああよく無事でっ無事でいてくれてよかった」
王妃にしては大変に珍しく、感情的な涙声で叫ぶ。
「母上!ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。ナイジェルス、無事に帰還致しました」
「ええ、ええ。おかえり」
ゴールダイン王子は国王と顔を見合わせて頷きあっている。いつもは威厳に溢れた国王すら、ほっとした顔だ。
「父上、兄上ご心配をおかけしました」
「うむ、よく帰ってきてくれて」
王妃に抱きしめられたまま、ナイジェルスは二人にも言葉をかけた。
「ユートリー嬢も無事でよかった!」
王がユートリーとリラを順に見遣って、浅く頷くと、宣言するように決然と告げた。
「マーカスが到着したら、始めるぞ!」
馬を駆って来たマーカスは、王たちがそんな会話をしているうちに城へ着いていた。
「ソイスト侯爵が到着されました」
侍従がそう言って扉を開けると、額に汗を浮かべたマーカスがすでに揃い踏みの顔ぶれを見渡して微笑んだ。
「ソイスト侯爵マーカス、お呼びにより罷り越しました。遅れまして申し訳ございません」
礼をしてそう述べたマーカスに、ゴールダインが手を振る。
「いや、遅れてなどいないぞ。サルジャンには先に連絡を入れていたからな!むしろ早いくらいだ。早速だが今の状況を説明する」
キャロラ妃の茶会でミイヤが爆発し、トローザーとの関係を匂わすような発言をしたことで、トローザーはすぐにミイヤを女官に預け茶会から退出させ、キャロラの宮に隠すはずだった。
しかし、影である女官はトローザーの指示には添わず、ミイヤをこの謁見の間のニつある控えの間の一つに通し、女官がミイヤから事情を聞き出していると。
「泣き喚いていて大変だったそうだが」
それを聞いたソイスト家の面々は恥ずかしそうに顔を伏せた。
貴族の令嬢が人前で泣き喚くなど、教育がなっていないと言われたも同然だから。
「お恥ずかしい限りでございます」
マーカスが肩を竦めて謝るも、ゴールダインはスルーして話を続ける。
「女官が聞いたところによると、トローザーはやはりミイヤと婚約するにはユートリー嬢がいてはできないから、どうにかしなければと言っていたそうだ」
「「「「えっ!ミイヤはそんなことペラペラと話したのですか?」」」」
ソイスト家一同が驚愕した顔を見せた。
茶会の騒動から僅かな時間しか経っていないというのに。
ミイヤの口の軽さと、話すように誘導しただろう、国王に仕える影の凄さをひしひしと感じて、背中が冷えるようなサルジャンだった。
「ユートリー嬢に毒まで盛ったのに冷たくあしらわれて、よほど腹が立ったらしいぞ。かわいそうにと声をかけたらペラペラ話したそうだ」
くつくつとおかしそうに声を立てた王の顔は、むしろ怒りが溢れていた。
隠し通路から王たちが待つ部屋へと向かったのだ。
「帰ってきたという感じがするな」
実感のこもったナイジェルスの声が小さな灯りの中で響く。
「殿下、こちらの扉からどうぞ」
開かれた小さな扉から明るい光が差し込んでいる。
眩しそうに目をパチパチと瞬きながら暗がりから現れた美しい王子に、王妃が駆け寄って抱きしめた。
「ナイっ!ああよく無事でっ無事でいてくれてよかった」
王妃にしては大変に珍しく、感情的な涙声で叫ぶ。
「母上!ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。ナイジェルス、無事に帰還致しました」
「ええ、ええ。おかえり」
ゴールダイン王子は国王と顔を見合わせて頷きあっている。いつもは威厳に溢れた国王すら、ほっとした顔だ。
「父上、兄上ご心配をおかけしました」
「うむ、よく帰ってきてくれて」
王妃に抱きしめられたまま、ナイジェルスは二人にも言葉をかけた。
「ユートリー嬢も無事でよかった!」
王がユートリーとリラを順に見遣って、浅く頷くと、宣言するように決然と告げた。
「マーカスが到着したら、始めるぞ!」
馬を駆って来たマーカスは、王たちがそんな会話をしているうちに城へ着いていた。
「ソイスト侯爵が到着されました」
侍従がそう言って扉を開けると、額に汗を浮かべたマーカスがすでに揃い踏みの顔ぶれを見渡して微笑んだ。
「ソイスト侯爵マーカス、お呼びにより罷り越しました。遅れまして申し訳ございません」
礼をしてそう述べたマーカスに、ゴールダインが手を振る。
「いや、遅れてなどいないぞ。サルジャンには先に連絡を入れていたからな!むしろ早いくらいだ。早速だが今の状況を説明する」
キャロラ妃の茶会でミイヤが爆発し、トローザーとの関係を匂わすような発言をしたことで、トローザーはすぐにミイヤを女官に預け茶会から退出させ、キャロラの宮に隠すはずだった。
しかし、影である女官はトローザーの指示には添わず、ミイヤをこの謁見の間のニつある控えの間の一つに通し、女官がミイヤから事情を聞き出していると。
「泣き喚いていて大変だったそうだが」
それを聞いたソイスト家の面々は恥ずかしそうに顔を伏せた。
貴族の令嬢が人前で泣き喚くなど、教育がなっていないと言われたも同然だから。
「お恥ずかしい限りでございます」
マーカスが肩を竦めて謝るも、ゴールダインはスルーして話を続ける。
「女官が聞いたところによると、トローザーはやはりミイヤと婚約するにはユートリー嬢がいてはできないから、どうにかしなければと言っていたそうだ」
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「ユートリー嬢に毒まで盛ったのに冷たくあしらわれて、よほど腹が立ったらしいぞ。かわいそうにと声をかけたらペラペラ話したそうだ」
くつくつとおかしそうに声を立てた王の顔は、むしろ怒りが溢れていた。
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