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1.少女になってもクズはクズ まずは全部洗いざらい吐いて貰おうか
クズ、コスプレ晒して罪晒す 3
しおりを挟む特に外を確認する事も無く、すぐにアタシはドアチェーンを外してドアを開けてしまった。今すぐにでも縋りたい気持ちが強かったのかも知れない。
「お嬢! あぁよかった……心配したんですよ⁉︎ メッセージ入れたのに全然反応して下さらないから!」
「あ……」
そういえば、スマホはヤツのドン引きメッセージで埋め尽くされてて、あまり確認してない。
「おいたわしい……そんなにやつれて」
優しい手がアタシの頬を撫でた。マイはいつもそうだ。もう世話係じゃ無いのに、いつもそうやってアタシを甘やかす。
「…………ぐすっ、敬語」
「はっ、ごめんなさいっ、っ⁉︎」
虚勢の皮は剥がれ、半べそかいてみっともなく抱きついてしまった。その様子に彼女は何か察した様で、真剣なトーンでこう尋ねる。
「…………お嬢。何があったか、話して、くれる?」
こくり、無言で頷いて部屋に招き、奴がいる前で懸命に説明した。混沌とした状況に最初は「え、何を言ってるんですか⁉︎」と心配されてしまったが、クズがクズ自身を証明しようとする言動を見て納得。
「な? わかったろオレだって」
「ええ、まぁ……分かりたくありませんでしたが」
軽蔑の視線を向け、彼女はアタシの隣に座った。
「で、お嬢。どうしたいの? このクズ」
「……アタシと同じかそれ以上の苦しみを味わって、自ら死を選んで欲しい」
「……妥当どころか優しいね」
「何処が⁉︎」とすかさずクズが反応した後、睨まれてすごすご引き下がり咳払い。
「凄いですね、まだ自分の立場を分かっていないなんて」
「君こそ! これはオレとアイリの問題だ! 介入しないでくれないかな?」
それを聞いて、マイは不敵に笑った。
「確かに、私は関係ありませんね」
「っ、へっ、分かってるなら今すぐ帰ってくれよ」
「でも、貴方の浮気相手の人達は関係あるんじゃないですか?」
その一言でマコトは凍りつく。アタシも少しハッとした。
成る程、そうか。その手があったか。
「だ、だからなんだよ」
たじろぐ相手を前に「お嬢」と、彼女は目配せしてくる。そうだ、あくまで手を下すのはアタシでなければ。
「……スマホ、持ってるだろ? 出せ」
「っ…………」
チラと彼は元々着ていたワイシャツとズボンの方を見た。何を知らせるでも無く、その動きだけでマイは察してくノ一の如くサッとスマホを奪取。
「指紋……はそんなんだし、多分使えなくなってるか。ロック番号言え」
「……嫌だって言ったら?」
「構いませんよ。工程が一つ増えるだけですから」
「っ、ならやってみろよっ」
堂々と挑発したクズだったが、マイが彼の弱みを徹底して突くとあっさり番号を吐いてしまった。
「な、何でそれ知ってるんだよ……」
「貴方が組と関わりがある事なんて少し調べれば分かる事です。事務所から金を横領して、それを元手に儲けた事も。何なら今すぐこの情報を流して、貴方の口座を凍結して貰いましょうか?」
「うっ、いや、それだけは勘弁を……」
同時にアタシはこのクズに利用されかけていた事を悟って、静かに涙する。
「っ…………」
「はっ、すみませんお嬢! この話は貴方に痛みを強いて……」
「いいんだよ、マイ。ずっと忠告してくれてたのに、聞かなかったアタシが悪いんだ。ずっと分かってて、傷付かない様に隠してくれてたんだよな? ……ありがとう」
濡れた目元を袖で拭う。「そんな、お嬢…………」とこちらを案じる彼女の為に、今一度虚勢を張る。
お陰でしっかり目が覚めた。幻想だったんだ、これまでの全ては。
でも、これからは違う。やる事は決まった。もうブレない。
「はぁ……よし。オヤジ達みたいで嫌だけど仕方無え。おとしまえ、しっかり付けて貰おうか」
「はっ、おとしまえって、何するつもりだよ?」
思うに、アタシの気持ちを知って貰う事ばっかりに執心していたのがいけなかったんだ。コイツの業はもっと深い。だから、簡単な話。
「関わったみんなに詫び、入れような」
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