5 / 12
1.少女になってもクズはクズ まずは全部洗いざらい吐いて貰おうか
クズ、コスプレ晒して罪晒す 2
しおりを挟むそうして冒頭に戻るわけだが、何だろう。正直全然だ。アタシが着た時は臍が出るくらいサイズが小さい体操着だったけど、コイツが着るとほぼぴったり。
「……恥ずかしいか?」
「……まあ、少し」
これでは殆ど仕返しにならない。微妙過ぎる。
「着たら、カップ麺一つ貰って良いんだよな?」
言ったからには仕方ないので、舌打ちしつつ「ああ、良いよ」と投げやりに許可。結果として少し嬉しそうなクズの子憎たらしい顔を見る羽目に。
「クソが…………」
「うっ……なんか、ごめん……」
蔑視の視線を受けながら、マコトはキッチンタイマーを付けて机にカップ麺を置き座った。そして、低姿勢なまま「なあ……」と切り出して来る。
「どうしたら、許して貰えますか……?」
「目の前から失せたら許すかもな。許さねえけど」
「そんな取り付く島もない……」
なんて図々しいんだろう。アレがあって翌日で良くもまあいけしゃあしゃと。
「あの時は仕方なかったんだよぉ、仕事終わりで、仕事仲間の女の子に誘われて」
「黙れ、口答えすんな。殺すぞ」
「はい……」
口を開けば殺意が湧く。クソサイコめ。それで言い訳になると思ってる奴はクズだけだ。
「……はぁーもうっ」
自分も自分だ。こんなヤツを好きになってた上、今はガンつけて黙らせるしか無いとか……ホントストレス溜まる。
髪を掻き乱して、必死に落ち着く為に反省する。
思い付いたばっかの時は良い線いったと思ったんだが、コスプレ辱め作戦、サイズの違いとかその辺りが致命的だ。奴がアタシに用意した物を着せた所でちんちくりんにしかならない。
「……はぁ、そうだ、オレ、どうしよう……この身体じゃ、仕事戻れないよ……」
そういえばそうだ。よく考えたらコイツ、この見た目になった時点で死んだも同然な筈なんだ。
何もしなくてもある意味十分罰になってるのかもな____本当なら。
「……チラッ、チラッ」
そんな事も無いみたいだ。何を考えているのか、チラチラ期待の眼差しを向けて来ている。余裕か? なんか妙だぞ。
思えば、どうにも仕事の部分が薄っぺらくて胡散臭い。というかそもそも、アタシコイツの仕事詳しく知らねえな?
「あんたさ、何でそんなに堪えて無いんだよ」
「えっ⁉︎」
ギグッてオノマトペ出してんじゃねえよ!
「変だなぁとは思ってたが図星か……演技下手くそかよ。もっと悲観的になるとこだぞそこは」
「……バレちゃったか」
嫌な予感。
「アンタ、仕事ってもしかして」
「……そうだよ。不労所得だよ」
あっさり吐いてくれた。羽振りが良いのは知ってた。その割に暇人だなと思ってたら、まさか本当にその手の人種だとは。
「じゃあ今まで仕事に行くって言って何処かに行ってたのは……?」
「それは、その…………ごめんなさい」
どうやら、アタシはとんでもない奴に騙されてたみたいだ。
「……ははは」
笑うしかない。神様、これダメだ。この程度の天罰じゃ、化け物には足りない。
「はははは……! バカみたい……そんな余裕あんのになんでアタシのとこきたんだよ……」
「それは、アイリの事を一番」
「お前女心の前に人の心も分かってないだろ?」
「そんな、こと……」
心が凍えていく。どうする? 殺す? なんかもう殺意抑えられないんだけど。でもただ殺すだけじゃ全然____
ピンポーン。ひりついた空気をドアホンが遮る。
「あ゛ぁっ⁉︎」
今ちょっとそれどころじゃ
「お嬢! 大丈夫ですか⁉︎ お嬢!」
ドアを叩いたのは、よく知る友人の声だった。
0
あなたにおすすめの小説
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冷遇された没落姫は、風に乗せて真実を詠う ─残り香の檻─
あとりえむ
恋愛
「お前の練る香など、埃と同じだ」
没落した名家の姫・瑠璃は、冷酷な夫・道隆に蔑まれ、極寒の離れに追いやられていた。夫の隣には、贅を尽くした香料を纏う愛人の明子。
しかし道隆は知らなかった。瑠璃が魂を削って練り上げた香は、焚く者の心根を映し出す「真実の鏡」であることを。
瑠璃が最後に残した香の種を、明子が盗み出し、手柄を偽って帝の前で焚き上げた瞬間。美しき夢は、獣の死臭が漂う地獄へと変貌する。
「この香りの主を探せ。これほど澄み切った魂が、この都に在るはずだ」
絶望の淵で放たれた一筋の香りに導かれ、孤独な東宮が泥の中に咲く白蓮を見つけ出す。
嘘と虚飾にまみれた貴族社会を、ひとりの調香師が浄化する、雅やかな逆転劇。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる