【完結】TSFギシアンルーレット〜変わりばんこに女の子! 先に孕んだ方の負け!〜

あかん子をセッ法

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三回戦 戦い 俺がやられるターン

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 上の空、心ここに在らずなカイは、冷水シャワーに打たれながら回想する。

 ____本当に突然の出来事だった。俺の身体が、小さな女の子の身体になるなんて。しかもその身体を自称ヤリチンの親友に犯されて____悦ぶ、なんて。

 「ふっ❤︎ううううぅっ❤︎❤︎❤︎」

 絹の様な肌。触れられ弾む柔らかな乳房。肉茎を咥え込む、ある筈のない媚肉。軋むベッド。蕩ける様なソプラノの嬌声。隣部屋からの、怒りの壁ドン。

 全てが非現実的で、酒が見せる変な夢かと思った。
 
 でも違った。脳裏にこびり付いた肉悦と、スマホに残った卑猥な姿、照らし合わせると、それは紛れも無く自分だった。

 気持ち悪い。

 男の身体に戻ると、全身を這い回る嫌悪感に耐えられなかった。それを紛らわせる様に、何故かスケベな女体に変化したサクマを犯した。甘ったるいメスの性臭とその柔和な恥肉に酔い痴れて、猛り狂う本能のまま、ありったけの情欲をぶつけてしまった。

 しかし、そうしたらどうだ、罪悪感が追い付くその前に、またすべすべぷにぷにの女体に逆戻り。一体全体、俺はどうしてしまったというのか。
 
 身体が熱い。また、サクマに犯されるのかっ……?

 恐ろしい事に、その類推には期待が含まれていた。女になった瞬間、頭まで変に切り替わったみたいだ。こんなの嫌だ。嫌、なのに、浅ましい自分を恥じるとそれが一層火照りに変わって、胎の芯がじんっと痺れる。昨晩の快感を追って、疼いて堪らない。

 また欲しい、けど欲しくない。二律背反の感情の中、向こうの腹の虫が優先され、後者が叶った。

 慌ただしく出て行ったサクマに、オレはホッとした。これで良い。そう思った。

 なのに、どうして。静かになった部屋の中刻一刻と、名残惜しさに胸を締め付けられ切なくなるのか。理解せざるを得なかった。身も心も、たった一度の経験に蝕まれたんだと。

 ____そうじ、しないと……。

 振り払う為にサクマの言葉を借りて立ち上がろうとした。でも、ダメだった。へたっと座った腰に、全く力が入らなかった。部屋の汚れを気にしようとすると、淫臭に意識が向いて、昨晩刻み込まれた悦楽が呼び覚まされて。静けさに苛まれて、脳はまたあの卑猥な水音を再生してしまった。

 頭がずんと重くなって、視線を下げると、あるのはオスとメスの汁のカクテルが作った水溜り。汚い。青臭い。酷い、最悪だ。でも、倒錯した身体はその液体に唆られて、どうしようもなく求めた。

 ぺろっ。

 舐めた。苦くて臭くて、でも、頭が痺れて、くらっとした。イかれてる。そう自覚していても、もう止まらなかった。じくじく疼く股座の蛞蝓は、それを冷まさんとそれに向かって這っていき、そして、ぴとり。少しひんやりしたそれに触れた瞬間、俺の中で全てが狂った。

 「あっ……❤︎あ゛っ……❤︎❤︎」

 冷めるどころか、火傷したみたいに触れた所がひりついて、脳天から爪先まで駆け巡る電流に犯された。

 「はっ……❤︎ふっ、んっ……❤︎んんっ、んぅっ……❤︎❤︎」

 くちゅくちゅくちゅくちゅ、繰り返される、淫猥な水遊び。身体は悦びに震えて、只管快楽を貪った。

 が、身を焦がす様な肉悦に反し、幾らやっても足りなかった。

 満足する方法が分からなくて、何処までも昂って止まらなかった。結局どうしようも無くて、縋り付く先はサクマだった。

 帰って来たあいつに犯された瞬間の、あの多幸感が今でも忘れられない。間違い無い。俺は、俺の中の何かを壊されてしまった____なんて。

 キュッ。シャワーの蛇口を力一杯締めて水を止める。

 認められるかッ……! 

 憤りに任せてパァンと両頬を思いっ切り張った。

 男に戻ってからは、全てがまるで嫌悪でしか無い。なんて忌々しい。忘れたいッ。

 ひり付く頬と頭に再び冷水を浴びせ、冷たさに身を震わせる。心頭滅却。緩んだモノを固め直す。
 今までの人生、浮ついた事があった時はこうしてリセットして来た。実家じゃ無い、一人暮らしのアパートでこれは水道代が怖いが仕方な____

 「おい、変態。いつまでシャワー浴びてんだよ」
 「っ!」

 不意に外から聴こえて来た女の冷ややかな声に驚いて身体が跳ねた。

 「一時間も何妄想してんだ? スパンキングの音、丸聞こえなんだよ。変な事してないでそろそろ出て来い」
 「くっ、心外だ。如何わしい事をしている訳じゃ無い。水道代を犠牲に、SAN値を回復しているだけだ」
 「お前が水道代で破産しようが別にどうでも良いけどさぁ、チンした飯が冷めてカッピカピになるんだよ。早く食え」
 「えっ」

 クーっと腹が鳴る。そうだ、元はと言えば飯を食う前にアイツに身体を洗えと言われて、シャワーを浴びてたんだった。

 「え、じゃねえよ。ったく」

 鍵を開け、徐にシャワー室から出ると、ぶかぶかシャツの上に、大きめの地味な茶色いエプロンを着て、金の長髪を後ろに纏めた、ちょっと生活的なギャルの姿があった。改めて感じる非日常的ときめきに心臓が高鳴って、面食らってしまう。

 「まあ、お前が長々引き篭もってたお陰で掃除捗ったがな。ほれっ、タオル」

 乱雑に玄関前に掛けてあるタオルを投げ付けられ、「お、おう」と受け取って今更おずおず股間を隠す。

 「はぁー、部屋ちっさいし物少ねえしで楽だったのが救いだったわ」

 そう言って肩をトントン叩く、大きな尻に比べ華奢な背中をしたギャルの向こう側。テーブルがセットされ、味噌汁とレンチンご飯が用意されていた。部屋は言葉の通り、先程まで淫臭漂う魔境だったのに、ベッドがつるっ禿げになった事と緑茶ファ○リーズの匂いに塗れている事以外は概ね俺が一年と少し一人で暮らして来た殺風景な空間に戻っている。
 
 「……その格好で手料理じゃ無いのか」
 「とっとと服着て食え。食ったら話さなきゃなんねえ事がある」
 「別に食いながらでも良いぞ?」
 「……察しろ」

 ジトーっとした不機嫌そうな視線ではぐらかすギャルに、何となくサクマの要素を垣間見た。顔はかなり別人に近いのに。

 「…………」
 「んだよ、ジロジロ見んな」
 「いや、なんかサクマって感じでホッとした」
 「あ゛ぁ?」

 落ち着いた俺は彼を尻目に、とっとと身支度を済ませて席に着いて手を合わせる。

 「頂きます」

 エロいギャルという認識だと暴発しかねないが、やはりサクマだと感じると、ソワソワした心が落ち着く。これなら問題無い、大丈夫だ。そう頷きながら、俺はそそくさと食事を済ませた。

 「ご馳走様……」
 「食うの早えなオイ、ちゃんと噛めよ」
 「その見た目でそれ言われるともうヤンママ感出てくるな」
 「やめろ、オレも今一瞬思って嫌になった」

 閑話休題、本題に入ろう。
 
 「で、何だ? 話って」
 「……お前、今は大丈夫なのか?」

 無防備な様に見えて、結構警戒されていた様だ。空腹が多少解消され言葉を交わした今はそれがピークに達した様で、仔犬みたいに小刻みに震えながら威嚇している。尤も逆効果であり、可愛いわやめろ、嗜虐心を刺激するな、としか思えない。
 
 「まあ……そっちが普通にしてくれたら、一応大丈夫」
 「含みのある言い方ァ……はぁ、分かった。一先ず良いとして、だ。実はオレがついさっき外出した時にこんな話があってだな」

 かくかくしかじか。サクマは買い物の帰りにあった奇妙な老婆との会話についてざっくりと話した。

 「成る程、つまり今のこの状況は、打ち上げ飲み会の帰りに祠にゲロ吐いて祟り神の怒りを買ったから、って事なのか」
 「ああ……」
 「それ、信じてんのか?」
 「馬鹿野郎、今まさに信じられない事が起きてんだぞ。それを言い当ててくる婆さんとか、流石に因果感じるっつの」

 馬鹿の癖に、こういう所は上手く考えるなホント。

 「いや、それはそうだけど……突拍子も無さ過ぎて全然受け入れられないぞ。第一祠になんて吐いたか? 俺」
 「うん、お前が真っ先に吐いてた」

 嘘だろ、と言いたい所だが、コイツは嘘を吐くのが頗る下手な質だ。腐れ縁の感と、なんか薄ぼんやりとした罪悪感が告げている。本当だと。

 「マジか……ぜんっぜん記憶に無ぇ……」

 思わず頭を抱え顔を覆った。あんまり酒に強く無いのに羽目外して飲みまくったのが悪かったか。場慣れして無いのが祟ったなぁ。馬鹿だった。

 「まあ、そんなに気落ちすんな。オレもその後吐いたからこうなってる訳だし、責めはしねえよ」
 「はぁ……」

 一頻り落ち込んだ後、少し気になった事を訊く。

 「なぁ……」
 「なんだ?」
 「そこまで訳知りなその婆さんに、何か対処法とか聞かなかったのか?」
 「……キイテナイヨ」

 あ、露骨だ。目逸らした。さては、何か意図して情報出し渋ったな貴様。

 「下手くそか。端切れの悪さで何か隠してるのバレバレだっての」
 「えーそんなことないよーもーカイってばー」

 サクマは見た目と声を全力で利用してはぐらかす。少しイラッと来たので、その態度に一言、
 
 「犯すぞ」
 
 と端的に脅すと、向こうの血の気が目に見えて一気に引いた。本当に女相手なら罪悪感がキツい所だろうが、これまたやはり相手はサクマだなと実感する。

 「え、やだこわい冗談に聴こえないやめて?」

 表面上変わり果てても、イマイチシリアスにはならない。

 「なら話せ」
 「分かりました……」
 
 彼はあっさり重要な情報二つをゲロった。一つは、この性別の切り替わりは射精し切る事によって起こるという事。もう一つは、これ自体、片方が孕むまで終わらないという事。

 「こっわ……なんつーモンを黙ってたんだよ……」
 「少しでも有利に立ちたくて……ごめんち」

 正直過ぎる。こういう所が女にモテるんだろうというのはさておき。怖い、怖過ぎる。

 「重いわ……孕んで片方が女にならないと終わらないとか……ってか、お前ほんの少し前はこれ知ってて、俺を……」
 「す、すんません……」

 これは一回泣かした方が良さそうだ。いや、しかし、それにしても。

 「マジでどうすんだ? 俺エロい女ってだけで中身サクマな人間なんか孕ませて子持ちになんかなりたくねえぞ? ましてや自分がお前の子供を……ダメだ、口にするだけでも悍ましい……!」

 もう想像しただけで震えが走る。なんて未来だ。俺が、コイツと____あーやだやだ、気持ち悪い。

 「んなのオレだってそうだよ! ……でもまあ、孕むくらいなら孕ませた方が良いなとは思ってるが」
 「流石ヤリチン、貞操観念がイかれてやがる」
 「いえいえそれ程でも」
 「褒めてねえからな? ……ったく、孕んでも堕胎で何とか出来たりしねぇかな?」
 「えっ、そういうお前は倫理観が……」
 「何を言ってる、何週かまでは可能と法律で決まってるだろう。二十何週だったか」

 ちょっとスマホで調べる。二十二週だってさ。

 「いやぁ、それでも命だぜ? いかんでしょ」
 「ならお前はその責任を負えるのか? 考えて無いだろ、毎日毎日女引っ掛けてるし」
 「心外だぜ、避妊はきっちりしてるし。負う時が来たらその時は自らゴムを脱ぐさ」
 「カッコつけやめろ、デキるはデキるだろ。その時は望まぬ妊娠だぞ? 対処して然るべきだ」
 「うわぁ、だから童貞なんだよ」
 「うっせえ、それはもうお前で卒業してっ…………」

 刹那、変な空気が流れる。一言で互いに意識してしまったのだ。初めての相手である、という事を。行為の記憶も過って、会話の歯車は狂いぎこちなくなる。

 「……っ、はっ、何言ってんだ、オレは男だぜ? きっも!」
 「はっ、ははっ! そうだな! こっちだって願い下げだ! ノーカンだノーカン!」

 互いに空笑いした後、沈黙。からの、

 「はぁ……」

 深い溜息をシンクロさせ、机に突っ伏した。
 それからまた居た堪れない間を置いて、サクマ側が痺れを切らす。

 「……マジでどうする? これから」
 「……お前取り敢えず一回帰れ、居心地悪いから」
 「は? こんな身体で帰れるかよ?」
 
 ズレた空気は徐々に剣呑さを帯びていく。そんな中、一言二言、火種がぽつり、ぽつり。

 「いいから帰れ。ここは俺の部屋だ」
 「無理だ。明日バイトがあるんだよ」

 一触即発。張り詰めた糸は、
 
 「……その身体で稼げば?」

 余裕の無さと刺激されたサディズムから生まれた最低な一言で切って落とされた。

 「デリカシー何処に置いて来たんだこん畜生め!」

 怒ったサクマは俺の腹部を打つ様に、円形テーブルを蹴って押し付けた。無防備なヘソの上辺りに縁が直撃してウッと声が漏れる。

 「いってぇっ……こんのっ」

 一度蹲り下がった視線を上げると、何やら奴が荷物をゴソゴソと漁っているのが見えた。

 なんだ? 何を企んでる?

 俺は慌てて立ち上がり、それを取り押さえに行く。しかし、早い。サクマは目当てのブツを取り出して振り返ると共に、近寄る俺の足を蹴って転ばせた。

 「がっ……!」

 床と壁に身体を打ち付け大きな音が立つ。咄嗟についた腕と防ぎ切れなかった額の痛みにうつ伏せで怯むと、その僅かな間に、あれよあれよと手慣れた手付きで両手両足を後ろに纏められ、スチール拘束棒タイプの手枷足枷を嵌められてしまった。

 「は?」
 「よっしゃ! 強姦魔カクホー! やーいざーこ♡」

 目の前でヒラヒラ手を振ってサクマが挑発してくる。ムカつく。頭から火が出そうだ。

 「何してくれてんだっ! 外せっ!」

 力任せに壊そうとするも、思いの外頑丈だ。大方プレイ用のモノだろうが、存外しっかりしている。というか、こんなのをなんであんな一瞬で装着出来るんだよ。コイツ、なんか悪い事やってんじゃねえのか。

 「へっへーんだ。この早業師サクマ様に喧嘩を売った罰よ。観念しな」
 「クソッ、こんな事して、どうするつもりだ?」
 「くっくっく……決まってんだろ? そう……アレだ……!」

 得意げに、悪辣な笑みを浮かべている。その様子とこれまでの会話を総合して、嫌な予感が。

 「お前っ、まさか……!」
 「そう! そのまさかだ!」

 彼は荷物の中から道具を取り出し、ノリノリであの某猫型ロボットの物真似をする。

 「たったらたったったー、全自動オナホォールゥ」
 「……ぷっ」
 
 全然似てないが、余りのシュールさに吹き出してしまった。笑ってる場合じゃ無いのに。

 「お前……それで、俺から搾り取ってっ……男に戻るとか、そんな事考えてんのかっ……?」
 「そうだよ! 初めから考えてた段取りだ。まさかこんなに拘束が上手くいくとは思わなかったけどな!」
 「うそだろおい……」

 女側に回った時の搾精。恥ずかしながら、それは話を聞いた時俺も考えが過った。だが言うは易し。たとえ女の身体になったとしても、中身が男の人間が自分以外の男の逸物を扱くなど、その手の趣味が無い限りは途轍も無くハードルが高い。現実的で無い、そう思った。

 しかし、道具を使えば別だ。まさかここまで用意が良いとは____これでは、完全に好き放題されてしまう。

 「へっへへへ……どうしたぁ? 青い顔してぇ。安心しろよ、一応取り付けてるオナホは安物だけど新品だから。あ、忘れずローション注入しとかねーとな」

 ぺ○まで完備している様だ。あの大荷物、ひょっとして中身はほぼ全部淫具なんだろうか。

 「お前、これは流石にやり過ぎって自覚ある?」
 「無くはない。でも背に腹は変えられねぇし、焚き付けたお前も悪い」

 尤もだ。流石に気心知れた仲とは言え、やり過ぎたし言い過ぎた。

 「……それは、悪かった」
 
 もう謝るしか無いので、素直に謝った。ただ、謝ってどうこうなる状況では無い。

 「……謝られても、やる事は変わらねえぞ?」

 サクマは俺をゴロンと転がして横向けにするなり、ズボンとパンツを怪訝な顔してズリ下げ、下半身を露出させた。どうも相当本気らしい。

 「うわっ、やっ、やめろっ!」
 「へっ、勃って無くてもこのサイズとか……相変わらず凄えなおい」

 それもそうだ。この状況は、主導権を握った方が事態をコントロール出来る。相手の事など考えて、形振り構ってる場合じゃないのだ。
 
 「くっ……!」

 とはいえ最早出来る事と言えば、何とか手首に巻かれたベルト式のバントを緩められないかともがく事と、自分の逸物が勃たない様意識する事くらい。目を瞑っての抵抗に、果たしてどれだけの意味があるのか。

 「おやおや、無駄な抵抗は良しなされ……」

 サクマはそう言ってスマホを操作し、秘蔵のハメ撮り動画を再生。

 「っ……!」

 甲高い淫らな嬌声が頭に響く。股間が、反応してしまう。

 「ほれほれ、早くおっ勃てろ……」

 だが、ヒクつく程度で勃つまでは中々いかない。それもその筈、どうも身体がコロコロ変わってもコンディションはキチンと引き継ぐ様で、性欲は既に数回のやり取りである程度発散された状態にある。簡単には勃たないのだ。

 「はぁ、ちょっとマジで、この絵面を見てる方の気持ちになってくれ」
 「ふっ、その言葉を聴くだけで萎えるが、それでいいのか?」
 「っ、んなろっ……!」
 「第一、お前の方が断然エロいんだ。勃たせたいなら、その身体を使ったらどうだ?」

 少し精神的にマウントを取った気分になって自己満足する。そうでもしないと、自尊心が保たない。

 「はっ、そうかよ……いいぜ……分かったよ……」

 尚、結果的に焚き付ける事になって、状況が悪化する。どうも向こうは本当に手段を選ばないらしい。スルスルと布が擦れる音と共に、「ほらよ」と声がして、直後、顔に長い髪の毛が掛かる不快感と、胸から肩にかけて、押し付けられる柔らかな肉の感触が。

 「んっ、はっ⁉︎ なっ、なにしてっ……⁉︎」
 「おっ、勃ってきた勃ってきた……効果テキメンだな」
 
 思わず目を開けると、何と、上から圧迫され、目の前でその弾力を遺憾無く見せつける、ギャルのデカい生おっぱいがあった。絵面や感触もさる事ながら、媚臭が凄まじい。耐え切れない。

 「おまっ……! 恥ずかしく無いのか⁉︎」
 「死ぬ程恥ずかしいわ! ただ、一刻も早く男の身体取り戻す為には、ある程度、プライド捨てる覚悟があるってだけだ!」
 「ばっ、バイトくらい一日すっぽかしても良いだろ!」
 「何言ってんだ死活問題だよ! それに、セフレと会う約束だってあるっ! 明日は何としても外に出なきゃならねえんだよ!」

 謎の執念の理由が判明した。成る程道理で、必死な訳だ。

 「んっ、はぁ……よし、良さそうだな……!」

 香りを残して乳が去る。その後、そのまま「いくぞー」と、勃って腹の上に寝ている逸物の鬼頭にオナホの入り口が押し当てられた。

 ただサクマが横着して触らずに挿れようとしているせいか何なのか、中々挿入らない。

 「んっ、あれ、よいしょっ! チッ、オラッ! はよ挿入らんかっ!」
 「っ、おい、バカやめろっ、痛えっ」

 否、違った。そもそも、俺のサイズに電動オナホが合って無かった様だ。強引に突っ込もうとしても、直径がどう考えても合わずに先だけで止まってしまう。
 
 「いててててっ! 無理だ! やめろっつの!」
 「ああああぁっ! んだこの巨根は⁉︎」
 
 結局、電動オナホは使えず。敗北感にサクマは項垂れた。

 「…………」

 無言でしょげている。なんてアホなんだろう。
 
 「……勝手に落ち込むのは良いけどさ、何もしないならとっととこれ外してくれ」
 「……やだ」
 「やだじゃ無い。俺にずっとこの体勢で居ろってか? 流石に訴えるぞこん畜生」

 道具を使えない時点で、高い常識の壁が邪魔をして彼の方から手出しは出来ない。もしや、何もせず勝ってしまったのでは。そう思った。

 しかし、往々にしてそう言う時は願い通りに事は運ばないのである。

 「っ……くそっ!」

 なんと、自棄になったのか、ガバッと丈の余ったシャツを翻し向こうから急接近。無理くり俺の背後に回って密着して来た。

 「うおっ⁉︎ 」
 「分かったよ! やってやる! やってやるよ!」
 
 その気迫に気圧され「ま、待て!」と取り乱す俺の萎えかけの逸物に、ひたり。しなやかな細指が触る。

 「はっ、落ちっ、おち着けっ⁉︎」
 声がひっくり返ってしまった。咳払いして、「いいのか⁉︎ お前男だろ⁉︎ やる気なのか⁉︎」と改めて念押しすると、後ろからぶつぶつ、念仏めいた呪文が。

 「これは自分の……オレのち○ぽ……オレの……オレの…………」

 無理がある上、卑猥なニュアンスに聴こえるその自己暗示のせいで俺の肉竿は急激に硬さを増し、血管を浮き立たせ、脈打ち始めた。膨れ上がったそのサイズのせいで触れる手がより小さく感じられ、女性らしい華奢で流麗な感触が強調されて殊更に劣情を誘う。

 「目を覚ませ! これは俺のだ! サクマッ! 止まれッ! まだ引き返せっ」

 言葉を言い切る前にその手にキュッと力が入って、掌に収まり切らない太竿を扱き始めた。扱いに慣れた繊細なタッチだ。「うっふ……!」と、形に出来なかった後続の言葉が腑抜けた吐息に変換されてしまう。
 
 「でっかいしふっとぉ……なかなかっ、うまくシコれねぇ……」
 「おっ、おいっ……やめろっ、お前っ、そんな奴じゃないだろ⁉︎」

 余裕が無い中、言っても仕方の無い事ばかりが口を突いて出る。自分も相手の事言えないのに。

 「ふとくてかたい……オレの……ふへ、ふへへへ…………」
 「お前女好きだろうがっ……! 男もいけるんですじゃ無いだろっ⁉︎」
 「ふへへへへ…………」

 サクマはタガが外れたのか、完全におかしくなってしまった。こちらが何を言っても、静かに変な笑い声を上げるだけ。扱くその手を止める気配はまるで無く、柔和な巨乳を俺の背中にぐにぐにと押し付けながら、甘ったるいメスの匂いを擦り込んで来る。蕩かす様な刺激に逸物は堪らず鈴口から我慢汁を湛え、くちゅくちゅ水音を発し始めた。

 「へへへ……カウパーでてきた……きったな……へへ…………」
 「汚いと思うならやめろっ、はな、せ……」

 言った通り離した、かと思いきや、サクマは背後でスンスンと鼻を鳴らし、「へっ……くっさぁ……♡」と、何処か恍惚とした声を漏らした。

 「さ、サクマっ……っ!」
 「はぁーっ、はぁーっ……っ♡」
 
 首筋に掛かる熱い吐息と共に、より激しい手コキが再開される。全身を使ってより卑猥に、より大胆に、繊細な両手が肉棒を扱く。

 「うっ、おっ…………!」

 熱いマグマが、迫り上がってクる。

 「おっ、流石ソーロードーテー♡もう射精そうだなっ……? ならとっととだせっ♡ おりゃっ、おりゃおりゃおりゃっ♡」

 ペースが一気にテンポアップ。リズミカルな音と刺激により、俺はあっという間に射精へと導かれた。

 「っ……っ⁉︎」

 びぷっ! びゅーっ! びゅっびゅっびゅぶっびゅっ! 白濁液が放物線を描いて壁まで飛んでいく。

 「うっは、すっごー…………♡」

 ギャルの感嘆が聴こえてきたが本当にその通りで、一人でヌく時とは比べ物にならない、自分でも凄いと思う程の壮観な吐精量だった。

 「くっ……はぁっ…………」

 漸く排出が落ち着いて、長い射精の余韻に軽く身を震わせる。しかし、その最中でありながら、浅くて短い、そう感じてしまい、賢者モードと相まって妙な物足りなさに胸の内を掻き乱される。

 決して手でヌかれたからでは無い。過ぎる女の時の、長く荒れ狂う様なオーガズム。無意識のうちにアレと比べてしまったからだ。

 「…………っ」
 
 卑しい想像を拒絶して、でもそれでも振り払い切れず心の何処かで期待する複雑な感情を抱えながら俺は来たる変化に身構える。が、しかし、幾ら待てども変化は起こらず、サクマが「あれ……?」と首を傾げた。

 「おまえウソだろ……? っ、あんだけいっぱい射精したのに、まさか打ち止めじゃねえのか……っ?♡」
 
 俺は沈黙で返す。満足出来て無いのは確かだ。でも、理由も含めてそれを口に出すのは憚られた。

 ただ、それはさておき、サクマの様子が殊更におかしい。

 「はぁーっ……はぁーっ、マジかよっ……勘弁してっ……んっ♡」

 息が荒く、声が明らかに艶っぽい。尻の後ろでもじもじと動く脚が当たる。分かり易い、これは、発情している。

 「どうも、身体の変化に内面がかなり引っ張られる様だな……余裕無さそうだが、大丈夫か?」

 賢者の余裕で自分も含めた分析を語ると、向こうは露骨に動揺しながら強がって「はっ? オレはっ、おまえとちがって拗らせたヘンタイじゃねーからっ……はぁっ、っ♡あんなメス堕ちなんてしねーしっ♡」と否定した。対し、俺は冷静に諭そうとする。

 「強がらなくて良い……俺達はどうも、相当タチの悪いモノに振り回されてっ……⁉︎」

 が、またしても言葉を遮る様にサクマが動いた。感じたのは、臀部にぴとりと当たる濡れた触感だ。

 「おまっ、っ⁉︎」
 「タチがわるいのはっ、おまえの今のち○ぽだろがっ♡」

 同時に男汁で濡れた華奢なその手が、別種の生き物めいて蠢きだす。

 「んおっ⁉︎ やめろっ! 射精した後だぞ⁉︎」
 「だから何だよっ、んっはぁっ♡っ、こちとらもうっ、男に戻る為ならぁっ♡手段を選んでられんのじゃいっ!♡」

 彼は気付いているのだろうか。今自分が相当、淫猥なメスの方向に向かっている事を。

 「いやっ、だからってなんで股擦り付けてんだよ⁉︎ 今かなり気色悪い動きしてるぞお前⁉︎」
 「うるせっ♡っ♡はぁっ♡んっ、はやくおっ勃ててっ♡くぅっ♡っ、くっさーいセーシッ♡ぜんぶだせっこのやろっ♡」

 ずっと横倒しだった俺の身体は仰向けにされ、尻から腹の方へと熱を帯びた蛞蝓がツーっと這っていく。

 「はあっ♡このほうがっ、やりやすいっ……♡」
 
 流れのままに、腹の上に乗られた。女の身体とはいえ重さは十分で、「ぐおっ」と声が漏れる。尚向こうはこちらが苦しい事などお構い無しに、股を擦り付けながら竿を扱いて来る。

 「サクマッ……よせっ、重いっ……」
 「はぁっ♡っ♡はぁっ♡」

 そのまま徐々に尻がずり下がり迫る。重みが胸板の方へ上がって少し楽になるが、接近と共にダイレクトに甘ったるいメスの性臭が。

 「くっ……!」

 本能には抗えない。股間はビキビキと音を立てそうな勢いで硬さを取り戻していく。

 「はーっ♡っ……♡」

 鬼頭に、息が掛かった気がした。そんな、まさか。

 「サクマ……それをやったら、マジでもうっ…………」
 「ふーっ♡ふーっ♡っ、くぅっ……っ!」

 荒い吐息を堪え、彼の取った選択は。

 「っ…………!」

 無言で横に転がって、自ら頭を床に打ち付ける事だった。

 ゴスンッ!

 「ン゛ッ! イ゛ッデエエエエッ!」

 鈍い音が響き渡ると共に痛みで悶絶し、転げ回るサクマ。暫し呆気に取られて眺めてしまったが、少し心配になって「大丈夫か……?」と声をかける。

 「大丈夫じゃねぇ……! はぁっ、危なかったっ……!」

 彼はそう返事した後、もう全力で振り絞る様にして、深刻な感想を述べるのだった。

 「認めるっ……! お前の言った通りだっ……! これはっ、ヤバいっ……!」
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