【完結】TSFギシアンルーレット〜変わりばんこに女の子! 先に孕んだ方の負け!〜

あかん子をセッ法

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八回戦 思いの行方 俺のターン

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 ____俺達は、何か取り返しの付かない事をしてしまったのかもしれない。

 「ん……っ⁉︎」

 浴室の床の上で目が覚めてすぐ、俺は身体を確認する。低い声、千切れた巫女服、ゴツくなった腕。もう戻れないかと思ったが、一応戻った様だ。但し、腹の淫紋は進行した状態で。

 ____あー……。

 全身が重くて、頭から爪先まで痺れた感じがする。腹が、紋様が熱い。じくじくと火傷みたいに疼いている。

 アイツが冷やしていたのは、こういう事だったのか……。

 狂おしい程の情欲が常に湧き上がって止まらない。が、何かが違う。しっくり来ない。

 「んあれ……サクマは……?」

 浴室内には見当たらない。ベッドに戻って寝ているんだろうか。
 
 俺は火照った身体を今一度冷たいシャワーで冷ましつつ、ボディーソープを使って全身を綺麗に洗ってから浴室を出た。まだ乾いているタオルが落ちていたので、拾い上げてそれを使う。

 絞め落とされる前に自分が少しだけ使っていたものだろうか、ほんのり女体化時に自身から香っていたいい匂いが。

 「はあ゛ぁああぁ♡♡」

 とその時、廊下の向こうから淫靡な艶声が聴こえて来た。俺は気もそぞろに声の方へ向かい、ベッドルームのドアを開ける。すると、

 「ぁ゛ーっ、っ、あ゛ぁーーっ、~~~~~~っ♡♡♡」

 ベッドの上で開脚したギャルサクマが、何やらお玉の様な形状のバイヴを股に当て背筋を逸らしトロトロのアクメ面を晒していた。

 この時点で気付くべきだった。いや、気付いていたか。その上で抗えずに、俺は泥沼に自ら浸かりに行ってしまった。

 それから始まったのは、以前にも増して複雑で爛れたセックスの応酬だった。何故そうなったのか。決して互いに認める事は無いだろうが、恐らくはこの時、二人共心の何処かで女性的快感の虜になってしまっていたのだろう。

 「ん゛ぉっ♡お゛ぉーっ、ぉっ♡お゛ぉーっ♡ぉ゛っっ♡ぉ゛っ♡っ♡ぉ゛ぉっ♡」

 淫紋の所為だとは思うが、何かがポッキリと折れてしまっていたのだ。孕ませてこの地獄を終わらせたいというよりは、我先に肉悦を味わいたいという淫欲に支配されてしまっていた。故に決定打に常に欠け、互いに行為はただただ爛れたモノと成り果てた。

 「ぉ゛っ♡ぉ゛っ♡ぉ゛っ♡お゛っっ♡♡っ、っっっっっっ♡♡♡」
 「くっ、ぅ……」

 どぷどぷと相手に注いで空になれば、今度は自分の番。身体が鋭敏になって、胎が疼いて堪らなくなる。さっきまでサクマが使っていた変なバイヴを股に当てて試した所、即イク。

 (にゃにこりぇっ、まめっ、すわれっ❤︎)
 
 「ぁ゛っ、っっっっっ⁉︎❤︎❤︎❤︎」
 
 不幸にも、彼の家にはこうした道具が腐る程あったのも其れを悪化させる一因となった。Gスポット開発ディルド、エネマグラ、吸盤式乳首舐り機、ハケ水車、電動ピストンディルド等々何でも御座れ。サクマの番になれば彼が勝手に持ち出して来るので、それを俺も自分の番で使って悦楽に浸った。

 (んおおおおおぉこれしゅごいいいいぃ❤︎おくとちゅとちゅいっぱいされてううううううぅっ❤︎)

 「ぁ゛っ❤︎ぁっ❤︎ぁっ❤︎ぁっ❤︎ぁっ❤︎あ゛っ❤︎あ゛ぁーっ❤︎❤︎っっ!❤︎❤︎❤︎ っっっ❤︎❤︎❤︎ っっっっ、っっっっっ❤︎❤︎❤︎」

 ただ、当たり前だがそれらはハイペース過ぎてとても長続きはしなかった。その上、互いに使用中に挿入されたり等相手の妨害を受けたり、完遂出来ても息も吐けない程の絶頂を味わって気絶してしまい、起きた時にはいつの間にか自分が男に、なんていう不毛なサイクルも頻発。徐々に疲労や空腹が目立ち始めたのと相まって、段々とグダついたものに。

 「っ……ぉ゛ぉーっ♡……ぉ゛ーーっ♡……んお゛っ♡♡……ぉ゛ーーっ♡」

 次第に片付けが面倒になって新しい道具は取り出せなくなり、移動も浴室とリビングの冷蔵庫前の往復ばかりになっていった。ソープ系風俗なんて行った事無いが、きっとこんな感じ____では無いか。互いにぐったりしながら、気怠く身体を泡だらけにして擦り合わせ何度も果てた。
 ぐったりしてからの方が長かったくらいだ。両者男女どちらの状態でもアナルにエネマグラを突っ込んだままで、男時も挿入に拘らなくなったせいもあるだろうか。四六時中快感を貪る事になり、途方も無い絶頂回数の割に行為は中々終わらなかった。ナメクジの如きオナニーとセックスを繰り返し、ぶっ通しでヤり続けてしまった。

 尚、それでも終わりは来る。開始から実に四日目。食糧の枯渇と共に互いに精魂尽き果て、遂に行為は止まった。

 「はーーっ♡……はーーっ♡……っ♡かいっ……♡」
 「はぁっ……っ、なんだっ……?」
 「かいものとっ……メモがきのとこっ、いこぅっ…………♡もう、これっ……しんじまうっ……♡」

 意外にも、提案はギャルと化したサクマの方からだった。事実、体力がマシなのはこの組み合わせ。動くならもうこのタイミングしかなかった。

 「……あぁ…………そうだな……」

 休めばまた回復してしまうし、この機を逃せば二人共干涸びておしまいだ。それを恐れて、結局俺達は性玩具を置き、満身創痍の身体を引き摺って早朝の街へと繰り出す事になった。

 「っ……はーーっ♡……っ♡……ふーーっ♡……」
 「おいっ、大丈夫かよ……」

 まだ日が登って間もないとはいえ、朝日で湿気が立ち込めムワッとする。忽ち汗でぐっしょりだ。

 「ふぅっ♡……あーー、らいじょーぶっ♡っ♡」

 甘い吐息を吐き、汗で透ける男モノのポロシャツをダボつかせながら、サクマはふらふらと俺に寄り掛かって歩く。当の俺も疲労困憊で受け止め切れないせいで、二人揃って路上を蛇行。

 「はーーっ♡……わりぃー、もーちょい、ささえてくれっ……♡あしっ……がくがくするっ……♡」
 「やめろくっつくな暑い……こっちも、そんなに余裕無いっての……」

 余裕があったらあったで、恐らく行為に及んでしまっているだろう。それくらい、今のサクマは目に毒だ。

 「っ……♡ならっ、きゅーけーっ……♡っ♡くれっ……♡」
 「ダメだっ……気を抜けば、呑まれるっ……」
 「そん、な……あっ……♡っ、たのむっ……♡ぱんつぐちょぐちょでっ……ちくびっ♡……こすれてっ、つらくてっ……♡」
 「ならっ、余計ダメだっ……」

 側から見れば二日酔いのカップルだが、実際は落ち延びる敗残兵の様な気分であり、いつトラブルが起きるか気が気じゃ無かった。

 ✳︎

 「っ、着いたぞ……」
 「ふーーっ♡……っ♡こんなっ、とこ、あったんだ……♡」

 やっとの思いで到着したのは、駅と反対側に数分歩くと辿り着く、郊外にひっそりと佇む小さな神社。この状態では買い物もままならないので、何よりもまず救いを求めて此方に来てしまった。

 「っ、おめっ……カイか⁉︎」

 境内に足を踏み入れるなり、箒を持った小柄な坊主頭が木の影から現れ、驚きと共に俺の名を口にした。

 「……あぁ……久しぶりだな、ボン」

 ヒラと手を振って会釈する。本来なら見られたくない状況だ。しかし、恥ずかしがる局面はとうに過ぎた。掌を弱々しく合わせて縋る。

 「いきなりで悪いが、頼む……助けてくれ……」
 「なっ……っ、ちょっと待ってろ、親父呼んで来るっ!」

 どういう訳か事情も聞かず、彼は慌てて駆け出していく。それをぼーっと眺めていると、腕に引っ付いているサクマに「知り合い……?♡」と聞かれたので答える。

 「あぁ……中高の友達でな……最近会って無かったけど、坊さんやってんだ……」
 「あー……それで……ってっ♡おまえっ、ともだちいたんだっ♡」
 「しれっと失礼な事言うなボケ……」

 直後、奥の方から慌てた様子で現れた僧侶がボンの知らせを受けた後、血相を変えて此方に駆け寄り叫んだ。

 「出てけええええきさんらああああ! 今すぐ出てけええええええ!」

 一応面識がある筈だが、凄まじい形相で敵意をぶつけられ思わず後退りしてしまった。サクマの方は尻餅までついてしまい、痛っ、と声を上げる。

 「なんつーもんを連れて来たんじゃあああああ⁉︎ 出てけっ! 出てけええええ!」
 
 ただ怖気付きながらもそういう訳にも行かない。「すっ、すみません……! でもっ、ここしか頼れる所が……!」と食い下がる。

 「んなの何処でも頼れりゃせんよぉ! 何をすればそんな事になるんじゃぁ⁉︎」

 よくよく様子を伺うと、彼は自分達を見ている様で見ていない。見透かし、何かを視て怯えているみたいだ。

 反応で事の重大さが伝わって来る。俺達は、そんなヤバいものに祟られたのか。

 とそこへ「親父! そこを何とか! カイだよ! 昔の友達!」とボン。

 「そう言われてものう! これはマズい! んな危険なモノと関わっちまったらっ」
 「相手がどんなんでも、日頃説法説いてる癖していきなり出てけは無いでしょう⁉︎」
 「うっ……それは、そうだが…………」

 息子の説得が効いたのか、少し熟考する素振りを見せてから彼は焦燥したまま答えた。

 「あー分かった! 少しだけだ! 少しだけ助ける! ただし本当に少し! 縁が出来たら堪らん!」

 どうも腹を決めてくれたらしい。サクマの頭を抑え、一緒に下げる。

 「あっ、ありがとうございます……!」
 「坊! 縁切りしっかり頼むぞ! 君達! 着いて来なさい!」

 そうして彼に案内され、俺達は慌ただしく御堂の中へ。

 「両名そこに座れ! 坊! 経を上げい!」
 「はい!」

 指示された御座に大人しく胡座で座ると、線香の匂いが漂う中お経が読まれ始めた。最中鈴の音が耳元でリン、リンと鳴ると、程なくして俺は変化を感じ、瞳を閉じる。

 (ああ、なんだ、なんか、落ち着く……)

 元来煩悩を祓う為のものだからなんだろうか。呼吸の度に、荒れ狂っていた水面が整っていく。

 リラックスを実感し、落ち着いて暫し鈴の音に耳を傾けて傅いた。するとそこへ突然、

 「カアアアアアッ‼︎」
 「っ⁉︎」

 空気そのものが吹っ飛ぶ様な一喝が飛び、俺はビクッと驚いて跳ねた。直後、これまた突然に「終わり!」と宣言され、急かされる。

 「何ぼさっとしとる! はよ帰り支度せい!」
 「えっ、もう⁉︎」
 「気休め程度だがやれる事はやった! 後は……坊! 外まで案内しろ!」
 
 その後、覇気のある返事を再び繰り返したボンに大慌てで外に連れ出され、境外まで追いやられる。そしてその場で少し待たされると、後から走って来た僧侶が追い付き、「これ持ってけ!」と御守りらしき物を俺達へそれぞれ二つずつ投げた。

 渡されたのは、安寧と書かれた御守りと、破邪と書かれた御守りの二つ。

 「それ合わせて持ってりゃ多少我慢は効く様になる! ぶち乱れた気脈を整えて強化してやった! 平静も装えるだろう! 但しし過ぎるな!」

 本当に僅かな時間のやっつけ感溢れる工程で呆気に取られたが、どういう訳か火照りが取れ身体が、いや、心が軽い。肩首を軽く回して確認後、「は、はい! ありがとうございます!」と此方も慌てて頭を下げる。

 「礼はいい! 何も解決しとらんからな! 分かったらさっさと去ねぃ! 事が終わるまではそのツラ見せんじゃねえ! 坊! 門閉じろ!」
 
 ボンの「はい! ……カイ、それ全部終わったら話、してくれよな」という言葉を最後に彼は門を閉じ、俺達を締め出した。直後に閉じられたその向こうから、

 「穢れを祓うぞ! お前が言ったんだ、やれるな⁉︎」
 「はい! 急ぎましょう! …………!」

 と声がして、遠ざかって行く。

 「…………はは……」

 何が何だかまるで分からないが、申し訳ない事をしてしまった気分だ。彼等には一体何が視えていたんだろうか。知る由もないが、こっちは事情を一切話していないのに訳知りな様子だった。
 その上で知る事自体を避ける様なそんな意図も汲み取れたし、そういう類のモノなのか。

 「なんか、厄病神扱いだったな……」
 
 サクマが隣でそう呟いた。同意して頷いた後気付いておや、と顔を覗くと、どうも彼も落ち着いたみたいで、頬の紅潮は残ってはいるものの息は整っており、真っ直ぐ立てる様になっていた。

 「あー……向こうには悪いが、来て良かったな……」
 「あぁ…………」

 ただ、平静に戻った事で、ここ数日の羞恥が一気に襲い掛かってきて居た堪れなくなる。互いに顔を合わせられず、やきもきしてしまう。

 「っ、さっ、ささっさと買い物行こう、か」
 
 サクマの方が先に根を上げ此方と距離を取る様に先行。俺は「おっ、おう」と後に続いて、ふと思い出し呼び止める。

 「あっ、待てっ! その格好で人前は辞めとけ!」

 ✳︎

 結局一度家に引き返し、服をまともな物にお色直し。

 「これ、どうだ?」

 ダボっとした白地のTシャツに、大きめの短パンをキュッと縛って履いている。一応サクマ自身が自分の箪笥棚からチョイスした男物の服装だ。しかし、何でコイツ普通に着こなしてんだ?

 「何でも良いだろ……早くしろよ」
 「んだよ、ノリがわりぃなぁ……うほっ、やっぱ素材が良いとちょっと捻るだけでも映えるじゃん」

 しかも姿見の前でポーズを取ったり、ノリノリでファッションを楽しんでいる。まあ元々オシャレとか好きなんだろうが、こうして自分から進んでやっているのを見ると複雑な気分になる。

 「カイの時とはまたちょっと違う服が試せそうだな……あっそうだ、お前仕返ししたいーとか言ってたよな! 買い物の後でいいからし○むら寄って行かね?」
 「楽しんでたら仕返しにならないだろ……ほら、行くぞ?」

 もう付き合ってられず先に玄関へ向かうと「あっ、待てっ!」とサクマは慌ててついて来る。

 「いや、てかよく考えたら別に一緒に行く必要無いな。サクマお前留守番しとけ、俺が食い物だけ買って来るから」
 「何だそれっ⁉︎ いけずにも程があるぞ!」
 「だってお前余計な買い物するし。たっけービーフジャーキーばっか買うし」
 「うるせー! 良いだろ! どの道オレが金出すんだし!」
 「嵩張るだろうが! ああっもう良い行くぞ!」

 そんなこんなで、俺達はスーパーを目指し外へ。

 「あ゛ーー…………」

 ただ、油断していた。この季節、少し陽が登るだけで気温は急上昇する。日差しは一層強さを増し、蝉どもは元気になって一斉に盛り出す。対して人間の我々にとっては暑さと喧騒はダメージにしかならず、なけなしの気力を削られながら、またゾンビみたく二人で行軍する羽目に。しかも、着いたら着いたで、

 「おう、ちったーマシになった様だなぁ、良かった良かった」

 またあの老婆が待ち受けていた。

 「おかげさまです、有難うございます」

 俺はげんなりした素振りを隠せず、神社でしていた本気のお礼とは全く異質の、皮肉混じりの礼で返した。が、老婆はケラケラ笑って手を前に振る。

 「よせやい、お前さんがもっと早くプライドを捨てられたのなら、自ら向かってただろう。尤も、巡り合わせを考えたら今が最良のタイミングだったろうがねぇ、ヒッヒッヒ」
 「…………」
 
 見透かした上で嘲笑しに来てるんだろうか、これまで以上に上機嫌だ。なんかイラっと来るんだよなこの人。

 「そういえばそっちの順番で会うのは初めてだねぇ、良ければアドバイスしてくけど、どうだい?」
 「今更要りませんよ」
 「そうかい? この厄介事にケリ付ける為の最大の条件、聞かなくても良いのかい?」

 ピクリ、俺もサクマも微かに身を震わせ、顔を赤らめ俯いた。尚、それだけで老婆は悟ったらしく笑いこける。

 「ヒーッヒッヒ! なーんだ流石に互いに気付いてる様だねぇ! なら必要無いか! お行きなさい若人達! ヒッヒッヒ!」
 
 こんなの相手にしている場合じゃない。「っ、行くぞサクマ」と俺はサクマの手を引き店内へ。

 「おっ、おう……」

 そのままそそくさと買い物を終え、出て来る際の老婆の視線を尻目にスーパーを後にした。

 と、それから程無くして。

 「っ、カイ……ちょっとっ……」

 サクマがそう言って俺を呼び止めた。

 「ん? なんだ?」
 「もう突っ走んなくて良いだろ……はぁっ、少し、どっか涼しい場所でっ、休憩がてら……ゆっくり話しない?」
 「ええ、んなの帰ってサクマん家ですれば良いだろ?」

 あっけらかんと答えると、彼は少し上目遣いで俺の顔を覗き込み首を傾げる。

 「……出来ると、思う?」
 「…………いいや」

 予感があった。御守りの御利益は実感しているが、これは所詮理性を補強しているに過ぎない。身体は絶賛発情中の元のままで、今でさえ、隙あらばセックスしたがっている。大量の淫臭を残したあの家に戻ってしまえば、間違い無くまた天秤はあのどうしようもない状況に傾くだろう。

 「仕方無いな……じゃあ、駅前のス○バでも寄るか? コーヒー飲めばまたちょっと気が紛れるかも知れないし」
 「おっ、さんせー。近いし、ちゃっちゃと行こう」

 俺達はフラフラと駅の方へ向かい目的の店に入った。クーラーの冷風にホッと一息吐き、俺とサクマは店員に各々注文後、一番奥の席に向かい合う形で座る。

 「…………くひっ」

 そこそこ繁盛した店内を見回しそわそわする俺を見てサクマが急に笑いを洩らす。「何だよ」と睨むと、いやさ、と彼は前置きして言った。

 「いや、お前こういう店慣れて無いのバレバレで……なんか笑えて……」

 心外な、とは返せない。図星だから。リア充といえばス○バ、みたいな印象を拗らせて発言した自覚は大いにあった。
 ぶっちゃけこんな所中学時代部活仲間に無理矢理連れて来られたのが最後だ。先程の注文もサクマと同じので、と言っただけで内容はまるで分かっていない。

 「ふふっ……なんで背伸びしちゃったの? まさかオレに合わせようとして?
 「っ、うるせぇ……」
 「っ~~~~、かっっっわ! かわいいなぁお前! 女の子の姿なら撫でくり犯してるぜおい!」
 
 しくじった。もう注文してるから出て行くとも言えない。によによとした女の姿のサクマの挑発は普段の数倍プライドが傷付けられるせいで、少女耐え兼ねる。

 「……はぁ、ちょっとトイレ行ってくる」
 「あっ、ちょっ、逃げんなよぉー言い過ぎたー! 悪かったってー!」
 「別に逃げる訳じゃないっつの。そこで大人しく待っとけ」
 「へーい」

 などと言いつつ敗走した俺は一度個室の便座に腰を下ろし用を足しながら、僅かばかり思慮に耽る。

 ____この事態を終わらせる為の最大の条件、ねぇ。

 結果を度外視するとして、だ。果たして見たいのはどちらのサクマか。男か、女か。

 こんなの迷うまでも無い。そう思っていた。しかし、今では何故か迷ってしまう。

 女のサクマは五月蝿いのは変わらないが、エロいし可愛い。男のサクマなんてそれが消えてチャラいしウザいだけだ。ただ、友人としては、だ。友人としては、そちらの方が居心地は良いのだ。

 「…………あー、くそっ」

 モヤモヤする。自分の気持ちが全くもって不明瞭だ。こんな事は思春期でさえ経験に無かった。全く嫌になる。

 長めに手を洗って考えたが、答えは出そうに無かった。より一層のストレスを溜め込み、俺は元の座席へ渋々戻って行く。

 が、その場に帰ってきて、目の当たりにした光景が更に心をざわつかせる。

 「なんだよー、いーじゃん一人でしょー?」
 「お前日本語分かんねえの? ツレがいるっつってんだろが」
 「えー? どこにもいないじゃーん」

 サクマが、三人組のいけすかない男衆に囲われナンパされていた。

 「まあまあ、取り敢えず相席してお話ししよ?」
 「冗談が上手いな粗チン童貞クン。それでナンパのつもりならいっぺんお母さんに相談した方がいいぜ?」
 「っ、このアマァ……」

 一触即発の雰囲気。こんな所割り込みたく無い。が、俺の身体は何故か考えるよりも先に動いてしまった。

 「おい、お前達。俺のツレに何の様だ?」

 柄にも無く凄んで、威圧した。幸い体格差があったので、三人共見下ろす形で腕を組み、睨み付けた。

 こんな人目に付く場所で大胆な事をする奴らだ。反感を買って喧嘩にでも発展したらどうしよう。やっておきながらそう思った。が、しかし。

 「っあっ、すんません…………」

 彼らは思いの外あっさりと尻尾を巻き、その場から逃げ去ってしまった。

 「…………はぁ」

 安堵の吐息が漏れる。緊張した。なんか、体格が初めて役に立った気がする。

 ほっと胸を撫で下ろす中、「っ、おい」とサクマに呼び掛けられたので、其方へ目を向ける。すると、

 「…………おせーよ」

 彼はそう言って、じっと俺へ訴えかける様な視線を送る。終始強気な対応をしていた見えたが、俺は見逃さなかった。静かに震える、後ろ手に隠したその腕を。

 「……ごめん」

 素直に謝った後、注文のコーヒーが来た。それから俺達は元の席に付いたが、ゆっくり話すという予定は何処へやら。妙な空気のまま互いに一言も話さず、視線はもっぱらスマホの画面に。

 (……サクマのスマホ、すげーブーブーなってんな。通知地獄か?)

 ただそれも静かになり、コーヒーが無くなると間が持たなくなったある時、

 「そろそろ、出る?」

 そうサクマの方から切り出したので、二つ返事で同意して店を後にした。

 「うわっ、つ」

 丁度正午。日は高く、外は灼熱地獄だ。

 なんかぎこちないが、聞かない訳にもいかない。

 「この後どうするよ? 帰るかサクマの家」
 「ああ、うん……」

 何なんだこれは。普段ナンパする側の癖に、されたらこれか。完全に上の空で、しおらしくなってしまっている。

 おいおいどうした、なんて普段の俺なら煽っている所だろう。しかし、どうにも調子が狂う。胸の奥がむず痒い。
 
 「っ……はぁ……」

 溜め息しながら頭を掻いて、取り敢えずサクマの家に帰る事になった。

 俺が前を歩き、その後ろをサクマが勝手について行く。男女が逆ならきっとこの立ち位置も逆なんだろう。案外ステレオタイプだな俺達は。

 「…………」

 こう道中も沈黙状態だと、つい余計な事を考えてしまう。男同士の頃の方が並んで歩けていたのではないかとか、元の関係と今の関係を比べて、どちらが良いのかなんて。また仕方の無い事を。

 と、その時。後ろからクイと、シャツの裾が引かれた。

 「……なんだよ」
 「……ん」

 サクマは言葉では無く、目配せで意思を伝えて来る。視線の指し示す所は、偶々通り掛かった、縄で出来たデカいジャングルジムのある公園だ。

 「ん、じゃないよ……急にあそこで遊びたくなった子供でもあるまいし」
 「っ、そういう所だぞ……」
 「いや、何だよそれ」
 「むっ……だからっ……もうっ、察しろよ野暮ったいだろ!」
 「女子かよ」
 「女子だよ今はっ!」

 漫才の様なやり取りが完成し、互いに少し間を置いた後、ぷっ、と噴き出す。

 「何だ、やっぱサクマじゃなくてサクちゃんか?」
 「ああ? まだそうと決まった訳じゃねえ。それについて話そうと思っただけだってのチクショウが」
 「それを早く言え」
 「だからっ……あーもう、いい! あそこのベンチで話すぞ!」
 「へーへー、了解」

 なんだかんだ、流石は腐れ縁と言うべきか。こんなやり取りでらしさを取り戻せるとは。微かに感嘆しつつ、俺達は木陰のあるベンチに並んで座り、共にジャングルジムを眺めた。

 「そういやちっさい頃、あんなデッカいのじゃねえけど一緒に遊んだ事あったよな、ジャングルジムで」
 「ああ、もっと鉄で出来た普通のやつな」
 「縄のアレ、面白そうだよなぁ」
 「何だよ、やっぱ遊びたかっただけか」
 「いや、本題違うっての! はぁ……あっつ」

 シャツをパタパタした後、サクマはシリアストーンで仕切り直す。

 「お互いさ、何となく分かってんだろ? ちょっとほら、身体だけじゃなくて、心理的な方もヤバくなって来てるの」
 「……あぁ」

 彼の言う所の心理的なヤバさ。それは、男女双方の趣向の混沌もさる事ながら、友情と恋愛感情、その狭間で揺れるものが、後者に傾きつつあるという事だろう。

 「ぶっちゃけどうよ? 女の時」
 「……言えると思うか?」
 「……オレは言うよ。正直、お前が好きになってる。恋愛的な意味で」

 一瞬、心臓が飛び跳ねた。こういう所だ。こういう所は本当に、コイツには敵わない。

 「さっきもヤバかった。お前ずるいんだよ……ガタイだけで圧倒しやがって……」

 どの口が言うか。お前の方が狡い。

 「……男同士だぞ?」
 「でも、これからは多分どうやったって男女だぜ。腹決めるしか無いだろ」

 これだからモテるんだろう。恥を捨てて、筋を通せる。普通は中々出来ない事だ。出来過ぎているから、少し自重して欲しくもあるが。

 「……はぁ、逆に聞くけど、男の時はどうなんだよ?」
 「は? エロオナホボディーのカイちゃん好きにならない訳無いだろしばくぞ」
 「えぇ……」

 何か安心するクオリティだ。いや、安心したらダメな奴か、しっかりしろ俺。

 困惑する此方に対し、サクマは一層圧を強める。

 「という訳で残念ながらオレはどちらに転んでも覚悟してますはい! と言う事でお前は?」

 遂に逃すまいと、前のめりに話を投げて来た。
 なんと無慈悲な。先に言われて、こんなの、逃げられないじゃないか。

 俺は瞼を閉じて思い返す。あまりに碌でも無く、あまりに長い一週間を。そして気付く。

 「…………はは、たった一週間だぞ」
 「っ、そういやそうか……」

 そう、されどとは言わない。本当にたった一週間。それだけで、これ程までに変えられてしまった。歪められてしまった。

 思わず頭を抱える。神を恨まずにはいられない。こんなの、どう整理を付けろというのか。
 
 が、それについてもサクマの解釈はあっけらかんとしていた。

 「いや、つってもオレ達の付き合い何年だ? 15、6年位だろ? それを下地にした一週間ならまあ、期間としては普通じゃねえの?」
 「……? そう言われれば、そう、なのか……?」
 「てか、普通の男女の恋愛なんて一日で変わる事もザラだしな。たったでは無いな、案外」

 逃げ道を潰し、にししと悪戯っぽくほくそ笑む。コイツめ、やっぱ良い性格してるぜ。

 昔からそうだ。からかい上手で、ちょくちょくムカつくけど、一緒に居ると楽しくて。陽キャで誰からも好かれて、割と頼れる奴で、コミュ障で正反対の俺には不釣り合いな、俺の____

 ______ああ。

 「良いよ。サクマならどっちでも」

 気付けば、自然と笑顔でその一言が溢れていた。湧き上がったその意味を解釈したのは、もう口にしてしまってからで。ただでさえ暑いのに、顔が更にカーッと熱くなった。

 尚、何故かサクマの方もみるみるうちに赤くなって、茹でた蛸の様になっていく。

 「っ…………」

 それを見て、少しばかり一矢報いた気分になったので言う。

 「……そこに自販機あるし、飲み物買うか」
 「…………ペ○シで、おねがいしましゅ」

 照れ隠しも含めた返事は、蝉達の喧騒に掻き消されていった。

 ✳︎

 「だーめだ、流石に暑過ぎる……」
 「だな……」

 午後に入り、暑さはピークを迎える。木陰なのに全く耐えられそうに無い。お互い飲み物はあっという間に飲み干してしまった。このままでは熱中症になる。そろそろお暇しよう。

 そう思って重い腰を上げた折、サクマが「あっ、そうだ!」と何か思い付いた様に声を上げた。

 「何だよ元気だな……」
 「いや、まあ、良い事思い付いてな」
 「何さ」
 「むっふっふ……それはだね……」
 「勿体ぶるなら先行くぞー、暑いのもうムリ」
 「あー待って待って! そういうとこやぞ! それだから隠キャなんやぞ!」
 「うっせー余計なお世話だばーか」
 「あっ、バカって言った方がバカなんだバーカ」
 「ああん?」
 「おおん?」

 閑話休題。暑さで頭の働かない俺達は、より汗だくになってから本題に入る。
 
 「で、良い事って何思い付いたの?」

 サクマはおほんとわざとらしく咳払いを前振りにして言う。

 「それはね、旅行だよ、カイ君。どうせなら決着の舞台に相応しい場所で、決着をつけようでは無いかね?」
 「旅行って、何処に?」
 「そりゃもう……夏のレジャーっつったら海か山かじゃね?」
 「マジで思い付きなんだな……」
 「うっせー賛成か反対か言えい!」
 「……まあ賛成だけど」
 「おっし! じゃーどっち? せーので言おうぜ、せーの」
 
 振りかぶるサクマを「いや待て、少しくらい考えさせろ」と掌で俺は静止する。

 「えー、暑いって急かしてんのそっちなのに……こんなん悩む事じゃ無いっしょ?」
 「三分だけ時間くれ」
 「ラーメンかウルトラマン定期やめい、一分で済ませよ」
 「あい分かった」

 ____海か山か……うーん。正直あんま動きたくねえし、なんか二人で海って面白いイメージ浮かばないな。よし。

 「決まったか?」
 「ああ」
 「そうか。じゃーいくぞー、せーのっ、海!」
 「山」

 意見が割れ、双方僅かに間が開いた。互いに額に汗かきむーっと睨み合う中、サクマから疑問を投げ掛ける。

 「何故に山……? お前の名前まさに海なのに……」
 「名前関係ねーよ。だって山の方が楽そうじゃん」
 「山舐めてるだろインドア派君……」
 「バレたか。つってもまあ単純に海が嫌なだけだが」

 その一言に、彼はオーバーリアクション。

 「アイエエエエ⁉︎ 海イヤナンデ⁉︎ どっちか片方は見納めになるかもなんだぞ⁉︎ 水着姿拝まなくてどうすんだよ⁉︎」

 毎年断ってるんだからいい加減分かって欲しい。俺はあの騒々しい場所は嫌いなんだと。

 「知るか。水着の用意どーすんだよそもそも」
 「んなの今から買いに行けば幾らでも間に合うダルオォン⁉︎」
 「俺の方どうすんだよ、見たいとか言ってたけど」
 「ああBWHメモしてあるから概ね合ったサイズは女にならなくても買えるぜ」
 「うっわ計画的。てかついさっきナンパされてビビってたのによく行く気になるな」
 「それはほら……カイが守ってくれるじゃん? それにそっちが女の時は俺が鉄壁のガードを」
 「信用ならんわ」
 「即答かよ、相棒……酷いぜ……まあでも積極的に山って理由無いんでしょそっちは?」
 「いや無くは無い」
 「えー何だよ」
 「ゆ○キャンでちょっと学習したからキャンプは少し興味が」
 「アニオタ乙、それ道具揃える方が大変だろうが……」
 「大丈夫だ、問題無い。山に決まった暁には全部任せて貰って構わない」
 「不安だ……」
 「それに、温泉旅館とかは山奥だろ基本」
 「あー、まあ概ね、うん……いや、そんなことも……」

 あくまで偏見だ。海沿いにも温泉旅館はある。多分。

 「旅行ってんなら、その方が充実してないか?」
 「っ……でも海だってリゾートホテルとかあるしっ!」
 「バイトダメになってるのに金大丈夫なの?」
 「……ネット配信で貯めてる分崩せば、何とか」
 「感心するよ、お前のその経済力」

 休題。そんなこんなで双方甲乙付け難い状況になった俺達は結局ジャンケンで決める事に。

 「そこはセックスで決めても良かったんじゃ?」
 「基準曖昧になって泥沼化が目に見えてる、却下」
 「はぁ、まあそれもそっか。とっとと決めた方が良いしな。よし、じゃあ早速! 最初はぐー」
 「うおっ、もうやんのか」
 「待った無し! じゃーんけーん____」

 果たして結果や如何に。
 
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