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タロ達との思い出
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タロ達との生活の思い出。中学生の時だ。
休日の昼間、トラが椅子に座ってる私の膝に乗ってきた。そしてそのまま気持ち良さそうに眠る。
「ふふ、今日はトラ?」
すると、タロとタマも寄ってきた。
「あらら、私の膝は満席よ」
にゃあにゃあと鳴くタマは私の足にスリスリしてきた。
「仕方ないなぁ」
トラを抱え床に座り、トラを膝に乗せ、タマを撫でてあげた。
するとタロもスリスリしてくる。両手いっぱいでタロとタマの相手をする。
背後に気配を感じた。クロだ。
「もー、甘えん坊さんたちなんだから」
すると、
「鮎ちゃん、お腹がすいたよ」
声がした。私は声のした方を睨みつけた。
「パパでしょ? 今の」
「あはは、バレたか」
「タロたちにはさっきご飯あげたもの」
「それにしても人気者だなー鮎香は。羨ましい。それに、声も聞こえる時があるときた」
「時々だよ。時々」
「それでも、羨ましいよ。パパも話してみたいもんだ。タロたちがなんて言ってるか知りたいよ」
「だからダメなんじゃない? タロたちは、私に伝えたい時に伝える。気まぐれなんだもの。聞きたい聞きたいじゃ相手にしてもらえないわ」
「なるほどね」
パパは肩を落としてトボトボと何か食べるものを作りに行った。
「お? なんだお前ら」
いつの間にかタロとクロがパパにスリスリしていた。
「そうかそうか、俺も好きなんだな! お前らー!」
パパはタロたちを優しく撫でてあげた。
そんなタロ達ももういない。パパはタロ達を失った悲しみで仕事に手もつかない様だとママから聞いた。
私は今実家に車で向かっている。ソラを連れて。
チャイムを鳴らすとママが出迎えてくれた。
「ママただいま!」
「おかえり鮎香。あら、そのキャリーバッグは?」
「私の大切な子がいるよ」
中に入るとリビングにパパがいた。
「鮎香か、おかえり!」
「ただいまパパ! さて、と」
私はキャリーバッグの入口を開けた。
「ソラ出ておいで」
「おお、この子がソラか!」
「まぁ! 可愛い子ね」
パパもママもソラが怖がらないように少し離れて見ていた。
私はソラを抱きかかえると、パパに抱かせた。
「おお、そうだ! この子はまだミルクか?」
「ううん、もう子猫用のキャットフードだよ」
パパは生気が宿ったように、ソラを優しく撫でてあげた。
「はぁー、やっぱり猫はいいな!」
「ねぇあなた、また保護猫讓渡会にいかない? いい出会いがあるかもしれないわ」
「そうだなー、タロ達のことずっと引きずってたら、タロ達に申し訳ないよな」
「それがいいよ、元気になってくれてよかった」
パパはタロ達が死んじゃった後、どこか元気がなかった。
ママもペットロスで写真を見る度に泣いていた。
そんな二人の殻を破るようにソラは戯れる。
二人にもまた猫との暮らしが始まったらいいなと思う。
いつかくる……ソラとも別れが、ね。その時私はどうなるだろう? また慌てふためいて、泣き崩れるのだろうか?
多分そうならないだろうと思う。私はちゃんとタロ達ともお別れしてきた。
忘れるわけではない。思い出として残すんだ。
猫の寿命は人間よりも短い。だからこそ、今この時をしっかり心に残していこうと、私は誓ったんだ。
休日の昼間、トラが椅子に座ってる私の膝に乗ってきた。そしてそのまま気持ち良さそうに眠る。
「ふふ、今日はトラ?」
すると、タロとタマも寄ってきた。
「あらら、私の膝は満席よ」
にゃあにゃあと鳴くタマは私の足にスリスリしてきた。
「仕方ないなぁ」
トラを抱え床に座り、トラを膝に乗せ、タマを撫でてあげた。
するとタロもスリスリしてくる。両手いっぱいでタロとタマの相手をする。
背後に気配を感じた。クロだ。
「もー、甘えん坊さんたちなんだから」
すると、
「鮎ちゃん、お腹がすいたよ」
声がした。私は声のした方を睨みつけた。
「パパでしょ? 今の」
「あはは、バレたか」
「タロたちにはさっきご飯あげたもの」
「それにしても人気者だなー鮎香は。羨ましい。それに、声も聞こえる時があるときた」
「時々だよ。時々」
「それでも、羨ましいよ。パパも話してみたいもんだ。タロたちがなんて言ってるか知りたいよ」
「だからダメなんじゃない? タロたちは、私に伝えたい時に伝える。気まぐれなんだもの。聞きたい聞きたいじゃ相手にしてもらえないわ」
「なるほどね」
パパは肩を落としてトボトボと何か食べるものを作りに行った。
「お? なんだお前ら」
いつの間にかタロとクロがパパにスリスリしていた。
「そうかそうか、俺も好きなんだな! お前らー!」
パパはタロたちを優しく撫でてあげた。
そんなタロ達ももういない。パパはタロ達を失った悲しみで仕事に手もつかない様だとママから聞いた。
私は今実家に車で向かっている。ソラを連れて。
チャイムを鳴らすとママが出迎えてくれた。
「ママただいま!」
「おかえり鮎香。あら、そのキャリーバッグは?」
「私の大切な子がいるよ」
中に入るとリビングにパパがいた。
「鮎香か、おかえり!」
「ただいまパパ! さて、と」
私はキャリーバッグの入口を開けた。
「ソラ出ておいで」
「おお、この子がソラか!」
「まぁ! 可愛い子ね」
パパもママもソラが怖がらないように少し離れて見ていた。
私はソラを抱きかかえると、パパに抱かせた。
「おお、そうだ! この子はまだミルクか?」
「ううん、もう子猫用のキャットフードだよ」
パパは生気が宿ったように、ソラを優しく撫でてあげた。
「はぁー、やっぱり猫はいいな!」
「ねぇあなた、また保護猫讓渡会にいかない? いい出会いがあるかもしれないわ」
「そうだなー、タロ達のことずっと引きずってたら、タロ達に申し訳ないよな」
「それがいいよ、元気になってくれてよかった」
パパはタロ達が死んじゃった後、どこか元気がなかった。
ママもペットロスで写真を見る度に泣いていた。
そんな二人の殻を破るようにソラは戯れる。
二人にもまた猫との暮らしが始まったらいいなと思う。
いつかくる……ソラとも別れが、ね。その時私はどうなるだろう? また慌てふためいて、泣き崩れるのだろうか?
多分そうならないだろうと思う。私はちゃんとタロ達ともお別れしてきた。
忘れるわけではない。思い出として残すんだ。
猫の寿命は人間よりも短い。だからこそ、今この時をしっかり心に残していこうと、私は誓ったんだ。
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ありがとうございます。
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ありがとうございます(*^^*)