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メルディ国編
10 偽名ですヨ
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盾と交差した剣が描かれた看板――ベタだ――のある石を積み上げて造った建物。通り沿いにある実用一辺倒としか言えない木の扉を開き中へ入ると、どっかのRPGとかで見た事あるような風景が広がっていた。
まず、正面奥には役所の様なカウンター。そこに男や女関係なしに座っている。一人ひとりの間には衝立があるんだけど……個人情報の保護でもしているのだろうか。
……へ? 本当に保護してるの? ……そうなんだ。ちょっと意外。
カウンターに座っている人達の仕事は特に分かれていないようで、登録、依頼受付、達成報告等々、何でもやっている。
そのカウンター業務をやっている人達の後ろのスペースにも人が居て、カウンターで受け付けたものの処理等をやっているようだ。システム的に役所や銀行なんかと同じかな? ……分業、できてるんだね。
入り口から見て右手側には、看板の様な、木製のホワイトボードの様な物がどんどんどーんと立ち並び、ファンタジーよろしく鎧を着てたり剣を持ってたり杖を持っていたりする人達がそれを一生懸命見ている。よく聞く依頼ボードとかそんな感じ?
で、左手側には広いスペースが設けられ、そこにはシンプルな木製の椅子や机が並んでいる。奥の方にはギルドカウンターとは違うカウンターがあり、その奥にはキッチンらしきもの。定番の酒場? 酒場だよね? でも、お酒飲んでる人……いない?
ん? あ、2階があって、そこが飲酒用なんだ。1階は一般人も安心して使える様に、普通の飲食しかできないそうだ。
まあ、そんなのをぐるっと見た後、あたしは真っ直ぐ進み、空いているカウンターへ近寄る。
目の前まで行くと、若い女の人――この世界、年齢不詳だから若いかどうかは不明だけど――が、完璧な営業スマイルを張り付けた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
へぇ……普通に挨拶するんだ。いらっしゃいませとかいう言葉、存在するんだ……。
あたしの知っている奴らは暴言しか吐かなかったからなぁ……知らなかったわ。
ととと。それはともかくとして。
あたしはその女の人を見ながら口を開いた。
「登録をお願いします」
「……は?」
笑顔のまま固まる受付嬢(?)。その目は、聞き間違えたかなぁとか考えてるのがありありと浮かんでいる。
「あの……」
「登・録・を、お願いします」
わざと強調してやると、ポカンとした。
年寄りのくせに何言っているんだ? とか考えているんだろうね。
ホント、この世界の住人って、見た目年寄りの扱いが酷いと思う。
まあ、成長止まるなんて謎な法則の所為で、年を取っているのは最盛期が過ぎ、落ち目という考えがあるんだろうけど、それにしたって、ねぇ? あからさまに下に見るのはどうかと思う。
呆れて見ていると、ハッと気付いたその人は小さく咳払いした。
そしておもむろに紙を取り出しあたしへ差し出すと、改めて営業スマイルを浮かべた。
「失礼致しました。登録ですね。では、こちらの用紙に名前だけは必ず書き込んで下さい。他の項目につきましては任意となっております」
差し出された紙を見ると、ギルド登録用紙と書かれている。
名前、出身地、年齢、得意な攻撃方法……うん? 何で名前だけ強制で他は任意?
『出身地』
グゼナ国出身など知られたくないと思う人が多い。
うん! 納得したっ!!
確かに、あんな奴らが治める国出身なんて、恥ずかしくて言えないよね、うんうん。
あとは年齢と攻撃方法だけど、年齢はまあ、もう直ぐ老いますよ~とか教えたくないとかあるんでしょ。
攻撃方法は、これも、知られたくないとか思う人が多いのかな?
そう考えると、名前だけ強制なのは助かるのかな?
ただし、あたしは別。
国名とかを見ても分かるように、この世界の名前はどちらかといえば欧米系。あたしの名前『里子』は浮く。確実に浮く。
それに、こういう異世界召喚系の話って、モノによっては本名知られるとマズイって事があるよね?
グゼナじゃ名乗ってないけど、もしもの事を考えると本名はパスするべきだろう。
さて、どうしよう?
うーん……。
里子の『里』は英語だと『Village』。これをもじって……。
ヴィジ? やだ。
ヴィレ? 何それ。
レジー? うーん、ピンとこない。
リジー? うん? 何か面倒だから、これでいっか。リジー、っと。
書いた紙を受付嬢に渡すと、彼女は内容を確認し、水晶玉の様な物を取り出した。
「リジーさんですね。では、魔力量を測定し、ギルドカードに所有者登録しますので、こちらに手を置いて下さい」
はいはい。置けばいいんだね?
そんな訳で、水晶玉に手を置いたんだけど……。
「――え?」
「――は?」
水晶玉が光ったと思ったら……。
煙上げて燻っているんですけど!? Why!?
まず、正面奥には役所の様なカウンター。そこに男や女関係なしに座っている。一人ひとりの間には衝立があるんだけど……個人情報の保護でもしているのだろうか。
……へ? 本当に保護してるの? ……そうなんだ。ちょっと意外。
カウンターに座っている人達の仕事は特に分かれていないようで、登録、依頼受付、達成報告等々、何でもやっている。
そのカウンター業務をやっている人達の後ろのスペースにも人が居て、カウンターで受け付けたものの処理等をやっているようだ。システム的に役所や銀行なんかと同じかな? ……分業、できてるんだね。
入り口から見て右手側には、看板の様な、木製のホワイトボードの様な物がどんどんどーんと立ち並び、ファンタジーよろしく鎧を着てたり剣を持ってたり杖を持っていたりする人達がそれを一生懸命見ている。よく聞く依頼ボードとかそんな感じ?
で、左手側には広いスペースが設けられ、そこにはシンプルな木製の椅子や机が並んでいる。奥の方にはギルドカウンターとは違うカウンターがあり、その奥にはキッチンらしきもの。定番の酒場? 酒場だよね? でも、お酒飲んでる人……いない?
ん? あ、2階があって、そこが飲酒用なんだ。1階は一般人も安心して使える様に、普通の飲食しかできないそうだ。
まあ、そんなのをぐるっと見た後、あたしは真っ直ぐ進み、空いているカウンターへ近寄る。
目の前まで行くと、若い女の人――この世界、年齢不詳だから若いかどうかは不明だけど――が、完璧な営業スマイルを張り付けた。
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
へぇ……普通に挨拶するんだ。いらっしゃいませとかいう言葉、存在するんだ……。
あたしの知っている奴らは暴言しか吐かなかったからなぁ……知らなかったわ。
ととと。それはともかくとして。
あたしはその女の人を見ながら口を開いた。
「登録をお願いします」
「……は?」
笑顔のまま固まる受付嬢(?)。その目は、聞き間違えたかなぁとか考えてるのがありありと浮かんでいる。
「あの……」
「登・録・を、お願いします」
わざと強調してやると、ポカンとした。
年寄りのくせに何言っているんだ? とか考えているんだろうね。
ホント、この世界の住人って、見た目年寄りの扱いが酷いと思う。
まあ、成長止まるなんて謎な法則の所為で、年を取っているのは最盛期が過ぎ、落ち目という考えがあるんだろうけど、それにしたって、ねぇ? あからさまに下に見るのはどうかと思う。
呆れて見ていると、ハッと気付いたその人は小さく咳払いした。
そしておもむろに紙を取り出しあたしへ差し出すと、改めて営業スマイルを浮かべた。
「失礼致しました。登録ですね。では、こちらの用紙に名前だけは必ず書き込んで下さい。他の項目につきましては任意となっております」
差し出された紙を見ると、ギルド登録用紙と書かれている。
名前、出身地、年齢、得意な攻撃方法……うん? 何で名前だけ強制で他は任意?
『出身地』
グゼナ国出身など知られたくないと思う人が多い。
うん! 納得したっ!!
確かに、あんな奴らが治める国出身なんて、恥ずかしくて言えないよね、うんうん。
あとは年齢と攻撃方法だけど、年齢はまあ、もう直ぐ老いますよ~とか教えたくないとかあるんでしょ。
攻撃方法は、これも、知られたくないとか思う人が多いのかな?
そう考えると、名前だけ強制なのは助かるのかな?
ただし、あたしは別。
国名とかを見ても分かるように、この世界の名前はどちらかといえば欧米系。あたしの名前『里子』は浮く。確実に浮く。
それに、こういう異世界召喚系の話って、モノによっては本名知られるとマズイって事があるよね?
グゼナじゃ名乗ってないけど、もしもの事を考えると本名はパスするべきだろう。
さて、どうしよう?
うーん……。
里子の『里』は英語だと『Village』。これをもじって……。
ヴィジ? やだ。
ヴィレ? 何それ。
レジー? うーん、ピンとこない。
リジー? うん? 何か面倒だから、これでいっか。リジー、っと。
書いた紙を受付嬢に渡すと、彼女は内容を確認し、水晶玉の様な物を取り出した。
「リジーさんですね。では、魔力量を測定し、ギルドカードに所有者登録しますので、こちらに手を置いて下さい」
はいはい。置けばいいんだね?
そんな訳で、水晶玉に手を置いたんだけど……。
「――え?」
「――は?」
水晶玉が光ったと思ったら……。
煙上げて燻っているんですけど!? Why!?
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