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第二章
声
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その後、病院に向かい柊の病室を訪れた。
本当に息をしてるのかも疑いたくなるくらい、静かに深く眠っている柊。
鎮静剤の効果はとっくに切れているはずなのに、未だに眠りっぱなしで一度も目が覚めないらしい。
もう、柊は目覚めることを諦めてしまったのだろうか…
俺は、柊の手を握りながら耳を柊の心臓に押し当てた。
…ちゃんと動いてる。
そして呼吸を確かめるように顔を近づけると、静かに柊の息がかかる。
白雪姫みたいにキスでもしたら、目覚めてくれないだろうか…
そんな想いを込めて、柊の唇にそっと唇を重ねた。
「柊…そろそろ起きて?」
すると柊の手が少し反応を示し始め、俺は必至に呼びかけを続けた。
「柊っ、柊…っ!?」
少しづつ開いてく目を見て俺は安心して椅子の上に座り込み、握った手を包み込むようにして泣いた。
「ごめっ…ごめんなぁ…柊…辛い思いさせて」
「…っ、………っ」
「ん?どうした…?苦しいのか…?」
口をパクパクさせたまま俺を見つめ、何かを訴える柊。
その内、不安そうな表情に変わると起き上がり喉を抑え、はぁはぁと苦しそうに呼吸をし始め大粒の涙を零した。
俺は何が何だか分からなくてすぐ様ボタンを押すと、看護師さんが慌てて様子を見に来てくれた。
「どうしました?…目が覚めたんですか!?」
「はいっ、けどなんか苦しそうで…っ」
「長谷川さんっ、どっか痛い?苦しい?」
懸命に横に首を振るものの依然口を開け、喉に何か突っかえてるような表情を浮かべ息だけが漏れ出る。
一生懸命なにか訴えてくるものの、話してくれないので分からない。
…話してくれない、んじゃなくて…
話せない!?
「柊!?もしかして声…」
俺の問いかけに柊はうんうんと頷き、また大粒の涙を零した。
声が出ない…と言うのはどういう事だろう…
看護師さんはそのまま先生を呼びに行き、俺は柊の手を握ったまま背中をさすった。
「無理すんな、大丈夫だから…声出ないなら出さなくていい。俺の携帯に打ち込んでくれれば分かるし、な?」
「…っ、ぅ…っ」
急に声が出なくて柊だって怖いんだろう。
色々ありすぎたんだ…
でも出来るだけ早くここを出なければ。
先生が来て色々調べてくれたものの、精神的なショックによる一時的な失語症ではないかと診断された。
こんな状態だ、本当ならまだ治療が必要だが、内々に柊の退院の手続きを始めると俺は念の為、俺が来れなかった二日の間に柊の元を訪れた人物が居ないか看護師に問いかけた。
「昨日です、一人警察の方がお見えになりました」
「名前は!?会わせましたか!?」
「名前までは…長谷川さん眠っていたので昨日はお引き取り願いましたけど…」
「はぁ…良かった。どんな人でした?」
「うーん、警察の方っていうイメージはあまりなかったですね。でもお手帳見せられたので。あ、また来ますって言ってました」
誰だ!?柊に面会なんてする必要がある警察内部の人間なんて俺以外いないだろ。
俺はすぐ様柊の元へ戻り、事情を説明した。
「柊、よく聞いて。今からこの病院を出る。あの組織はおそらく、警察内部と繋がってる。柊は色々知りすぎた。いつ狙われてもおかしくない。俺が絶対守るから…着いてきてくれる?」
ただでさえ声が出ない不安もあるのにこんなこと急に言われて怖くて仕方ないだろうに、柊は涙を浮かべながらも俺の手を握り深く頷いてくれた。
そしてその日の夜、先生との話し合いの結果柊はまだ目覚めてない事にしておいてもらい、暫くこの部屋にはあたかも柊が寝てる風を装っておいて欲しいとお願いした。
もしかしたら、内部の人間を炙り出せるかもしれない…
深く関わるなと言われたが柊を守るため、一人でも怪しいヤツはさっさと潰しておきたい。
本当に息をしてるのかも疑いたくなるくらい、静かに深く眠っている柊。
鎮静剤の効果はとっくに切れているはずなのに、未だに眠りっぱなしで一度も目が覚めないらしい。
もう、柊は目覚めることを諦めてしまったのだろうか…
俺は、柊の手を握りながら耳を柊の心臓に押し当てた。
…ちゃんと動いてる。
そして呼吸を確かめるように顔を近づけると、静かに柊の息がかかる。
白雪姫みたいにキスでもしたら、目覚めてくれないだろうか…
そんな想いを込めて、柊の唇にそっと唇を重ねた。
「柊…そろそろ起きて?」
すると柊の手が少し反応を示し始め、俺は必至に呼びかけを続けた。
「柊っ、柊…っ!?」
少しづつ開いてく目を見て俺は安心して椅子の上に座り込み、握った手を包み込むようにして泣いた。
「ごめっ…ごめんなぁ…柊…辛い思いさせて」
「…っ、………っ」
「ん?どうした…?苦しいのか…?」
口をパクパクさせたまま俺を見つめ、何かを訴える柊。
その内、不安そうな表情に変わると起き上がり喉を抑え、はぁはぁと苦しそうに呼吸をし始め大粒の涙を零した。
俺は何が何だか分からなくてすぐ様ボタンを押すと、看護師さんが慌てて様子を見に来てくれた。
「どうしました?…目が覚めたんですか!?」
「はいっ、けどなんか苦しそうで…っ」
「長谷川さんっ、どっか痛い?苦しい?」
懸命に横に首を振るものの依然口を開け、喉に何か突っかえてるような表情を浮かべ息だけが漏れ出る。
一生懸命なにか訴えてくるものの、話してくれないので分からない。
…話してくれない、んじゃなくて…
話せない!?
「柊!?もしかして声…」
俺の問いかけに柊はうんうんと頷き、また大粒の涙を零した。
声が出ない…と言うのはどういう事だろう…
看護師さんはそのまま先生を呼びに行き、俺は柊の手を握ったまま背中をさすった。
「無理すんな、大丈夫だから…声出ないなら出さなくていい。俺の携帯に打ち込んでくれれば分かるし、な?」
「…っ、ぅ…っ」
急に声が出なくて柊だって怖いんだろう。
色々ありすぎたんだ…
でも出来るだけ早くここを出なければ。
先生が来て色々調べてくれたものの、精神的なショックによる一時的な失語症ではないかと診断された。
こんな状態だ、本当ならまだ治療が必要だが、内々に柊の退院の手続きを始めると俺は念の為、俺が来れなかった二日の間に柊の元を訪れた人物が居ないか看護師に問いかけた。
「昨日です、一人警察の方がお見えになりました」
「名前は!?会わせましたか!?」
「名前までは…長谷川さん眠っていたので昨日はお引き取り願いましたけど…」
「はぁ…良かった。どんな人でした?」
「うーん、警察の方っていうイメージはあまりなかったですね。でもお手帳見せられたので。あ、また来ますって言ってました」
誰だ!?柊に面会なんてする必要がある警察内部の人間なんて俺以外いないだろ。
俺はすぐ様柊の元へ戻り、事情を説明した。
「柊、よく聞いて。今からこの病院を出る。あの組織はおそらく、警察内部と繋がってる。柊は色々知りすぎた。いつ狙われてもおかしくない。俺が絶対守るから…着いてきてくれる?」
ただでさえ声が出ない不安もあるのにこんなこと急に言われて怖くて仕方ないだろうに、柊は涙を浮かべながらも俺の手を握り深く頷いてくれた。
そしてその日の夜、先生との話し合いの結果柊はまだ目覚めてない事にしておいてもらい、暫くこの部屋にはあたかも柊が寝てる風を装っておいて欲しいとお願いした。
もしかしたら、内部の人間を炙り出せるかもしれない…
深く関わるなと言われたが柊を守るため、一人でも怪しいヤツはさっさと潰しておきたい。
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