君色 My Dream

ヒマリ

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よし、行くか?

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<翌日の土曜の朝>
昨日、黒須さんに『明日の朝、9時に迎えに行く』と言われ、朝早くから起きて準備をしていた。
ていうか、おまけに『逃げたら、お前の会社は終わると思え』という脅迫までされた。
なんでも黒須というのは我らが大原の大事な取引先だそうで・・・・・・。
黒須との取り引きがなくなれば、大原の財政は半減!それから、千人もの人が職なしとなる。
その事態はどうしても避けなくてはいけない。
なので、こうして失礼のないようにと準備とイメトレをしているのだ!
そのとき、ふいにインターホンが鳴る。
ピンポーン
緊張がMAXにまで達し、心臓はもうバクバク!
冷や汗が滲む思いで玄関のドアを開けた。
そこにはニコリともせず、ほぼ真顔でたたずむ黒須拓哉の姿があった。
「えっと、おはようございます」
なんとか絞り出した声で言った第一声がこれ!
我ながら、何でこれにした?と思う!
もっと、ほら!
『わざわざ、迎えに来てくださってありがとうございます!』
とか、
『今日の天気は良いですね?』
とか、あった筈なのに!
一人でああでもない、こうでもない、と悩んでいるとふいに手が引かれた。
「ぅわっ!?」
勢いがありすぎて、思わず彼の胸に飛び込んでしまった!
彼の胸は筋肉質で固かった。
って、そんなことを考えている場合ではない!
すぐに彼から、離れ、深々と頭を下げた。
「すみません!」
「・・・・・・・・」
何の返答も返ってこないことに肩をビクつかせる!
うぅ~!やっぱり、怒ってますよね!?
ごめん!パパ、ママ!それから、千人もの従業員の皆!私は初っぱなから、やらかしてしまったっぽい!
「大丈夫だ。だから、そんな顔をするな」
へ?
下を向いていた目線を上に向け、彼を見つめる。
「俺は怒ってないし、そもそもその程度のことで腹をたたせるほど、心も狭くない」
え?ホントに?
やった!
自然と笑みを浮かべるとわずかに彼の口角も上がった。
「よし、行くか?」
「あ、はい!」
差し出された手を恐る恐る取ると、満足げに微笑む彼の姿があった。
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