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第四章:犠牲の国・ポルタ
第77話
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大通り沿いの商店から現れたその謎の人物は、片手で日傘を差しながらもう一方の手でクロエとサラを引っぺがした。されるがままに引き離された二人は安堵したように、しかし一抹の残念さを感じさせる表情である。
「まったく……別にアタシは、そ、そう言うのに理解がない訳じゃないけど、せめて時と場所ぐらい弁えなさいよね!」
「い、いや、決してそう言ったやらしい事をしてた訳じゃないんですけど……でも、助かりました。ありがとうございます。」
クロエがいまだ火照る表情でその謎の人物を見上げてお礼を言った。今更ながら彼女の姿を視界に収める。
燃えるような真っ赤な髪の女性だった。頭の両側で結んだ、いわゆるツインテールと言う髪型である。気の強そうな瞳も髪と同じ真紅だ。
その女性は日差しが苦手なのか、黒い大きな日傘を差していた。顔以外で肌が出ている部分はない。これまた大きな外套を身にまとっているからだ。なんとも不思議な女性である。
クロエとサラは立ち上がった。その女性の背丈はサラと同じぐらいであるらしい。つまりクロエよりは高いのである。自然と見下ろされるような体勢となった。その女性の力強いツリ目は、まるで相手を威圧するかのようである。そしてクロエたちの方を見つめる女性は少し頬を染めながらも口を開くのだった。
「べ、別に構わないわ。そんなお礼を言われるようなことはしていないもの。そんな事より、本当に場所くらいは弁えなさいよね?」
「いやだから、本当に違うんですって!」
女性はどうやら本当にクロエたちの事を怪しんでいるようだ。クロエが慌てて訂正しようと声を上げる。そして自分の後ろにいるサラへも声をかけた。
「サラさんも何か言ってよ!」
「わ、私は別にクロエさんとなら本当にそう言う関係になったって……」
「サラさん!?」
「冗談ですわ。」
クロエが「まったく……」と嘆息しながら女性に視線を戻した。すると目の前の女性は、心ここにあらずと言った様子で呆けている。その視線はクロエの方に、いや正確にはその首元へ向けられていた。
(な、何だろ……このチョーカーが珍しいのかな?)
クロエはその首元に真っ黒な革のチョーカーをつけていた。一見ただの装飾品に見えるこの黒のチョーカーだが、その実とても強力な封印具であるのだ。
これは過去、「光の女神」と呼ばれた女勇者が身に着けていた、由緒正しい装飾具なのだ。その経歴故に超強力な光属性の加護がある。エルフの郷で大切に保管されていたこの封印具だが、エルフの郷で起きたとある事件によりクロエの首元へ収まる事となっているのだった。
もしや何か知っているのだろうか。クロエは少し緊張しながら目の前の女性に声をかけた。
「あ、あのぅ……」
「…………」
「あ、あの……すいません!」
「……へ!? あ、あぁ……ごめんなさい、ちょっとぼーっとしちゃって。何?」
「いや、ボクの首元を見てたので、何かなって思って……」
クロエの言葉に目の前の女性が、それはもう目に見える程に動揺した。その慌てぶりは尋常ではない。まるで、路を歩いていたら自身の秘密をすれ違った見ず知らずの人に言い当てられたとでも言うかのようだ。
女性は何とか冷静を保とうと焦りながら言葉で反論しだした。
「は、はぁ!? な、なな、何を言ってんのよ!? ア、アンタの首元なんて見る訳ないじゃない! 勘違いしないでよ!」
「え……? ご、ごめんなさい……?」
そのあまりの狼狽ぶりに、クロエは逆に怪しむ気を失ってしまった。後ろのサラも普段なら相手に噛みつくような場面であるが、呆気に取られてポカンとしている。
その後も何か言っていた女性であったが、言葉を重ねる内に冷静さを取り戻していったのだろう。大きく一度咳ばらいをすると、まるで何もなかったかのように口を開いた。
「……で、アンタ達は何者なのよ。この国の人じゃなさそうだし、どっちも人類種じゃないわね?」
「え? あ、はい。えっと、ボクの名前はクロエ。ギルド所属の冒険者です。」
「サラですわ。同じく冒険者で、見た通りエルフですわ。」
尋ねられたクロエたちが自己紹介をした。すると、目の前の女性が「ん?」と、何か気にかかったかのように眉をひそめた。そして少しだけ考え込むかのように腕を組むと、ポンと手を打ってクロエに話しかけた。
「クロエって……アンタ、オーラントの革命前にギルド入りしたあのクロエ? 『白銀の闇』の二つ名の?」
「え、えぇ。たぶんそのクロエで間違いないはずです……」
すると目の前の女性は嬉しそうな表情になった。そしてクロエの両手を取ると、その嬉しそうな表情をそのままに話しかけるのだった。
「そっかそっか! アンタがクロエね。実はアタシもその時あのギルドにいたのよ。革命の前に国を出たんだけど、一回ぐらいあってみたかったのよね!」
「そ、そうだったんですか?」
されるがままに手を握られ上下に振られるクロエ。目の前の女性は不意にクロエの手を離すと、自己紹介を始めた。
「アタシの名前はエリザベート。ギルド所属の冒険者よ。アンタらもギルドメンバーならギルドカード持ってるでしょ? ほら、交換しましょ。」
「え、交換? 一枚しかないのに交換するんですか?」
「……アンタそれ、本気で言ってる?」
「えっ……サラさん何か知ってる?」
「い、いえ……知りませんわ。」
エリザベートの視線にクロエとサラが狼狽した。その様子にエリザベートがため息をつく。そして懐から自身のギルドカードを取り出すと、二人の前でそれを見せた。
「ほら、ギルドカードくらいは持ってるでしょ? 出しなさい。それで、裏を見るのよ。」
「う、裏……ですか?」
クロエが自身のギルドカードを取り出して裏返した。サラも同じく裏面を見る。普段あまり見ない上に表面しか見ていなかったクロエは気が付かなかったが、そこには魔法陣が描かれていた。
「そこに魔法陣があるでしょ? そこに軽くで良いから魔力を流し込むの。そうすればギルドカードが複製されるわ。ほら、やってみたら?」
エリザベートの言葉にクロエたちが従う。ほんの少しの魔力を魔法陣に流し込み、様子を伺う。すると、二人の持つカードの魔法陣がそれぞれ淡く輝きだした。そしてその光はカード全体を包み込む。数秒の後に光は収まり、そこには二枚に増えたそれぞれのカードが存在したのだった。
「わ、わ! できました!」
「知りませんでしたわ……!」
「説明なかったのかしら……? まぁいいわ。ほら、それぞれアタシにちょうだい? アタシも一枚ずつ渡すから。」
エリザベートも自分のギルドカードを複製した。その数は元も含め三枚である。そしてまるで名刺交換よろしくお互いのカードを交換するのだった。
クロエはエリザベートから渡されたカードを眺めた。複製品と分かるようにその表面には「複製」と背面印刷されている。
記載されていた名前は「エリザベート・C・ノクターナ」。組合基準職業《ギルスタジョブ》は「槍術士《そうじゅつし》」とあった。そして何よりもクロエたちを驚かせたのが、彼女のランクである。
「わ、凄い……! エリザベートさん、Aランクなんですね!」
「長いからエリーでいいわ。そうよ、これでもアンタと同じ『同族殺し』の二つ名を持つネームドのAランクなの。」
エリーは少し誇らしげにそう言った。実際Aランクであることはとても凄い事であるので十分誇れることである。クロエ自身自覚がないが、Aランク以上のギルドメンバーはB+以下に比べかなり少ない。それ故に与えられる特権の数々があるのだが、クロエはそれをろくに使っていないのだ。自覚も薄くなるだろう。
「ねぇ、エリーさん。『槍術士』ってありますけど、エリーさん武器持ってないですよね?」
クロエが唐突にエリーへ質問を投げかけた。エリーのジョブは恐らくその名の通り槍でもって戦うスタイルなのだろう。それにしては今の彼女は丸腰である。
しかしエリーはその質問に対し、動じることなく返答するのだった。
「あら、槍ならあるわよ。ほら。」
「え、無いですよね……?」
「ほら、これ。ここに宝珠武器があるでしょ?」
その言葉にクロエがエリーの胸元に目をやる。そこには中心に赤色の宝石が埋め込まれた白い十字架のネックレスが胸元にぶら下がっていた。しかしそれはどう見ても武器には見えない。
するとエリーはおもむろに日陰へ入ると、日傘を閉じてその胸元の十字架に手を添えた。そして静かに言葉を唱える。
「闇夜を燃やせ、『光十字《リュミエール》』。」
次の瞬間、エリーの両手が炎に包まれた。あまりに唐突な業火は日陰を明るく照らす。しかしエリーは燃え盛る両手に見向きもしない。そしていつの間にか、彼女の燃える両手には一振りの槍が握られていた。
それは一言で言うなら純白の巨大な十字架だろう。真っ白な細長い持ち柄に銀白の十字の槍穂。クロエの記憶の中で一番近い形状なのは十文字槍だろう。そして何よりも不思議なのは燃え続けるエリーの両手だ。
「これがアタシの武器、『光十字《リュミエール》』よ。世界でも珍しい宝珠武器、浄化の十字槍。これに斬られた魔力体は切り口から燃えていくの。」
「そ、そんな事より! 手! 燃えてますよ!?」
クロエが焦ったように叫ぶ。正直クロエはその武器の説明なんかよりも、燃えるエリーの両手が気になって仕方がなかった。
だが当のエリーはクロエの狼狽など何のその。あっけらかんとした表情のまま、驚くべき言葉を口にするのだった。
「あぁ、これ? 仕方ないわ、だってアタシ吸血族《ヴァンパイア》だもの。」
「「……え?」」
―続く―
※以下は後書き的スペースです。
今回登場したエリーさんのイメージ画を置いておきます。服がないのは考える余裕がなかったからです。こんな服はどう? というアイデアある方は感想欄か、私のツイッターで教えてくれると凄い嬉しいです。
「まったく……別にアタシは、そ、そう言うのに理解がない訳じゃないけど、せめて時と場所ぐらい弁えなさいよね!」
「い、いや、決してそう言ったやらしい事をしてた訳じゃないんですけど……でも、助かりました。ありがとうございます。」
クロエがいまだ火照る表情でその謎の人物を見上げてお礼を言った。今更ながら彼女の姿を視界に収める。
燃えるような真っ赤な髪の女性だった。頭の両側で結んだ、いわゆるツインテールと言う髪型である。気の強そうな瞳も髪と同じ真紅だ。
その女性は日差しが苦手なのか、黒い大きな日傘を差していた。顔以外で肌が出ている部分はない。これまた大きな外套を身にまとっているからだ。なんとも不思議な女性である。
クロエとサラは立ち上がった。その女性の背丈はサラと同じぐらいであるらしい。つまりクロエよりは高いのである。自然と見下ろされるような体勢となった。その女性の力強いツリ目は、まるで相手を威圧するかのようである。そしてクロエたちの方を見つめる女性は少し頬を染めながらも口を開くのだった。
「べ、別に構わないわ。そんなお礼を言われるようなことはしていないもの。そんな事より、本当に場所くらいは弁えなさいよね?」
「いやだから、本当に違うんですって!」
女性はどうやら本当にクロエたちの事を怪しんでいるようだ。クロエが慌てて訂正しようと声を上げる。そして自分の後ろにいるサラへも声をかけた。
「サラさんも何か言ってよ!」
「わ、私は別にクロエさんとなら本当にそう言う関係になったって……」
「サラさん!?」
「冗談ですわ。」
クロエが「まったく……」と嘆息しながら女性に視線を戻した。すると目の前の女性は、心ここにあらずと言った様子で呆けている。その視線はクロエの方に、いや正確にはその首元へ向けられていた。
(な、何だろ……このチョーカーが珍しいのかな?)
クロエはその首元に真っ黒な革のチョーカーをつけていた。一見ただの装飾品に見えるこの黒のチョーカーだが、その実とても強力な封印具であるのだ。
これは過去、「光の女神」と呼ばれた女勇者が身に着けていた、由緒正しい装飾具なのだ。その経歴故に超強力な光属性の加護がある。エルフの郷で大切に保管されていたこの封印具だが、エルフの郷で起きたとある事件によりクロエの首元へ収まる事となっているのだった。
もしや何か知っているのだろうか。クロエは少し緊張しながら目の前の女性に声をかけた。
「あ、あのぅ……」
「…………」
「あ、あの……すいません!」
「……へ!? あ、あぁ……ごめんなさい、ちょっとぼーっとしちゃって。何?」
「いや、ボクの首元を見てたので、何かなって思って……」
クロエの言葉に目の前の女性が、それはもう目に見える程に動揺した。その慌てぶりは尋常ではない。まるで、路を歩いていたら自身の秘密をすれ違った見ず知らずの人に言い当てられたとでも言うかのようだ。
女性は何とか冷静を保とうと焦りながら言葉で反論しだした。
「は、はぁ!? な、なな、何を言ってんのよ!? ア、アンタの首元なんて見る訳ないじゃない! 勘違いしないでよ!」
「え……? ご、ごめんなさい……?」
そのあまりの狼狽ぶりに、クロエは逆に怪しむ気を失ってしまった。後ろのサラも普段なら相手に噛みつくような場面であるが、呆気に取られてポカンとしている。
その後も何か言っていた女性であったが、言葉を重ねる内に冷静さを取り戻していったのだろう。大きく一度咳ばらいをすると、まるで何もなかったかのように口を開いた。
「……で、アンタ達は何者なのよ。この国の人じゃなさそうだし、どっちも人類種じゃないわね?」
「え? あ、はい。えっと、ボクの名前はクロエ。ギルド所属の冒険者です。」
「サラですわ。同じく冒険者で、見た通りエルフですわ。」
尋ねられたクロエたちが自己紹介をした。すると、目の前の女性が「ん?」と、何か気にかかったかのように眉をひそめた。そして少しだけ考え込むかのように腕を組むと、ポンと手を打ってクロエに話しかけた。
「クロエって……アンタ、オーラントの革命前にギルド入りしたあのクロエ? 『白銀の闇』の二つ名の?」
「え、えぇ。たぶんそのクロエで間違いないはずです……」
すると目の前の女性は嬉しそうな表情になった。そしてクロエの両手を取ると、その嬉しそうな表情をそのままに話しかけるのだった。
「そっかそっか! アンタがクロエね。実はアタシもその時あのギルドにいたのよ。革命の前に国を出たんだけど、一回ぐらいあってみたかったのよね!」
「そ、そうだったんですか?」
されるがままに手を握られ上下に振られるクロエ。目の前の女性は不意にクロエの手を離すと、自己紹介を始めた。
「アタシの名前はエリザベート。ギルド所属の冒険者よ。アンタらもギルドメンバーならギルドカード持ってるでしょ? ほら、交換しましょ。」
「え、交換? 一枚しかないのに交換するんですか?」
「……アンタそれ、本気で言ってる?」
「えっ……サラさん何か知ってる?」
「い、いえ……知りませんわ。」
エリザベートの視線にクロエとサラが狼狽した。その様子にエリザベートがため息をつく。そして懐から自身のギルドカードを取り出すと、二人の前でそれを見せた。
「ほら、ギルドカードくらいは持ってるでしょ? 出しなさい。それで、裏を見るのよ。」
「う、裏……ですか?」
クロエが自身のギルドカードを取り出して裏返した。サラも同じく裏面を見る。普段あまり見ない上に表面しか見ていなかったクロエは気が付かなかったが、そこには魔法陣が描かれていた。
「そこに魔法陣があるでしょ? そこに軽くで良いから魔力を流し込むの。そうすればギルドカードが複製されるわ。ほら、やってみたら?」
エリザベートの言葉にクロエたちが従う。ほんの少しの魔力を魔法陣に流し込み、様子を伺う。すると、二人の持つカードの魔法陣がそれぞれ淡く輝きだした。そしてその光はカード全体を包み込む。数秒の後に光は収まり、そこには二枚に増えたそれぞれのカードが存在したのだった。
「わ、わ! できました!」
「知りませんでしたわ……!」
「説明なかったのかしら……? まぁいいわ。ほら、それぞれアタシにちょうだい? アタシも一枚ずつ渡すから。」
エリザベートも自分のギルドカードを複製した。その数は元も含め三枚である。そしてまるで名刺交換よろしくお互いのカードを交換するのだった。
クロエはエリザベートから渡されたカードを眺めた。複製品と分かるようにその表面には「複製」と背面印刷されている。
記載されていた名前は「エリザベート・C・ノクターナ」。組合基準職業《ギルスタジョブ》は「槍術士《そうじゅつし》」とあった。そして何よりもクロエたちを驚かせたのが、彼女のランクである。
「わ、凄い……! エリザベートさん、Aランクなんですね!」
「長いからエリーでいいわ。そうよ、これでもアンタと同じ『同族殺し』の二つ名を持つネームドのAランクなの。」
エリーは少し誇らしげにそう言った。実際Aランクであることはとても凄い事であるので十分誇れることである。クロエ自身自覚がないが、Aランク以上のギルドメンバーはB+以下に比べかなり少ない。それ故に与えられる特権の数々があるのだが、クロエはそれをろくに使っていないのだ。自覚も薄くなるだろう。
「ねぇ、エリーさん。『槍術士』ってありますけど、エリーさん武器持ってないですよね?」
クロエが唐突にエリーへ質問を投げかけた。エリーのジョブは恐らくその名の通り槍でもって戦うスタイルなのだろう。それにしては今の彼女は丸腰である。
しかしエリーはその質問に対し、動じることなく返答するのだった。
「あら、槍ならあるわよ。ほら。」
「え、無いですよね……?」
「ほら、これ。ここに宝珠武器があるでしょ?」
その言葉にクロエがエリーの胸元に目をやる。そこには中心に赤色の宝石が埋め込まれた白い十字架のネックレスが胸元にぶら下がっていた。しかしそれはどう見ても武器には見えない。
するとエリーはおもむろに日陰へ入ると、日傘を閉じてその胸元の十字架に手を添えた。そして静かに言葉を唱える。
「闇夜を燃やせ、『光十字《リュミエール》』。」
次の瞬間、エリーの両手が炎に包まれた。あまりに唐突な業火は日陰を明るく照らす。しかしエリーは燃え盛る両手に見向きもしない。そしていつの間にか、彼女の燃える両手には一振りの槍が握られていた。
それは一言で言うなら純白の巨大な十字架だろう。真っ白な細長い持ち柄に銀白の十字の槍穂。クロエの記憶の中で一番近い形状なのは十文字槍だろう。そして何よりも不思議なのは燃え続けるエリーの両手だ。
「これがアタシの武器、『光十字《リュミエール》』よ。世界でも珍しい宝珠武器、浄化の十字槍。これに斬られた魔力体は切り口から燃えていくの。」
「そ、そんな事より! 手! 燃えてますよ!?」
クロエが焦ったように叫ぶ。正直クロエはその武器の説明なんかよりも、燃えるエリーの両手が気になって仕方がなかった。
だが当のエリーはクロエの狼狽など何のその。あっけらかんとした表情のまま、驚くべき言葉を口にするのだった。
「あぁ、これ? 仕方ないわ、だってアタシ吸血族《ヴァンパイア》だもの。」
「「……え?」」
―続く―
※以下は後書き的スペースです。
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