7 / 18
(7)
しおりを挟む
装飾の多い上着をハンガーにかけ、ひらひらしたブラウス姿で1Kのマンションの座布団に座る美形に、マグカップのココアを差し出した。
「粉のやつだけど……」
コーヒーと紅茶と日本茶、どれがいいかと聞いた雫に、男は「ショコラはありますか」と聞いた。
ショコラ。
一瞬、呆気にとられたが、ココアなら粉のがあったと思い出し、お湯で溶いたものを出してみた。
自分の分も作り、折り畳み式の座卓を挟んで向かい合った。
「美味しいです」
男は嬉しそうに笑った。キラキラと光が弾ける。
事情を聞いていいのか、聞くとしたら何から聞けばいいのか悩んでいると、男のほうから口を開いた。
「私の名前は、ルイです。わけあって国を追われていますが、元はハイドランジア王国の王子でした」
ああ、と雫は遠い目になった。
やっぱり残念な人だった。
「あなたは?」
答えて大丈夫なものか迷ったが、青い瞳の美しさに魅入られて「四葩雫《よひらしずく》です」と素直に答えた。
「雫……。美しい名前ですね。あなたにぴったりだ」
キラキラの笑顔で褒められて、じわりと頬が熱くなる。なんだか調子がおかしい。相手が美形すぎるのがいけないのか。
「粉のやつだけど……」
コーヒーと紅茶と日本茶、どれがいいかと聞いた雫に、男は「ショコラはありますか」と聞いた。
ショコラ。
一瞬、呆気にとられたが、ココアなら粉のがあったと思い出し、お湯で溶いたものを出してみた。
自分の分も作り、折り畳み式の座卓を挟んで向かい合った。
「美味しいです」
男は嬉しそうに笑った。キラキラと光が弾ける。
事情を聞いていいのか、聞くとしたら何から聞けばいいのか悩んでいると、男のほうから口を開いた。
「私の名前は、ルイです。わけあって国を追われていますが、元はハイドランジア王国の王子でした」
ああ、と雫は遠い目になった。
やっぱり残念な人だった。
「あなたは?」
答えて大丈夫なものか迷ったが、青い瞳の美しさに魅入られて「四葩雫《よひらしずく》です」と素直に答えた。
「雫……。美しい名前ですね。あなたにぴったりだ」
キラキラの笑顔で褒められて、じわりと頬が熱くなる。なんだか調子がおかしい。相手が美形すぎるのがいけないのか。
0
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
壁乳
リリーブルー
BL
ご来店ありがとうございます。ここは、壁越しに、触れ合える店。
最初は乳首から。指名を繰り返すと、徐々に、エリアが拡大していきます。
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。
じれじれラブコメディー。
4年ぶりに続きを書きました!更新していくのでよろしくお願いします。
(挿絵byリリーブルー)
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる