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ゴミ捨て場から始まる仕事
第2話 再利用率92%
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「もう一本、壊れてるのがある。見てくれないか」
ボルフにそう言われ、レントは小さくうなずいた。
「分かった。どこにある?」
「こっちだ」
男はそう言うと、ゴミの山の奥へと歩き出した。
レントも後に続く。
歩きながら、周囲の景色を改めて見回した。
すると、壊れた農具、折れた刃物、割れた鍋が散乱している。
どれも昨日まではただの廃棄物だったはずなのに、今は違って見える。
視線を向けるたびに、数字が浮かび上がる。
【鉄製農具(破損)】
再利用効率:88%
【鍋(変形)】
再利用効率:73%
全部に出るのかと内心驚いてしまう。
この能力が何なのかは分からない。だが一つだけ確かなことがある。
“直せる可能性”が、目に見える。
ボルフが立ち止まり、足元の山を崩した。
「これだ」
取り出したのは、刃が欠け、柄がぐらついた鎌だった。
レントが、鎌に視線を向ける。
【鎌(欠け)】
再利用効率:84%
修復推定成功率:72%
直せると確信したレントは鎌を受け取り、欠けた刃を指でなぞる。
前世で何度も見た状態だ。小さな欠けなら、形を整えればまだ使える。
「少し時間がかかる」
「構わねえ」
ボルフは腕を組み、少し離れて見守った。
レントは近くの平たい石を拾い、刃先をゆっくりと擦り始める。
力を入れすぎない。角度を一定に保つ。
削るたびに、刃のラインが少しずつ整っていく。
単純な作業だが、嫌いじゃない。
手を動かしている間は、余計な不安を考えなくて済む。
しばらくして、レントは刃先を光にかざした。
「こんなもんかな」
振り返り研ぎ直した鎌をボルフへ渡す。
男は半信半疑の顔で受け取り、近くの草を軽く刈った。
ざくり、と気持ちのいい音がした。
「おお~」
もう一度、振る。
今度は少し強めに。刃は引っかからず、草を素直に切り裂いた。
「信じられねえが、見事に直ってるな」
ボルフは感心したように息を吐き、レントを見た。
「お前、本当に職人じゃねえのか?」
「違う。ただ、前に似たような仕事してただけ」
完全な嘘ではない。
工場でやっていたのは機械の部品調整や簡単な修理作業だったが、感覚は近い。
ボルフは鎌を腰に差し、少し考えるように言った。
「他にも、直せるか?」
レントは周囲の山を見渡した。
表示される数字。高いものもあれば、低いものもある。
「成功率が高いものなら」
「成功率?」
ボルフは、成功率とは何だといった様子で首を傾げた。
「直せる可能性が高いってこと」
ボルフは難しそうな顔をしたが、深くは聞かなかった。
代わりに、もう一度ゴミの山を崩し、いくつかの農具を取り出した。
「じゃあ、これも頼む」
レントはそれらを一つずつ確認する。
【鍬(歪み)】
再利用効率:91%
修復推定成功率:87%
【小型斧(刃欠け)】
再利用効率:69%
修復推定成功率:52%
斧は数値的に微妙だと感じ、レントは先に可能性のある鍬を手に取った。
「まずこれからやる」
ボルフは満足そうに頷いた。
作業を始めてすぐ、背後から別の声が聞こえた。
「ボルフ、それどうしたんだ?」
振り向くと、農夫らしい男が二人、こちらを見ている。
ボルフは鎌を軽く掲げた。
「こいつが直した」
二人の視線が一斉にレントへ向いた。
値踏みするような、しかし興味を隠しきれない目だ。
「直した?」
「少し叩いたり削ったりしただけ」
男の一人が半歩近づき、言った。
「俺の包丁も欠けてるんだが......見てくれるか?」
レントは少し迷った。
まだ自分の能力が完全に分かったわけではない。失敗すれば、信用を失うかもしれない。
だが、ここで断れば、次はないと感じた。
「見てみるよ」
その言葉に、男の顔がぱっと明るくなった。
ボルフが、小さく笑った。
「どうやら、お前忙しくなりそうだな」
レントは、思いがけないことの連続で苦笑した。
「まだ分からないよ」
けれど、胸の奥では、確かに何かが動き始めていた。
ここで生きていくための、最初の仕事。
それが、思ったよりも早く転がり始めている。
そして、遠くで、また鐘の音が鳴った。
「とりあえず、作業できる場所を探さないとな」
レントがそう呟くと、ボルフはすぐに言った。
「空き小屋がある。案内してやる」
レントは、目を見開き、顔を上げた。
「本当か?」
「村はずれだが、屋根はある。雨はしのげるはずだ」
それだけで十分だった。
雨風をしのげる場所。それは、この世界で仕事を始めるための第一歩だ。
レントは大きく息を吸い、頷いた。
「頼む」
ボルフは、ニカッと笑い、背を向け、歩き出した。
「ついて来い」
レントは、直したばかりの鍬を肩に担ぎ、その後を追った。
ボルフにそう言われ、レントは小さくうなずいた。
「分かった。どこにある?」
「こっちだ」
男はそう言うと、ゴミの山の奥へと歩き出した。
レントも後に続く。
歩きながら、周囲の景色を改めて見回した。
すると、壊れた農具、折れた刃物、割れた鍋が散乱している。
どれも昨日まではただの廃棄物だったはずなのに、今は違って見える。
視線を向けるたびに、数字が浮かび上がる。
【鉄製農具(破損)】
再利用効率:88%
【鍋(変形)】
再利用効率:73%
全部に出るのかと内心驚いてしまう。
この能力が何なのかは分からない。だが一つだけ確かなことがある。
“直せる可能性”が、目に見える。
ボルフが立ち止まり、足元の山を崩した。
「これだ」
取り出したのは、刃が欠け、柄がぐらついた鎌だった。
レントが、鎌に視線を向ける。
【鎌(欠け)】
再利用効率:84%
修復推定成功率:72%
直せると確信したレントは鎌を受け取り、欠けた刃を指でなぞる。
前世で何度も見た状態だ。小さな欠けなら、形を整えればまだ使える。
「少し時間がかかる」
「構わねえ」
ボルフは腕を組み、少し離れて見守った。
レントは近くの平たい石を拾い、刃先をゆっくりと擦り始める。
力を入れすぎない。角度を一定に保つ。
削るたびに、刃のラインが少しずつ整っていく。
単純な作業だが、嫌いじゃない。
手を動かしている間は、余計な不安を考えなくて済む。
しばらくして、レントは刃先を光にかざした。
「こんなもんかな」
振り返り研ぎ直した鎌をボルフへ渡す。
男は半信半疑の顔で受け取り、近くの草を軽く刈った。
ざくり、と気持ちのいい音がした。
「おお~」
もう一度、振る。
今度は少し強めに。刃は引っかからず、草を素直に切り裂いた。
「信じられねえが、見事に直ってるな」
ボルフは感心したように息を吐き、レントを見た。
「お前、本当に職人じゃねえのか?」
「違う。ただ、前に似たような仕事してただけ」
完全な嘘ではない。
工場でやっていたのは機械の部品調整や簡単な修理作業だったが、感覚は近い。
ボルフは鎌を腰に差し、少し考えるように言った。
「他にも、直せるか?」
レントは周囲の山を見渡した。
表示される数字。高いものもあれば、低いものもある。
「成功率が高いものなら」
「成功率?」
ボルフは、成功率とは何だといった様子で首を傾げた。
「直せる可能性が高いってこと」
ボルフは難しそうな顔をしたが、深くは聞かなかった。
代わりに、もう一度ゴミの山を崩し、いくつかの農具を取り出した。
「じゃあ、これも頼む」
レントはそれらを一つずつ確認する。
【鍬(歪み)】
再利用効率:91%
修復推定成功率:87%
【小型斧(刃欠け)】
再利用効率:69%
修復推定成功率:52%
斧は数値的に微妙だと感じ、レントは先に可能性のある鍬を手に取った。
「まずこれからやる」
ボルフは満足そうに頷いた。
作業を始めてすぐ、背後から別の声が聞こえた。
「ボルフ、それどうしたんだ?」
振り向くと、農夫らしい男が二人、こちらを見ている。
ボルフは鎌を軽く掲げた。
「こいつが直した」
二人の視線が一斉にレントへ向いた。
値踏みするような、しかし興味を隠しきれない目だ。
「直した?」
「少し叩いたり削ったりしただけ」
男の一人が半歩近づき、言った。
「俺の包丁も欠けてるんだが......見てくれるか?」
レントは少し迷った。
まだ自分の能力が完全に分かったわけではない。失敗すれば、信用を失うかもしれない。
だが、ここで断れば、次はないと感じた。
「見てみるよ」
その言葉に、男の顔がぱっと明るくなった。
ボルフが、小さく笑った。
「どうやら、お前忙しくなりそうだな」
レントは、思いがけないことの連続で苦笑した。
「まだ分からないよ」
けれど、胸の奥では、確かに何かが動き始めていた。
ここで生きていくための、最初の仕事。
それが、思ったよりも早く転がり始めている。
そして、遠くで、また鐘の音が鳴った。
「とりあえず、作業できる場所を探さないとな」
レントがそう呟くと、ボルフはすぐに言った。
「空き小屋がある。案内してやる」
レントは、目を見開き、顔を上げた。
「本当か?」
「村はずれだが、屋根はある。雨はしのげるはずだ」
それだけで十分だった。
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レントは大きく息を吸い、頷いた。
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