異世界屋台経営-料理一本で異世界へ

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第2章 いざ街へ

第6話 初めてのシュワシュワコーラ!

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騎士達全員にチーズバーガーを配り終えた直後、トンボがやってくる。

「さっきから匂いだけ漂ってきて限界がきちまった。俺にもくれねぇか?」

「おっ!トンボお疲れ様。すぐ作ってやるから待っててくれ」

真人は、パティを2枚焼いていく。絶対2個は食べるだろうと思ったからだ。

「あ!そうだ。馬車の修理は終わったぜ」

「おぉ!ありがとう。助かったぞ。馬車とチーズバーガーのお礼を是非させて貰いたいのだが、ギコニルまで着いてきてくれないだろうか?チーズバーガーの代金も屋敷に着いたらお礼と一緒に払わせてもらうのでな」

お礼は、いいとしても代金は頂かないと赤字でトンボに給料すら払えない。是が非でも屋敷について行かなくてはと思う真人。

「俺は構わねぇぜ。マサトもいいだろ?どのみちギコニルに行く予定だしよ」

騎士達は、チーズバーガーに夢中でトンボの言葉遣いを注意する者はいない。それより、誰一人として警戒していないが大丈夫なのだろうかと思う真人。

「それは、ちょうどいいではないか!俺は、ギコニルで領主をしているキーロンという。二人を歓迎するぞ」

まさかのギコニルの領主だったとは思いもよらず、真人もトンボも驚くのであった。

「トンボ、チーズバーガーお待たせ。それにしても、領主様だとは思いませんでした。先程は、キーロンさんとお呼びして申し訳ございませんでした」

トンボは、チーズバーガーを受け取るとガブッと齧り付いて、いつものように無我夢中で食べる。

「構わん構わん。公式の場以外は、今後もキーロンさんで大丈夫だからな。それより、何か飲み物はないか?」

キーロンは、かなり温厚な貴族だと窺える。真人は、斬首刑とかにならなくて良かったと思うのだった。

「キーロンさんの口に合うかわかりませんが、コーラという飲み物です」

異世界のそれも貴族にコーラというのはどうかと思ったが、チーズバーガーにはコーラだろうと思い渡してみる。

「なんだ。この色は!これは飲み物なのか?だが、チーズバーガーの時と同じようにもう一人の俺が飲めと言っている」

キーロンは、かなり好奇心が旺盛らしい。

そして、キーロンは意を決してコップに口をつけてゴクゴクと飲み始める。しかし、勢いよく飲んでしまい炭酸の所為で咽てしまう。

「ゴホゴホゲホゲホ、なんだこのシュワッとくる強烈な刺激は...だが、後味は甘い!?もう一口飲んでみるか。ん?ん?うまい!最初は、なんて物を飲ませるんだと思ったが、このシュワシュワした刺激が癖になる。ゲフッ!これは失礼...ゲフッゲフッ」 

炭酸の影響で、ゲップが何度も出てしまうキーロン。

「キーロンさん、それはそのシュワシュワした炭酸の影響で出てしまうんです。暫くしたら治まりますので体に害はありませんよ」

「そうなのか?止まらないから驚いたぞ。それにしても、飲み物で気付かなかったが、精巧な作りのガラスの入れ物だな。それに、見たこともない食べ物に飲み物...おっとすまん。ついつい癖で他人の詮索をしてしまうのだよ。気にしないでくれ」

普通の貴族であれば、問いただしていただろうが、善良なキーロンはそれ以上聞こうとはしない。

「俺にも、その飲み物くれねぇか?それにしても、またとんでもねぇもんを作ったな。うますぎて2個あったチーズバーガーが一瞬で無くなっちまった。あぁ~もうマサトの飯しか食えない体になっちまったよ」

「最後台詞誤解を生むからやめろ!それから、コーラな。一気飲みするなよ」

トンボは、コーラを受け取ると忠告を聞かずに一気飲みをする。しかし、初コーラにも関わらず一切咳もせず、ゲップも出ない強者であった。

「うめぇ~もう一杯くれ」

またゴクゴクと勢いよく飲む。それを見ていた真人とキーロンは、「化け物だな」「ですね」と言うのであった。そして、騎士達は気を遣ってくれたのか、自分達の持っていた水を飲んでいた。

「よし、マークそろそろ出発の準備を頼む。二人は、馬車に乗ってくれ」

そう言われたので、真人とトンボは馬車に乗り込む。真人はやっと落ち着けると思っていた。しかし、この世界の馬車の揺れの酷さと、尻が猛烈に痛くなる事を知らない所為で後々大変なことになるのであった。
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