異世界屋台経営-料理一本で異世界へ

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第3章 キーロンの屋敷

第8話 本格和風ソースのステーキ!この匂いは我慢出来ないよね!

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真人とトンボが部屋で待っていると、ヴァロルが、キーロンが呼んでいると伝えに来てくれた。

「おっ!マサトとトンボ、よく来てくれた。でだ、まずは食事はどうであった?」

それを聞かれて、思わず顔を見合わせる真人とトンボ。トンボが頼むという顔をするので、真人は仕方ないなという顔で応える。

「キーロンさん、本当に正直に答えていいんですよね?」

「うむ。今まで出会った中で1番の料理人に言われるなら苛立ちも何も起こらん」

流石に、領主に対して素直には言い辛いなと思う真人。思わず「ふぅ~」と息を吐き出して落ち着こうとする。

「正直に言うとまずいです。そして、塩と香辛料の使い過ぎでとにかく辛いです。子供は繊細な舌を持っているので受け付けないでしょう。そして、あれを食べ続けていたら、いつか病気になりますよ。40代か50代くらいで倒れる方が多くないですか?」

真人は、高血圧で倒れる人が多く存在しているのではないかと予想したのだ。

「やはりまずいか...それより、何故わかったのだ。その通り、突然倒れる貴族が多いのだ。理由を知っているなら教えてくれないか?頼む」

キーロンは、頭を下げてお願いをする。

「高血圧という病気です。塩分...塩を取り過ぎるとなります。あと、香辛料も取り過ぎると腹痛や下痢の原因になるので、塩も香辛料も適量にしてください」

キーロンは、それを聞いて雷にでも撃たれたような衝撃を受けるのであった。まさに、青天の霹靂である。

「そうだったのか...ヴァロル、今すぐ手紙を書くので王城に届けてくれないか?」

「畏まりました。旦那様」

真人から聞いたことを陛下に早く伝えなければと、謁見の書状を書いてヴァロルに持って行かせようとしているのだ。

「そしてマサト、旅で疲れている所、申し訳ないが家族に料理を作ってやってはくれないだろうか?」

「はい!約束ですし構いませんが、先に代金を頂けませんか?食材を買うことができないので」

「うむ。ヴァロル、先程用意した物を持ってきてくれ。だが、食材は屋敷の物を使ってくれて構わないのだぞ」

「キーロンさん、すいません。食材に関してはお答えできないんです。スキルに関係していまして...」

真人は、申し訳なさそうに言う。それを聞いたキーロンは、そういうことかと納得する。

「それは、悪いことを聞いた。申し訳ない。これ以上は、追求はしない!それと、これがマサトに対するお礼と料理番の代金だ。こっちが、トンボに対するお礼だ。受け取ってくれ」

袋は、パンパンに詰まっており、開けてみると金貨の山であった。キーロンも、大金貨だと不便だろうと思い、全て金貨で渡したのだ。

「え?こんなに!多すぎます」

「こりゃスゲェー...だが、流石に貰い過ぎだわ」

二人は、大量の金貨に驚き心躍るが、常識的に受け取れないと断るのであった。

「是非受け取ってくれ。これは、私から君達に対する礼だ。それを断るとは言わないだろうね?」

それを聞いた真人は、これ以上断るのは逆に失礼に当たるなと思う。

「分かりました。有り難く受け取らせて頂きます」

「領主様、俺も有り難く頂くぜ」

「うむ。それでいい」

2人の言葉に、笑顔で頷くキーロン。

それから、キーロンに頼まれた夕食を作る前に、部屋で試作をさせてほしいとお願いをした真人。それと、夕食は目の前で作りたいとお願いをすると願ってもないことだと逆に喜ばれて、両方とも潔く承諾してもらえた。



「マサト、今回は何を作る予定なんだ?」

部屋に戻って、早速屋台を出して金貨を画面に投入して食材や調味料を買っていると、トンボが尋ねてきた。

「今日出されたスープとサラダとステーキを、俺風にアレンジして作って見ようかなって。でもその前に、メインのステーキをトンボに試食してもらおうかなって思ってる」

トンボは、試食と聞いてガッツポーズをして喜ぶ。真人は、この世界でもガッツポーズはあるんだと思うのだった。

「あれんじ?よくわからねぇ言葉だが、それよりも試食なら任せてくれ。どんだけでも食ってやらぁ」

「じゃあ、少し待っててな」

まずは、ステーキ肉を常温に戻してから、焼く直前にマジックソルトとガーリックパウダーを両面にかける。そして、フライパンを強火で温める。ちなみに、けむりが少し出るくらいアツアツにするのがポイントである。 それから、牛脂を投入して満遍なく行き渡ったのを確認したらステーキ肉を入れて、片面に焼き目がついたら肉を裏返し、フライパンに蓋をして弱火にする。そこから、2分40秒で火を止めて、すぐにまな板に肉を移して1分待つ。熱々で食べられるように鉄板皿も温めておく。
ちなみに同時進行で、ソース作りもしておく。玉ねぎ50gとニンニク 1片を擦り下ろして料理酒 大さじ2としょうゆ 大さじ1.5とみりん 大さじ1.5と酢 小さじ2とはちみつ 小さじ2をフライパンに入れて半量になるまで中火で煮詰める。これで、本格和風ステーキソースの完成である。

そして、鉄板皿にステーキを移して、上からステーキソースをかける。ステーキソースが鉄板にこぼれ落ちてジュッと音を立ててステーキの脂とソースが合わさったなんとも言えない匂いが部屋中に立ち込める。

「やべぇ~なんちゅう匂いだ。早く食いてぇ~」

「お待たせ。本格和風ソースのステーキ完成。食べていいけど熱いから気を付けろよ」

トンボは、鼻をステーキに近付けてスーと息を吸う。そして、匂いに満足したのか、フォークを手にとってステーキにフォークを刺して、そのまま齧り付く。ナイフを用意したのだが、使い慣れない?いや使ったことがないので、そのまま齧り付いたのだ。

「あちぃ~ハフハフ...だけどうめぇ~!なんだ、このガツンと来るうまさ!さっきのとは、雲泥の差だ!それに、肉が柔らかくて甘い!それから、ソースだったか?うますぎるだろ?複雑な味だが、肉に合う。こんなの俺の知ってる肉じゃねぇ~ぞ」

トンボが、そんな感想を話していると、外からドタドタドタと走る音が聞こえてドアが勢いよく開けられる。

「マサト~~次は、何を作ったのだ!屋敷にうまそうな匂いが充満して仕事が手に付かんぞ」

そこに現れたのは、キーロンとヴァロルとコック帽を被った男性であった。更に後ろには、メイドも数人いる。

「え?試作でステーキを作りました。トンボに試食をしてもらっていて...」

「す、す、す、すぐ俺のも作ってくれ~」

キーロンは、大声を出して訴えるのであった。

「わかりました。後ろにいる皆様の分も作りますのでお待ち下さい」

忙しい夜になりそうだなと思う真人であった。
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