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第3章 キーロンの屋敷
第9話 ハムとキャベツの温玉シーザーサラダ!
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あれから、ステーキを10枚以上焼くこととなった。真人とトンボに用意された部屋は、キーロンとヴァロルと料理長とメイドによって占拠されている。料理長は、未知の有り得ないうまさの料理に衝撃を受けて、先程から真人に質問を何度も投げかけている。
「マサトさん、この味付けはどうすれば作れるのですか?見ていましたが、一つ一つの調理工程が複雑過ぎて目が追い付きません」
ステーキを食べてからというもの、屋台で調理をしているマサトの後ろでずっと観察しているのだ。
「さっき丁寧にやり方を説明しましたよね?後は見て覚えて下さい。それと、私からしたら貴方は料理長の資格...いやそもそも学ぶ心構えがなっていません。メモは取らない、同じ質問を繰り返す。愚の骨頂です」
真人が、若い頃に弟子入りした場所の師匠に言われたことを自分自身が言うことになるとはなと思うのであった。
「申し訳ございません。興奮のあまり大事なことを忘れていました。すぐに紙とペンを持って戻ってきますので、今一度私めにご教授下さいませ」
「わかりました。再度説明しますので、しっかり聞いて下さいね」
土下座をする料理長に仕方ないなと思う真人。それを聞いた料理長は、飛び出していくように部屋を出て行き、紙とペンを取りに行くのであった。
「すまんなマサト。あれでも一応は、この国で指折りの料理人なのだ。マサトからすれば料理人を名乗る事自体おかしな話だと思うが...」
「心構えの問題です。本当に学びたいなら、先程のような感じにはならないでしょう。将来、あの料理長が有名になれば私も嬉しいですよ。それより、そろそろご家族のご夕食の準備をしなくてはいけない時間ではないでしょうか?」
「おっと、もうそんな時間か?お前達いつまで堪能しているんだ。今すぐ仕事に戻りなさい」
メイド達は、「幸せです~」「もう死んでも悔いはありません」などと言いながらも舌鼓を打っていた。だが、キーロンの言葉を聞いてハッとなり仕事へと戻るのであった。
それから、料理長が戻ってきて再度ステーキの作り方を説明をする真人。料理長も次からは昔の下積み時代に戻ったような感じで、真剣かつ冷静に真人の説明を聞き、一挙手一投足を逃すまいと目で追うのであった。
そして、夕食の時間を迎えてダイニングへと呼ばれる。長いテーブルに高級そうなクロスとカーテンにシャンデリアがあり、見るからに貴族の屋敷だと改めて痛感させられる真人とトンボ。
「今日は、私を救ってくれた友人であるマサトとトンボを招かせてもらった。そして、マサトはなんと異国の料理人だ。料理長も舌を巻く程のうまい料理を作ってくれるから期待するように」
奥様であろう女性は「あら?そうなのね」と言っているが、子供達は一切興味がないようだ。
「お初にお目にかかります。料理人をしております。マサトと申します。早速、料理をお作り致しますのでお待ち下さい」
キャベツ100gを千切りにして、ロースハム4枚を半分に切り、さらに1㎝幅に切っていく。ボウルにハムとキャベツと粗挽き黒こしょう小さじ1/3を入れて、さっくりと混ぜ合わせます。 それから器に盛り付け、事前に準備をした温泉卵乗せて、シーザーサラダドレッシングをかける。
「お待たせ致しました。ハムとキャベツの温玉シーザーサラダです。上に乗っている温玉...卵を潰してから食べて下さい」
先程、ステーキを食べたメイド達が、率先して作りたての料理を配膳してくれた。何故か、真人の方を見て任せて下さいという視線を向けてくる。
「お父様...私もレオンも野菜は嫌いです。もう食べたくありません」
「そう言わずに...きっとうまいぞ」
やはり今までの嫌な食事の記憶が残っているのだろう。なかなか手を付けようとしない。
「嫌なら食べる必要はありません。でも、今までの味なしサラダではないですよ。あんな素材本来の味だけとか私も嫌ですもん」
やはり躊躇する子供達。しかしキーロンと奥様は、言われた通りの食べ方を始める。すると二人共、あまりのうまさに目を丸くして驚く。
「おいしいですわ。少し酸味がある味付けのサラダにとろ~りした卵が優しく包み込むように受け止めてまろやかにしていますわ。こんな野菜料理があるなら、いつもの無味な野菜はもう食べられませんわ」
「確かに、そうだな。私は、卵なしの味付けも好きだぞ。乳の味と少し酸味の効いたのがうまく調和して野菜に合う。それに、この干し肉に近い物も野菜と食べるとうまい!」
その様子を横で見ていた子供達は、親の反応が思っていたのと違っており、サラダに興味が湧いてくる。少女とレオンという少年は、お互いに目を合わせて頷き。意を決したように目を瞑って口にサラダを運ぶ。
「「お、お、おいしい~」」
二人は、同時においしいと言って、笑顔でバクバクと食べる。
「マサトさんごめんなさい。私食べたくないとか酷いこと言いました。この野菜は、今まで食べたどんな料理よりおいしいです」
「僕も、お姉様と同じでごめんなさい。しっかりした味があって、トロッとした卵の濃厚な味と絡まって凄いおいしかったです」
二人は、真人に謝る。真人は全然怒っておらず、やっと食事を楽しめるようになってよかったなと思うのであった。
「ここから、色々出していくから食事を楽しんで下さい。あ!二人共、辛い料理はないから安心して下さいね」
それを聞いた少女とレオンは、笑いながら「はい」と答えるのであった。
「マサトさん、この味付けはどうすれば作れるのですか?見ていましたが、一つ一つの調理工程が複雑過ぎて目が追い付きません」
ステーキを食べてからというもの、屋台で調理をしているマサトの後ろでずっと観察しているのだ。
「さっき丁寧にやり方を説明しましたよね?後は見て覚えて下さい。それと、私からしたら貴方は料理長の資格...いやそもそも学ぶ心構えがなっていません。メモは取らない、同じ質問を繰り返す。愚の骨頂です」
真人が、若い頃に弟子入りした場所の師匠に言われたことを自分自身が言うことになるとはなと思うのであった。
「申し訳ございません。興奮のあまり大事なことを忘れていました。すぐに紙とペンを持って戻ってきますので、今一度私めにご教授下さいませ」
「わかりました。再度説明しますので、しっかり聞いて下さいね」
土下座をする料理長に仕方ないなと思う真人。それを聞いた料理長は、飛び出していくように部屋を出て行き、紙とペンを取りに行くのであった。
「すまんなマサト。あれでも一応は、この国で指折りの料理人なのだ。マサトからすれば料理人を名乗る事自体おかしな話だと思うが...」
「心構えの問題です。本当に学びたいなら、先程のような感じにはならないでしょう。将来、あの料理長が有名になれば私も嬉しいですよ。それより、そろそろご家族のご夕食の準備をしなくてはいけない時間ではないでしょうか?」
「おっと、もうそんな時間か?お前達いつまで堪能しているんだ。今すぐ仕事に戻りなさい」
メイド達は、「幸せです~」「もう死んでも悔いはありません」などと言いながらも舌鼓を打っていた。だが、キーロンの言葉を聞いてハッとなり仕事へと戻るのであった。
それから、料理長が戻ってきて再度ステーキの作り方を説明をする真人。料理長も次からは昔の下積み時代に戻ったような感じで、真剣かつ冷静に真人の説明を聞き、一挙手一投足を逃すまいと目で追うのであった。
そして、夕食の時間を迎えてダイニングへと呼ばれる。長いテーブルに高級そうなクロスとカーテンにシャンデリアがあり、見るからに貴族の屋敷だと改めて痛感させられる真人とトンボ。
「今日は、私を救ってくれた友人であるマサトとトンボを招かせてもらった。そして、マサトはなんと異国の料理人だ。料理長も舌を巻く程のうまい料理を作ってくれるから期待するように」
奥様であろう女性は「あら?そうなのね」と言っているが、子供達は一切興味がないようだ。
「お初にお目にかかります。料理人をしております。マサトと申します。早速、料理をお作り致しますのでお待ち下さい」
キャベツ100gを千切りにして、ロースハム4枚を半分に切り、さらに1㎝幅に切っていく。ボウルにハムとキャベツと粗挽き黒こしょう小さじ1/3を入れて、さっくりと混ぜ合わせます。 それから器に盛り付け、事前に準備をした温泉卵乗せて、シーザーサラダドレッシングをかける。
「お待たせ致しました。ハムとキャベツの温玉シーザーサラダです。上に乗っている温玉...卵を潰してから食べて下さい」
先程、ステーキを食べたメイド達が、率先して作りたての料理を配膳してくれた。何故か、真人の方を見て任せて下さいという視線を向けてくる。
「お父様...私もレオンも野菜は嫌いです。もう食べたくありません」
「そう言わずに...きっとうまいぞ」
やはり今までの嫌な食事の記憶が残っているのだろう。なかなか手を付けようとしない。
「嫌なら食べる必要はありません。でも、今までの味なしサラダではないですよ。あんな素材本来の味だけとか私も嫌ですもん」
やはり躊躇する子供達。しかしキーロンと奥様は、言われた通りの食べ方を始める。すると二人共、あまりのうまさに目を丸くして驚く。
「おいしいですわ。少し酸味がある味付けのサラダにとろ~りした卵が優しく包み込むように受け止めてまろやかにしていますわ。こんな野菜料理があるなら、いつもの無味な野菜はもう食べられませんわ」
「確かに、そうだな。私は、卵なしの味付けも好きだぞ。乳の味と少し酸味の効いたのがうまく調和して野菜に合う。それに、この干し肉に近い物も野菜と食べるとうまい!」
その様子を横で見ていた子供達は、親の反応が思っていたのと違っており、サラダに興味が湧いてくる。少女とレオンという少年は、お互いに目を合わせて頷き。意を決したように目を瞑って口にサラダを運ぶ。
「「お、お、おいしい~」」
二人は、同時においしいと言って、笑顔でバクバクと食べる。
「マサトさんごめんなさい。私食べたくないとか酷いこと言いました。この野菜は、今まで食べたどんな料理よりおいしいです」
「僕も、お姉様と同じでごめんなさい。しっかりした味があって、トロッとした卵の濃厚な味と絡まって凄いおいしかったです」
二人は、真人に謝る。真人は全然怒っておらず、やっと食事を楽しめるようになってよかったなと思うのであった。
「ここから、色々出していくから食事を楽しんで下さい。あ!二人共、辛い料理はないから安心して下さいね」
それを聞いた少女とレオンは、笑いながら「はい」と答えるのであった。
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