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10話
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「叶くん、この子のことだっこしてみる?」
延々と泣き続ける子ども。
叶は子供が嫌いだ。だが、他にもない本家の頼みだ。最初は嫌々その子どもを受け取った。
親でもこのザマなのだから自分なんて何の役にも立たないだろう。そう思いながら。
そうするとどうだろう、今まで泣き喚いていた子どもが急に泣き止んだのだ。それに自分に笑いかけてくれた。
「か、叶くん?!どうしたの?!」
気がついたら涙を流していた。
出来の悪いαと散々親からも教師からも言われていた叶が、初めて肯定された瞬間だった。
西野叶の人生は、その瞬間から東雲八雲の為だけにあった。
ただ、側にいれれば、あわよくば運命だと錯覚してくれれば。
叶にしか懐かない八雲の性質は、叶の優越感と庇護欲を掻き立て、叶は八雲が居なければ生きていけないと思い詰めるまでになっていた。
八雲の側にいたい。
それが変わったのは丁度八雲が中学生くらいの頃。
「お前まだ童貞なの?」
一時の気の迷いだった。
旧友に煽られ紹介されたのは好みでもないよくわからないβ。八雲に似ているところと言ったら背丈くらいで、全く興味をそそられなかった。
だが性欲というのは恐ろしいもので、セックス出来る機会があるなら好きでも無くてもしてしまう。
多分、相手には好意を抱かれていたと思う。だけど、自分は八雲以上に大切な人なんていなくて、割り切っているから大丈夫だと言い訳をして関係を続けていた。
そんな日々を一年ほど続けてきた時、八雲にそれがバレた。
「叶兄ちゃん……、その人、だれ……?」
それに気づいた叶が放った言葉は今でも忘れない。
「セフレ」
なんてことを言ってしまったんだろうと後悔しても、もう遅い。八雲は泣いて部屋を飛び出して、部屋には俺と名前すらよく覚えてすらいない男だけが残った。
「追いかけなくていいの?」
「……そんな資格ねえよ」
あれから数年間、叶は八雲に避けられ続けていた。
仕方ないと考えていた。八雲を傷つけてしまったのだ。会う資格なんてもう無い。
だけど、転校の話を聞いた時は居ても立っても居られなかった。だから自分の勤務している学校を紹介したし、なんとか同棲まで漕ぎ着けた。
側にいたい。守ってやりたい。
そう思うこと自体は悪いことではないはずだ。
今回だって、たとえこれが愛でも恋でもなかったとしても。
自分は正解を選べただろうか?
身体の変化からかまた寝込み始めた八雲の頸を見る。
噛み跡は確かにそこにあった。
延々と泣き続ける子ども。
叶は子供が嫌いだ。だが、他にもない本家の頼みだ。最初は嫌々その子どもを受け取った。
親でもこのザマなのだから自分なんて何の役にも立たないだろう。そう思いながら。
そうするとどうだろう、今まで泣き喚いていた子どもが急に泣き止んだのだ。それに自分に笑いかけてくれた。
「か、叶くん?!どうしたの?!」
気がついたら涙を流していた。
出来の悪いαと散々親からも教師からも言われていた叶が、初めて肯定された瞬間だった。
西野叶の人生は、その瞬間から東雲八雲の為だけにあった。
ただ、側にいれれば、あわよくば運命だと錯覚してくれれば。
叶にしか懐かない八雲の性質は、叶の優越感と庇護欲を掻き立て、叶は八雲が居なければ生きていけないと思い詰めるまでになっていた。
八雲の側にいたい。
それが変わったのは丁度八雲が中学生くらいの頃。
「お前まだ童貞なの?」
一時の気の迷いだった。
旧友に煽られ紹介されたのは好みでもないよくわからないβ。八雲に似ているところと言ったら背丈くらいで、全く興味をそそられなかった。
だが性欲というのは恐ろしいもので、セックス出来る機会があるなら好きでも無くてもしてしまう。
多分、相手には好意を抱かれていたと思う。だけど、自分は八雲以上に大切な人なんていなくて、割り切っているから大丈夫だと言い訳をして関係を続けていた。
そんな日々を一年ほど続けてきた時、八雲にそれがバレた。
「叶兄ちゃん……、その人、だれ……?」
それに気づいた叶が放った言葉は今でも忘れない。
「セフレ」
なんてことを言ってしまったんだろうと後悔しても、もう遅い。八雲は泣いて部屋を飛び出して、部屋には俺と名前すらよく覚えてすらいない男だけが残った。
「追いかけなくていいの?」
「……そんな資格ねえよ」
あれから数年間、叶は八雲に避けられ続けていた。
仕方ないと考えていた。八雲を傷つけてしまったのだ。会う資格なんてもう無い。
だけど、転校の話を聞いた時は居ても立っても居られなかった。だから自分の勤務している学校を紹介したし、なんとか同棲まで漕ぎ着けた。
側にいたい。守ってやりたい。
そう思うこと自体は悪いことではないはずだ。
今回だって、たとえこれが愛でも恋でもなかったとしても。
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