9 / 34
9話
しおりを挟む
あの後、ルナちゃんは泣き疲れて眠ってしまった。
詳しいことは僕には分からないけど、ルナちゃんは独りだった。
独りは辛い。僕が一番理解している。だから僕もルナちゃんの力になりたいと思った。
僕がフェリスにしてもらったように。
「今日も遅いし、風呂入って寝るか・・・・・・」
翌日。
朝ごはんを作るため起きるとルナちゃんが既に座っていた。
「おはよう。早いねルナちゃん」
「・・・・・・ルナでいい」
「え?」
「・・・・・・呼び方、ルナちゃんだと他人行儀な感じがする」
「ああ、分かったよルナ。これでいいかな?」
「・・・・・・合格」
「合格出来てよかったよ。朝ごはん何食べたい?」
「・・・・・・目玉焼き。後私も手伝う」
二人でキッチンに立ち朝ごはんの支度をする。ルナが目玉焼きを作っている時にフェリスも起きてきた。
「ああー~!! 二人でイチャイチャしてる!!」
「いや違うけど!?」
朝から元気な事だ。フェリスは盛大に勘違いをしているようだ。
「・・・・・・フェリス様、これは早起きしたものの特権です」
ルナがフェリスの勘違いをするような事を言ったものだから、フェリスもヒートアップしてしまう。
「ずるいずるい!! 明日は私が早起きして琉太さんとイチャイチャします!!」
「だから、朝ごはん作ってるだけだよ!?」
二人の耳には聞こえていないのか?
「・・・・・・残念。明日も私の方が早く起きます」
「ムキーー!!」
そんなやり取りをしているうちに朝ごはんの準備が出来た。
「ご飯早く食べてね、学校があるんだから」
「分かりました!」
そのやり取りを聞いていたルナが疑問に思ったのか僕に聞いてくる。
「・・・・・・二人はいつ帰ってくるの?」
「三時くらいかな」
「・・・・・・私も学校に行く」
僕達が帰ってくるのが遅いのを聞いたルナは自分も学校に行くと言い出した。
それを読んでいたのかフェリスはニコッと笑い言う。
「あなたの学校はもう手配されてるわよ?」
「・・・・・・フェリス様! 本当ですか!?」
学校が手配されていることが余程嬉しいのか珍しく小躍りしているルナをフェリスは突き落とすかの様にもう一度笑い言い放つ。
「うん、本当よ! 小学校だけどね」
「・・・・・・小学校? 琉太と一緒?」
「いいえ、違います」
「・・・・・・なっ、!!」
僕と一緒じゃないことを知ったルナはゴネた。盛大にゴネた。
けど、フェリスの圧力で最終的に納得した。
ルナの学校の話は学校が終わった後に聞くことになった。時間が無いからね。
制服に着替えて急いで家を出る。
学校に何とか間に合った僕らは教室に入る。
席に着くと佐藤くんが話しかけてくれる。
「よっす! 今日遅刻ギリギリだったじゃん。どうしたの?」
その質問にはとても答えずらかった。ルナのことを説明する訳にもいかないので、フェリスが起きてこなかったということにした。
「てかフェリスさんと同棲してるんだね」
「ああ、居候してるんだよ」
「いいなぁ、あんな可愛い人と一緒に暮らせるなんて」
「そうか?」
二人で雑談をしているとチャイムが鳴り響く。
「はい! 出席とるよーー!!」
鳴海ちゃんが元気よく教室に入ってきた。今日も元気ですね、鳴海ちゃん。
今日の学校は特に何事もなく無事終了した。
「琉太さん! 一緒に帰りましょ!」
帰りもフェリスと家に帰る。ルナ寂しがってるだろうな、早く帰んなきゃ。
詳しいことは僕には分からないけど、ルナちゃんは独りだった。
独りは辛い。僕が一番理解している。だから僕もルナちゃんの力になりたいと思った。
僕がフェリスにしてもらったように。
「今日も遅いし、風呂入って寝るか・・・・・・」
翌日。
朝ごはんを作るため起きるとルナちゃんが既に座っていた。
「おはよう。早いねルナちゃん」
「・・・・・・ルナでいい」
「え?」
「・・・・・・呼び方、ルナちゃんだと他人行儀な感じがする」
「ああ、分かったよルナ。これでいいかな?」
「・・・・・・合格」
「合格出来てよかったよ。朝ごはん何食べたい?」
「・・・・・・目玉焼き。後私も手伝う」
二人でキッチンに立ち朝ごはんの支度をする。ルナが目玉焼きを作っている時にフェリスも起きてきた。
「ああー~!! 二人でイチャイチャしてる!!」
「いや違うけど!?」
朝から元気な事だ。フェリスは盛大に勘違いをしているようだ。
「・・・・・・フェリス様、これは早起きしたものの特権です」
ルナがフェリスの勘違いをするような事を言ったものだから、フェリスもヒートアップしてしまう。
「ずるいずるい!! 明日は私が早起きして琉太さんとイチャイチャします!!」
「だから、朝ごはん作ってるだけだよ!?」
二人の耳には聞こえていないのか?
「・・・・・・残念。明日も私の方が早く起きます」
「ムキーー!!」
そんなやり取りをしているうちに朝ごはんの準備が出来た。
「ご飯早く食べてね、学校があるんだから」
「分かりました!」
そのやり取りを聞いていたルナが疑問に思ったのか僕に聞いてくる。
「・・・・・・二人はいつ帰ってくるの?」
「三時くらいかな」
「・・・・・・私も学校に行く」
僕達が帰ってくるのが遅いのを聞いたルナは自分も学校に行くと言い出した。
それを読んでいたのかフェリスはニコッと笑い言う。
「あなたの学校はもう手配されてるわよ?」
「・・・・・・フェリス様! 本当ですか!?」
学校が手配されていることが余程嬉しいのか珍しく小躍りしているルナをフェリスは突き落とすかの様にもう一度笑い言い放つ。
「うん、本当よ! 小学校だけどね」
「・・・・・・小学校? 琉太と一緒?」
「いいえ、違います」
「・・・・・・なっ、!!」
僕と一緒じゃないことを知ったルナはゴネた。盛大にゴネた。
けど、フェリスの圧力で最終的に納得した。
ルナの学校の話は学校が終わった後に聞くことになった。時間が無いからね。
制服に着替えて急いで家を出る。
学校に何とか間に合った僕らは教室に入る。
席に着くと佐藤くんが話しかけてくれる。
「よっす! 今日遅刻ギリギリだったじゃん。どうしたの?」
その質問にはとても答えずらかった。ルナのことを説明する訳にもいかないので、フェリスが起きてこなかったということにした。
「てかフェリスさんと同棲してるんだね」
「ああ、居候してるんだよ」
「いいなぁ、あんな可愛い人と一緒に暮らせるなんて」
「そうか?」
二人で雑談をしているとチャイムが鳴り響く。
「はい! 出席とるよーー!!」
鳴海ちゃんが元気よく教室に入ってきた。今日も元気ですね、鳴海ちゃん。
今日の学校は特に何事もなく無事終了した。
「琉太さん! 一緒に帰りましょ!」
帰りもフェリスと家に帰る。ルナ寂しがってるだろうな、早く帰んなきゃ。
10
あなたにおすすめの小説
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる