異世界から来た美少女達はやたらと僕に懐いてる

水戸なっとぅー

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8話

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「ルナちゃんは何食べたい?」

ルナちゃんとフェリスと僕で街のスーパーマーケットに来ている。

ルナちゃんはまだ緊張してるのかあまり話してくれない。エルミナさんは予定があるとか言って帰ってしまった。

「・・・・・・何でもいい」

「じゃあさ、カレーライスなんかどうかな?」

「・・・・・・じやあ、それで」

今日の夜ご飯はカレーライスに決まった。

カレーに必要な食材を買っていく。じゃがいも、人参、 玉ねぎ・・・・・・。

カレールーは甘口がいいかな。ルナちゃんはまだ小さいし。

「私、カレーライスなんて初めて食べます! 楽しみです」

フェリスの機嫌も治ったようでなによりだ。

それと、ルナちゃんの為にチョコレートやクッキーなどお菓子も買っていく。

「じゃあ、家に帰るか」

会計を済ませて帰路に着く。

家に帰り、早速調理に取り掛かる。フェリスも手伝ってくれて楽に調理することができた。

「「「いただきます!」」」

作ったカレーは上手く作れたようでフェリスもルナも無言でカレーをかきこんでいる。

「どう、美味しいかな?」

「美味しいですよ! 琉太さんはいいお嫁さんになれそうですね!」

「なんだよそれ・・・・・・」

フェリスに少し呆れているとルナちゃんが口を開いた。

「・・・・・・本当に美味しい。ありがとう」

「美味しかったなら良かったよ」

その後ルナちゃんとフェリスは二回おかわりして二人一緒に風呂に行った。

「はあ、今日は色々あったな。佐藤くんと友達になったり、田中聖人に絡まれたり、ルナちゃんとも一緒に住むことになるなんてね」

フェリスとルナちゃんが風呂からあがってくるまでの間、寝てしまった。





────私は魔王の娘だ。お父様は勇者である敏夫さんに殺されてしまった。だが、別に恨んでいる訳では無い。

お父様が悪いことをしていたなら断罪されるのは仕方の無いこと。

私は孤独になってしまった。暫くは竜王であるエルミナさんに匿ってもらい生活をした。

私の存在が世間にバレると大変なことになることは幼いながらも理解していた。

急遽敏夫さんの提案で敏夫さんが元々いた世界、日本に行くことになった。

日本に行けば敏夫さんのお孫さんが面倒を見てくれるかもしれないと思ったそうだ。

どっちにしろこの世界に私の居場所はない。もしかしたら異世界なら私の居場所が見つかるかもしれない。

そんな期待を胸に私は日本に来た。姿を変える魔法で角や尻尾を隠して、敏夫さんのお孫さん琉太さんの家に向かった。

琉太さんは私が一緒に住むことを了承してくれた。優しい人だなと思った。

私の為に料理を作ってくれた。カレーライスと言うらしい。

とても美味しくて二回もおかわりしてしまった。

その後はフェリスさんと一緒にお風呂に入った。風呂なんて贅沢なもの久しぶりで嬉しい。 

お風呂から上がったら琉太さんは寝てしまっていた。

「私は魔族なのに、不思議な人・・・・・・」

「それが琉太さんですからね!」

フェリスさんが嬉しそうに胸を張る。

「じゃあ、私は寝てきますね」

フェリスさんは自室に戻ってしまった。本当に不思議な人だな琉太さんは・・・・・・。





─────ハッ!!

いかんいかん、いつの間にか寝てしまっていた。

辺りを見渡すとルナちゃんが僕のことをジーっと見ていた。

「ど、どうしたんだい? 寝れないの?」

「・・・・・・琉太さんは変。普通人間なら魔族を嫌う。私は魔王の娘、怖くないの?」

ルナちゃんは僕の目をまっすぐと見つめる。そうだなぁ、

「怖くないよ。僕には魔族だとか魔王だとかは全く分からない。けど、なんだかルナちゃんをほっとけなくってね。僕と似てるんだよ」

「・・・・・・似てる?」

「僕はおじいちゃんが死んでから家に居場所がなくってね。追い出されたんだ、頼る人もいなかったしね。僕は孤独だったんだ、ルナちゃんと一緒だよ」

ルナちゃんは信じられない、と言った顔をしている。優しい子だ、僕のために悲しんでくれてるなんてね。

「けどね、フェリスが来て僕はもう独りじゃないんだ! って思ってね。ルナちゃんも、もう独りじゃないよ。僕の命が尽きるその日まで僕がルナちゃんと一緒にいる」

ルナちゃんは目を見開き硬直した。すると、ボロボロと涙を流し始めた。

「うう、もう私は独りじゃないの? 琉太さんが一緒なの?」

そんなルナちゃんの頭を優しく撫でる。

「ずっといっしょだよ。ルナちゃん」

ルナちゃんはうわ~ん! と泣き続けた。

フェリスにしてもらったようにルナちゃんの頭を撫で続けた。

これでいいんだよね、おじいちゃん。
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