2 / 3
本編
雨の降る喫茶店
しおりを挟む
まいの章
村上レイは親友だ。
いや、親友だったーーという方が正しいのだろうか。
ふう、とため息をつく。
静かに雨の降る土曜日の午後。
広瀬まいはおしゃれな喫茶店で、長ったらしい名前の甘ったるいコーヒーを飲んでいた。
「なーにぃ、まいったらー。ため息なんかついちゃってぇ。もしや、恋煩いかーっ?」
まいの友達ーー佐藤みゆきは、まいの小さなため息も見逃さない。
くつくつと笑い、冗談めかしてまいに問う。
いつも通りの、ありふれたごく普通の会話。
「ち、違うよーーそんなんじゃないって」
「じゃ、なにさぁ」
「レイーー村上レイの事、ちょっと考えてた」
刹那、みゆきの顔から笑顔が消える。
数秒、沈黙。
窓ガラスに、つうと雨が伝う。
「……あいつの事なんか、早く忘れちゃいなよ」
さっきまでとは違う、重苦しい声のトーン。
表情で。声で。目で。
明らかな嫌悪を感じる。
怖い。怖い。怖い。
「そ、そう……だね」
必死に口角を上げる。
明るい声を作る。
まいにはそれを言うのが精一杯だった。
そう、レイは。
村上ーーレイは。
私たちが、殺した。
村上レイは親友だ。
いや、親友だったーーという方が正しいのだろうか。
ふう、とため息をつく。
静かに雨の降る土曜日の午後。
広瀬まいはおしゃれな喫茶店で、長ったらしい名前の甘ったるいコーヒーを飲んでいた。
「なーにぃ、まいったらー。ため息なんかついちゃってぇ。もしや、恋煩いかーっ?」
まいの友達ーー佐藤みゆきは、まいの小さなため息も見逃さない。
くつくつと笑い、冗談めかしてまいに問う。
いつも通りの、ありふれたごく普通の会話。
「ち、違うよーーそんなんじゃないって」
「じゃ、なにさぁ」
「レイーー村上レイの事、ちょっと考えてた」
刹那、みゆきの顔から笑顔が消える。
数秒、沈黙。
窓ガラスに、つうと雨が伝う。
「……あいつの事なんか、早く忘れちゃいなよ」
さっきまでとは違う、重苦しい声のトーン。
表情で。声で。目で。
明らかな嫌悪を感じる。
怖い。怖い。怖い。
「そ、そう……だね」
必死に口角を上げる。
明るい声を作る。
まいにはそれを言うのが精一杯だった。
そう、レイは。
村上ーーレイは。
私たちが、殺した。
0
あなたにおすすめの小説
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
6年前の私へ~その6年は無駄になる~
夏見颯一
恋愛
モルディス侯爵家に嫁いだウィニアは帰ってこない夫・フォレートを待っていた。6年も経ってからようやく帰ってきたフォレートは、妻と子供を連れていた。
テンプレものです。テンプレから脱却はしておりません。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる