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第五十五話……奇麗な光。
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――あれから3年が経った。
ゲルマー王国は平穏を取り戻し、スラー帝国とも資源帯での中間線もひけた。
艦艇総出の観艦式も行い、新女王ブリュンヒルデの人気はうなぎ登りだ。
準惑星ディーハウスからドワーフたちは旅立ち、新たな定住先を見つけようとしていた。
今のディーハウスは隠蔽状態を解き、片田舎のちいさな造船所として操業している。
まさしく、戦のない平和な時代が訪れようとしていた……。
「このハンバーグ美味しいよね!」
「そりゃ天然ものの牛を使ってますから!」
合成蛋白質でない昼食を楽しむ晴信。
ディーは今日も機械オイルのラーメン。
副官のエリーはオムライスを食べていた。
『緊急警報! 侵入者です!』
けたたましい警報音が鳴り響く。
「……ん!?」
警報に晴信たちは慌てることもない。
何故なら、この警報機は故障が多く、なにもなくてもよく鳴ったからだ。
……だが、今回は違った。
――ドン!
大きな音と共に、食堂のドアが蹴破られる。
「手をあげろ!」
髭もじゃで、まさしく宇宙海賊ですよ、と風貌が語っているような男たちが十数名雪崩れ込んできた。
――パンパンパン
乾いた電磁ハンドガンの音とともに血が飛び散り、晴信が椅子から吹っ飛ぶ。
「何をするんです? 何が目的です?」
エリーが狼藉者に問い、ディーが素早く晴信に駆け寄る。
狼藉者の親分は、髭をさすりながらに応えた。
「なにをしたかって? こちとら戦争がないと食っていけねぇ傭兵なんでぃ。資本もないから商いも出来ねぇ。身寄りもないから労働者も出来ねぇ。戦争がねぇと食っていけねえんだ……。今も家でガキが腹を空かせてビィビィ泣いてやがる! 戦争を無くした飯富晴信が憎いんだ! 死ね!」
――パンパンパン
再び乾いた銃声が響き、エリーが血まみれとなる。
……たしかに。
この平和は沢山の傭兵たちの血によって築き上げられていた。
それと同時に、10万人以上の傭兵たちが、平和によって職を失っていたのだ。
「……だからと言って、僕の友達を撃つことはないんじゃないか!? 晴信は僕の大切な友達なんだ!」
唸るような声を出すディー。
「うるせぇ、このポンコツロボット!」
――パン……、ゴン、キン。
銃弾がディーのボディーにもめり込む。
ディーが晴信の方を見ると、晴信の頭蓋骨は割れ、中身が流れ出ていた。
食堂の床は血で真っ赤に染まっている。
「貴様ら……、僕ノはるノぶヲ……」
ディーはあちらこちらをショートさせながらに言葉を続ける。
「うっせえ! 俺たちの職をかえしやがれ!」
……。
…………。
ヨロシイノデスカ!?
……YES。。。
本当ニヨロシイノデスカ?
……YES・YES・YES!
「なにをブツブツいってやがんでぇ、このクソロボット!」
髭達磨がディーを蹴り上げた瞬間。
――カッ。
と閃光が響き。
準惑星ディーハウスは大爆発を起こし、超文明の製造技術とともに、この世界から消えた。
「お母さん、あのお星さま奇麗ね!」
「そうね!」
その爆発はとても大きく、惑星コローナからも、首都星アレクサンドラからも美しい光となって、人々に観測されたのだった。
――END――
ゲルマー王国は平穏を取り戻し、スラー帝国とも資源帯での中間線もひけた。
艦艇総出の観艦式も行い、新女王ブリュンヒルデの人気はうなぎ登りだ。
準惑星ディーハウスからドワーフたちは旅立ち、新たな定住先を見つけようとしていた。
今のディーハウスは隠蔽状態を解き、片田舎のちいさな造船所として操業している。
まさしく、戦のない平和な時代が訪れようとしていた……。
「このハンバーグ美味しいよね!」
「そりゃ天然ものの牛を使ってますから!」
合成蛋白質でない昼食を楽しむ晴信。
ディーは今日も機械オイルのラーメン。
副官のエリーはオムライスを食べていた。
『緊急警報! 侵入者です!』
けたたましい警報音が鳴り響く。
「……ん!?」
警報に晴信たちは慌てることもない。
何故なら、この警報機は故障が多く、なにもなくてもよく鳴ったからだ。
……だが、今回は違った。
――ドン!
大きな音と共に、食堂のドアが蹴破られる。
「手をあげろ!」
髭もじゃで、まさしく宇宙海賊ですよ、と風貌が語っているような男たちが十数名雪崩れ込んできた。
――パンパンパン
乾いた電磁ハンドガンの音とともに血が飛び散り、晴信が椅子から吹っ飛ぶ。
「何をするんです? 何が目的です?」
エリーが狼藉者に問い、ディーが素早く晴信に駆け寄る。
狼藉者の親分は、髭をさすりながらに応えた。
「なにをしたかって? こちとら戦争がないと食っていけねぇ傭兵なんでぃ。資本もないから商いも出来ねぇ。身寄りもないから労働者も出来ねぇ。戦争がねぇと食っていけねえんだ……。今も家でガキが腹を空かせてビィビィ泣いてやがる! 戦争を無くした飯富晴信が憎いんだ! 死ね!」
――パンパンパン
再び乾いた銃声が響き、エリーが血まみれとなる。
……たしかに。
この平和は沢山の傭兵たちの血によって築き上げられていた。
それと同時に、10万人以上の傭兵たちが、平和によって職を失っていたのだ。
「……だからと言って、僕の友達を撃つことはないんじゃないか!? 晴信は僕の大切な友達なんだ!」
唸るような声を出すディー。
「うるせぇ、このポンコツロボット!」
――パン……、ゴン、キン。
銃弾がディーのボディーにもめり込む。
ディーが晴信の方を見ると、晴信の頭蓋骨は割れ、中身が流れ出ていた。
食堂の床は血で真っ赤に染まっている。
「貴様ら……、僕ノはるノぶヲ……」
ディーはあちらこちらをショートさせながらに言葉を続ける。
「うっせえ! 俺たちの職をかえしやがれ!」
……。
…………。
ヨロシイノデスカ!?
……YES。。。
本当ニヨロシイノデスカ?
……YES・YES・YES!
「なにをブツブツいってやがんでぇ、このクソロボット!」
髭達磨がディーを蹴り上げた瞬間。
――カッ。
と閃光が響き。
準惑星ディーハウスは大爆発を起こし、超文明の製造技術とともに、この世界から消えた。
「お母さん、あのお星さま奇麗ね!」
「そうね!」
その爆発はとても大きく、惑星コローナからも、首都星アレクサンドラからも美しい光となって、人々に観測されたのだった。
――END――
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