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エピソード0 律
しおりを挟む――某国の中枢に存在する「悪魔の収容所」。
一度捕まれば、生きて出られることはない。
世界が恐れるその場所に、五つの影が忍び込んでいた。
日本の秘密結社――律。
彼らは無実の人々を救うため、たった五人でこの牢獄に挑む。
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颯(はやて)
先頭に立つのは颯。
チャラついた髪に人懐こい笑みを浮かべた好青年。
だが手にするのは、どんな銃弾も弾き返す合口の刀だ。
「みんな、大丈夫。俺が前に立つ!」
兵士たちが銃を構えた瞬間、颯は駆け出した。
刀の刃ではなく“背”で敵を弾き飛ばし、血を流さずに道を切り拓く。
その優しさと勇気が、仲間たちを奮い立たせる。
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獅子狼(ししろう)
高台から照準を合わせる男がいた。
漆黒男、クールな性格、美貌を持つスナイパー・獅子狼。
「俺は一人で充分だ」
冷徹な声と共に、次々と銃弾が放たれる。
寸分違わず敵の急所を撃ち抜き、颯の背を守る。
孤高を気取るその瞳には、仲間を庇う意志が確かに宿っていた。
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太丸(あつま)
突如、背後から現れた増援兵に囲まれた。
その前に立ちはだかったのは、腹の出た男――太丸。
「お菓子食べる暇もねぇな……」
大鎌を振り下ろし、鋼鉄の扉ごと敵をなぎ倒す。
見た目はだらしなくても、殺しの腕は本物。
笑顔と残酷さ、その二面性が彼の魅力だった。
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EPEP(イーピーイーピー)
その頃、制御室では痩せ細った影がPCに向かっていた。
体中にタトゥー、指には数え切れない指輪。
目の下に深いクマを刻んだ男――EPEP。
「人生はバグだらけだ……でも直せないバグはねぇ」
片手でノートPCを操作しながら、もう片手でラジコン「イピ1号」を操る。
空を飛ぶ小型機が監視カメラを無力化し、牢の扉を次々と開いていく。
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ナオミ
解放された囚人たちは混乱し、泣き叫ぶ声が飛び交った。
その群衆の中に、白い肌とミルクティー色の髪を揺らす女性が歩み出る。
ナオミ。容姿端麗なメンタリスト。
「大丈夫、私を信じて」
彼女の声は英語、スペイン語、ロシア語、アラビア語……
国境を超えて人々を安心させる。
さらに看守長を見つめ、一言だけ日本語で囁いた。
「あなたは、ここを通す」
その瞬間、看守長は恍惚とした表情で通路を開けた。
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クライマックス
五人は収容所の中心部で合流した。
無数の銃口に囲まれながらも、颯が叫ぶ。
「まだ……諦めるな!」
太丸が鎌を振るい、獅子狼が敵を撃ち抜き、EPEPが爆破を回避し、ナオミが群衆を導く。
仲間を信じ合い、絶望を突破した五人は、炎上する収容所を背に歩き去った。
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「律の名を忘れるな。俺たちは、まだ終わらない」
颯の言葉を残し、五人の影が闇に消える。
――律、ここにあり。
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