転生したら史上最強の猫ちゃんでした~唸れ肉球伝説~

岸谷 畔

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魔王アムダール復活編

第21話

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「お前達!!下がれ!!」

ブライゼは咄嗟にチェスとノストラを後方に突き飛ばした。そしてその直後、ブライゼは大蛇の中に飲み込まれた。

「えっ!!嘘!?ブライゼ!!」

「そんな!!….そうか、アレだ!!あの大蛇の体内とこの外の空間を繋いでブライゼを空間移動させれば…!!」

ノストラは空間移動のゲートを作ろうとしたが、バチィという音と共に弾かれ、ゲートを作成する事が出来なかった。

「嘘!?まさかこの大蛇…!!」

ノストラは眼前にホログラムを出現させ、それを見た。そこには、こう書かれていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
生物名:霧海蛇(ミスト・シーサーペント)
能力:対魔力 EX
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やばい…!!こいつは霧海蛇(ミスト・シーサーペント)!!魔法攻撃を無効化する鱗を持った巨大な海蛇です!!こいつの存在自体が魔法を無効化する結界のようなものです!恐らく体内からの魔法攻撃も効きません!!」

「嘘!?じゃあ飲み込まれたブライゼは….!!」

「ええ。あいつがそう簡単にくたばるとは思いませんが、このままだと体内で消化されるでしょう」

「そんな…!!ブライゼ!!ブライゼーっ!!」

「落ち着いてください。遅延(ディレイ)」

ノストラは海蛇に手をかざすと、周囲の時空に少し細工をしたようだ。

「….?ノストラ、何をしたの?」

「今、ブライゼを飲み込んだ海蛇の時間を遅らせました。海蛇には魔法が効きませんが、海蛇の周囲の空間なら魔法は効力を発揮します。少しでもブライゼが体内から出てこれる時間を稼げれば…」

「うん…シエルの光の能力でレーザービームとか出せないかな?それをあの海蛇に撃ち込むとか」

「(うーん、出せるっちゃ出せるけど、この狭い入江の洞窟でそれを使うのは危険すぎるよ。聖装も威力が強すぎてこの洞窟が崩れかねない)」

「そっかあ….なら仕方ないね…」

「チッ、使えませんね」

「(ううー….そんなに怒らないでよノストラ…)」

ノストラはまたシエルにキツい一言を浴びせた。

「しかしどうしたものでしょうか。我々は魔法メインです。物理が得意なのはブライゼしかいません。外から叩くのではなく、中から叩くのしか方法はーーーあっ」

ノストラ達はドスンッという鈍い音が周囲に響き渡るのを聞いた。どうやらブライゼが大蛇の体内から抵抗しているようだった。

「あの音は…!!ブライゼ!!」

「ですね。まだあいつはくたばってはいなかったようです。ドラゴンの通信能力で体内のブライゼに呼びかけてみましょう。これは魔法ではないので繋がるはずです」

「ブライゼ、聞こえますか?」

ノストラは目の前のホログラムの映像から海蛇の体内にいるブライゼに問いかける。

「(ああ。今私の腕のみ竜へと変えて体内からこいつを殴っているところだが、硬いな。胃には入っていないから消化液は浴びてないが、このままだと外へ出るのは難しいだろう)」

「そんな…なんとかならないの?」

「(やはり外からこいつの身体に大穴を開けるしかないだろうな。しかし、お前達は完全に魔法タイプだ。こいつの魔力耐性はノストラから聞いたのだろう?)」

「ええ。魔法タイプで悪かったですね」

そうこうしている内に、海蛇は入江の洞窟の奥の方へ物凄いスピードで移動してしまった。

「あっ!海蛇が逃げていくよ!!」

「追いかけましょう!!というか、時間の遅延の魔法を使っててあのスピードか…」

ノストラとチェスは海蛇を追いかけて洞窟の最奥部へと駆けて行った。

♢♢♢

「ここが洞窟の最奥部…」

「幻想的な場所ですが、今は観光している場合ではありませんね。あの海蛇を探さなければ」

蜃気楼の海岸線の入江の洞窟の最奥部は、広い鍾乳洞が広がっており、それを囲むようにして水場が広がっている。その水場は海へと繋がっており、今まさに海蛇が海へと移動しようとしていた。

「ちょっ、海へと逃げようとしているよ!」

「く、どうしたものか…!!」

ノストラとチェスは完全に詰んでいた。ブライゼがいない以上、魔法タイプの二人には霧海蛇の魔法耐性の前にはどうすることもできなかったからだ。しかし、そんな中救世主が現れる。

ダンッという力強く脚を地面に叩きつけて跳躍する音と共に、目の前に二足歩行の鰐の獣人のような影が現れた。

その鰐の獣人は短刀を持ち、霧海蛇の身体に刀を突き立てると、力任せに一気に身体を切り裂いた。全長30メートルの身体はあっという間に真っ二つに裂け、霧海蛇は絶命した。

「ふう、一丁上がり」

鰐は額に手を当て、一仕事終えたかのように返り血を拭った。

「助かった….」

鰐の獣人が切り裂いた蛇の身体から、ブライゼが出てくる。その身体は蛇の粘膜が付着していた。

「お?なんだ、人が飲み込まれてたのか?」

その鰐の獣人は呑気にブライゼに問いかける。

「お前は…?」

「ん?俺?俺はバルトロ。この蜃気楼の海岸線の洞窟に住んでる鰐の魔族だよ」

バルトロと名乗ったその鰐の獣人はにかっとブライゼに笑った。

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