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オラクルハイト襲撃編
第28話
しおりを挟むエマ、ピョートル、シャルロットの3人は冥界の女王メルセデスに会いに行くためにレストランを一時閉店にし、汽車に乗って冥界の中心部を目指していた。
「冥界にも汽車や線路が存在していたなんて驚きです」
「この冥界に走っている汽車は全て冥界の中心都市に繋がっているのですよ」
「見えた!ここが冥界都市テオベルトよ!」
シャルロットの声と共に、エマは汽車の車窓から景色を眺めた。そこには、黄金色の花が咲き乱れる丘と、煉瓦の建築物が広がっていた。
「すごく綺麗な場所…建物から溢れる電気の光も幻想的….ここに冥界の女王、メルセデス様がいるんだ…」
「そうですよ。この冥界都市テオベルトは筒状で吹き抜けになっており、地下に空間が続きます。その最下層、冥王の間にメルセデス様はおられるのです」
「最下層に行くまでは何があるんですか?」
「レストラン街とかショッピングモールがあるわね。後はマジックアイテムが売っている魔法雑貨店なんかもあるわ!いっぱいね!」
エマにキラキラした子供のような目で語るシャルロット。そこにピョートルが突っ込みを入れる。
「まさかメルセデス様に会いに行く前にそこに寄るのですか?」
「そうよ!道草は大いに楽しんだ方が良いって決まってるじゃない!」
シャルロットは再び目を輝かせながらピョートルとエマにそう語る。
「ま、まあシャルロット様がいなければエマさんと私めの2人だけではメルセデス様に謁見できず門前払いを食らう可能性が高いですから仕方ない…か」
ピョートルは苦笑いをしながらシャルロットを見る。
「シャルロットさんとメルセデス様はどのような関係なのでしょう…?シャルロットさんはメルセデス様に敬称をつけていませんがどうしてなのですか?」
エマは恐る恐るシャルロットにそう尋ねた。
「古くからの友人よ!メルセデスは良い子だから安心して!私がいなきゃ冥界の門番の亡霊達に門前払いを受けて相手にしてもらえないもの!」
「そうなんですね。それにしても冥界の女王とも繋がりがあるなんてさすが魔術師達の女王とも呼ばれるだけあるなぁ…」
「私は大した事ないわよ。単にそうなるべく生まれてきたってだけ。あなたにはあなたにしかできないことがあるし、それを人との繋がりによって見つけるべきよ」
シャルロットはエマの頭をぽんと撫でながら優しくそう呟いた。それと同時に、汽車も冥界都市テオベルトのターミナルに到着したようだ。
「到着したわね!さ、降りて!いっぱい楽しみましょ!」
「はいっ!」
「一応魔王アムダールが関与している事もお忘れ無く…」
3人は汽車を出て、テオベルトの中心へと向かった。
そこからはシャルロットのショッピングなどにエマとピョートルは付き合い、冥界の時間で早2時間が経過した。
「….ふう、これで一通り店は見ましたね」
「今回はあまり商品を買わなかったなー。まあメルセデスに会いに行く用事があるからこんなものね」
「凄い…冥界って色んな場所があるんですね!」
エマはシャルロットと共に大いにショッピングを楽しんだようだ。
「あ、エマちゃん、これをあげる」
エマはシャルロットから小さな何も入っていないフラスコと、紫色の液体が入った試験管を3つずつ鞄と一緒に受け取った。
「これは?」
「それはね、転送フラスコっていうの。フラスコの中に専用の魔法の液体を入れて、行きたい場所を頭の中で思い浮かべて念じると、その場所に行けるっていう道具よ。フラスコの数と同じく専用の液体が入った試験管も3つ入れておいたから、何かあったら使って」
「ありがとうございます!あの、これってもしかしてこの世界から脱出する為に必要な物なんでしょうか?」
「そうよ!それを使って現世に帰るの。まあもっとも、メルセデスがエマちゃんが現世に帰るのを許可してくれたら…の話だけどね。まあ多分大丈夫でしょ!私が話をつけるから!」
シャルロットはにっこりと笑ってエマにそう告げる。そして3人は巨大なエレベーターがある間へと着いた。
「よし!このエレベーターを使って最下層の冥王の間まで行くわよ!」
「私は久々に来ましたね。冥王の間にはもう半世紀は行っていないものですから、メルセデス様は私の事をもう覚えていないかもしれません」
「そんな事はないかもよ?あの子、先代の冥王バルバトスが退いてから就任してまだ何百年くらいしかこの冥界を治めていないけど、まめな子だから」
「緊張するなぁ…でもシャルロットさんがいれば大丈夫な気がしてきた…!」
「きっと大丈夫よ!さ、行きましょう!」
エマ、ピョートル、シャルロットの3人はエレベーターに乗って冥王の間に向かった。
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