転生したら史上最強の猫ちゃんでした~唸れ肉球伝説~

岸谷 畔

文字の大きさ
28 / 30
オラクルハイト襲撃編

第28話

しおりを挟む


エマ、ピョートル、シャルロットの3人は冥界の女王メルセデスに会いに行くためにレストランを一時閉店にし、汽車に乗って冥界の中心部を目指していた。

「冥界にも汽車や線路が存在していたなんて驚きです」

「この冥界に走っている汽車は全て冥界の中心都市に繋がっているのですよ」

「見えた!ここが冥界都市テオベルトよ!」

シャルロットの声と共に、エマは汽車の車窓から景色を眺めた。そこには、黄金色の花が咲き乱れる丘と、煉瓦の建築物が広がっていた。

「すごく綺麗な場所…建物から溢れる電気の光も幻想的….ここに冥界の女王、メルセデス様がいるんだ…」

「そうですよ。この冥界都市テオベルトは筒状で吹き抜けになっており、地下に空間が続きます。その最下層、冥王の間にメルセデス様はおられるのです」

「最下層に行くまでは何があるんですか?」

「レストラン街とかショッピングモールがあるわね。後はマジックアイテムが売っている魔法雑貨店なんかもあるわ!いっぱいね!」

エマにキラキラした子供のような目で語るシャルロット。そこにピョートルが突っ込みを入れる。

「まさかメルセデス様に会いに行く前にそこに寄るのですか?」

「そうよ!道草は大いに楽しんだ方が良いって決まってるじゃない!」

シャルロットは再び目を輝かせながらピョートルとエマにそう語る。

「ま、まあシャルロット様がいなければエマさんと私めの2人だけではメルセデス様に謁見できず門前払いを食らう可能性が高いですから仕方ない…か」

ピョートルは苦笑いをしながらシャルロットを見る。

「シャルロットさんとメルセデス様はどのような関係なのでしょう…?シャルロットさんはメルセデス様に敬称をつけていませんがどうしてなのですか?」

エマは恐る恐るシャルロットにそう尋ねた。

「古くからの友人よ!メルセデスは良い子だから安心して!私がいなきゃ冥界の門番の亡霊達に門前払いを受けて相手にしてもらえないもの!」

「そうなんですね。それにしても冥界の女王とも繋がりがあるなんてさすが魔術師達の女王とも呼ばれるだけあるなぁ…」

「私は大した事ないわよ。単にそうなるべく生まれてきたってだけ。あなたにはあなたにしかできないことがあるし、それを人との繋がりによって見つけるべきよ」

シャルロットはエマの頭をぽんと撫でながら優しくそう呟いた。それと同時に、汽車も冥界都市テオベルトのターミナルに到着したようだ。

「到着したわね!さ、降りて!いっぱい楽しみましょ!」

「はいっ!」

「一応魔王アムダールが関与している事もお忘れ無く…」

3人は汽車を出て、テオベルトの中心へと向かった。

そこからはシャルロットのショッピングなどにエマとピョートルは付き合い、冥界の時間で早2時間が経過した。

「….ふう、これで一通り店は見ましたね」

「今回はあまり商品を買わなかったなー。まあメルセデスに会いに行く用事があるからこんなものね」

「凄い…冥界って色んな場所があるんですね!」

エマはシャルロットと共に大いにショッピングを楽しんだようだ。

「あ、エマちゃん、これをあげる」

エマはシャルロットから小さな何も入っていないフラスコと、紫色の液体が入った試験管を3つずつ鞄と一緒に受け取った。

「これは?」

「それはね、転送フラスコっていうの。フラスコの中に専用の魔法の液体を入れて、行きたい場所を頭の中で思い浮かべて念じると、その場所に行けるっていう道具よ。フラスコの数と同じく専用の液体が入った試験管も3つ入れておいたから、何かあったら使って」

「ありがとうございます!あの、これってもしかしてこの世界から脱出する為に必要な物なんでしょうか?」

「そうよ!それを使って現世に帰るの。まあもっとも、メルセデスがエマちゃんが現世に帰るのを許可してくれたら…の話だけどね。まあ多分大丈夫でしょ!私が話をつけるから!」

シャルロットはにっこりと笑ってエマにそう告げる。そして3人は巨大なエレベーターがある間へと着いた。

「よし!このエレベーターを使って最下層の冥王の間まで行くわよ!」

「私は久々に来ましたね。冥王の間にはもう半世紀は行っていないものですから、メルセデス様は私の事をもう覚えていないかもしれません」

「そんな事はないかもよ?あの子、先代の冥王バルバトスが退いてから就任してまだ何百年くらいしかこの冥界を治めていないけど、まめな子だから」

「緊張するなぁ…でもシャルロットさんがいれば大丈夫な気がしてきた…!」

「きっと大丈夫よ!さ、行きましょう!」

エマ、ピョートル、シャルロットの3人はエレベーターに乗って冥王の間に向かった。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

何故か転生?したらしいので【この子】を幸せにしたい。

くらげ
ファンタジー
俺、 鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は…36歳 独身のどこにでも居る普通のサラリーマンの筈だった。 しかし…ある日、会社終わりに事故に合ったらしく…目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた! しかも…【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? よし!じゃあ!冒険者になって自由にスローライフ目指して生きようと思った矢先…何故か色々な事に巻き込まれてしまい……?! 「これ…スローライフ目指せるのか?」 この物語は、【この子】と俺が…この異世界で幸せスローライフを目指して奮闘する物語!

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...