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第四章 魔女のルーコと崩壊への序曲
第145話 責任の押し付け合いと寝過ごす私
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ジョージと別れてから少し経った後、渡された外套のおかげでばれることなく移動できるようになった私は無事、みんなと合流する事ができた。
「――――おや、思いの外、帰ってくるのが早かったねルーコちゃん」
合流した矢先、アライアが意外そうな表情でそう口にする。どうやらその口ぶりと発言に対して誰も特に言及しなかったことから、アライアだけでなく、みんなも私が追いかけられる理由を知っていたらしい。
「……運よく親切な人に助けてもらいましたからね。というか、皆さん、私がここにきたら追いかけられるって知ってましたよね?」
「知ってたというか……ねえ?」
「……そういう噂が流れているらしいというのは知ってたが、あんな大勢が追いかけてくる程とは思わなかったな」
「正直、王都に入ればそうなるだろうとは思っていたがな。良かったじゃないか、人気者になれて」
私が問い詰めるように聞くと、みんなそれぞれ明後日の方向に目線を泳がせる。まあ、レイズだけは例外でむしろ挑発するようにこちらへ目線を向けてきているけど。
「その……私はルーコちゃんに気を付けてって言おうとしたんだよ?でもアライアさんとレイズさんが面白そうだから黙ってようって……」
「ん?もしかして自分だけ良い子になろうとしてるのかな?サーニャだって最終的に賛成したでしょ」
「う……それは……」
「……確かにルーコちゃんに危害が及ぶ訳じゃないからと、止めなかった私も同罪ですね……まあ、悪いのはアレとアライアさんですけど」
言い包められるサーニャと自分の非を認めながらも、ぼそりと責任を二人に押し付けるノルン。まあ、私からすれば誰が悪いというより、みんな等しく同罪だ。
そう思いながらじとりとした目を向けていると、それに耐えられなくなったのか、ウィルソンが頭を掻きながらばつの悪そうに口を開く。
「あー悪かったよルーコの嬢ちゃん。また今度、好きなものいっぱい作ってやるからその目でじっと見るのは勘弁してくれ」
「……ほらウィルソンもこう言ってるんだから許してやれよルーコ」
「なんで偉そうなの?馬鹿兄も同罪でしょ」
「というかあの様子じゃルーコちゃんにとって誰が悪いとか関係ないんじゃない?ここは素直にみんなで謝った方がいいと私は思うよ」
「どうだかな。謝ったところでルーコの気が済むとは限らんぞ」
「……貴女みたいな底意地の悪いのと一緒にしないでくれるかしら?ルーコちゃんは素直な良い子なんだからきちんと誠意をもって謝れば許してくれるわ」
「…………ルーコに許す事を強要してないか、それ」
みんながそれぞればらばらに喋るものだから、私も微妙に反応に困り、その内に怒るのも馬鹿らしくなって、一気に力が抜けてしまった。
「………………はぁ、もういいです。それよりも私、お腹が空きましたし、疲れました。早く何か食べに連れていってください」
「……なんだ?急に――――」
「馬鹿兄!ルーコちゃんがいいって言ってるんだから余計な事を言わないの!」
怪訝な顔をして何か言おうとしたトーラスの口をサーニャが慌てて封じる。たぶん、トーラスの言葉で私の機嫌が悪くなる可能性を考慮したのだろう。
「……まあ、本人がいいって言ってるんだからもうこの件に関しては終わりでいいだろ。それより俺もルーコと同意見だ。腹が減ったし、とっとと店に行くぞ」
「だからなんで貴女が……はぁ、もういちいち言うのも馬鹿らしくなってくるわね」
「まあまあ、それじゃあ、ひとまずはどこかお店に入ろうか。あ、疲れたならおんぶしてあげようかルーコちゃん?」
「……大丈夫です。自分で歩けますから」
悪戯っぽい笑みを浮かべてそう提案してくるアライアに対して私は仏頂面で返し、ふいっとそっぽを向いて歩き出した。
それからお店に入ってみんなでご飯を食べた私達はそのまま近くに宿を取って王都での初日を終える。
そして次の日、王宮に向かうのは明日という事で今日一日の空き時間を自由に過ごしていいらしく、私が朝、起きる頃にはアライア以外の全員がどこかに行ってしまった後だった。
「――――おはよう、随分と遅いお目覚めだねルーコちゃん」
宿の飲食ができる場所で紅茶を飲んでいたアライアから開口一番、にこやかにそう言われてしまう。
「……おはようございます。アライアさん」
別に怒られているわけでもないけど、どことなく気まずく、誤魔化すように朝ご飯を注文しながらその正面に座った。
「まあ、別に今日は何もない日だからゆっくりしてても大丈夫なんだけどね。みんなは出掛けたみたいだけどルーコちゃんはどうするの?」
注文した料理が届けられ、少し寝ぼけながらも、もしゃもしゃと食べ始めたところでアライアに尋ねられる。
「むぐ……んん、そう言われても王都に何があるのか知りませんし、そもそも不用意に外を出歩けばまた追いかけられちゃいそうで……」
「あーそっか、確かにルーコちゃんにとっては初めてくる街だもんね。昨日みたいに街頭で変装すれば出歩けると思うけど、行きたい場所がないとそうまでして出歩きたいとは思えないか」
紅茶に口をつけつつ、考えるような仕草を見せるアライア。そして何かを思いついたかのように立ち上がると、含みのある視線を私に向けてきた。
「えっと、アライアさん?」
「ふっふふ……良い事を思いついたよルーコちゃん。王都に何があるか知らないなら知っている人と回ればその問題は解決するんじゃないかな?」
「それは……そうですけど……」
確かに王都の中を知っている人に案内してもらえれば知らない私でも楽しく過ごせるかもしれない。
けど、私はわざわざ追いかけられるかもしれない可能性を無視してまで出掛けたいわけでもなかった。
「なら決まりだね。今日一日、ルーコちゃんは私と一緒にデートしよっか」
「でーと?それってつまり…………」
言葉の意味が分からずに首を傾げていると、アライアは残った紅茶をぐいっと飲み干し、困惑したままの私の手を引っ張ってくる。
「一緒にお出かけしようって事だよ。さ、まずはお洒落……もとい、変装するためにまずは部屋にいくよルーコちゃん!」
「え、あ、ちょ、まだ食べてる途中……分かった、分かりましたからちょっと待ってくださいってば!」
食べ終わっていないのに腕をぐいぐい引っ張ってくるアライアをどうにか宥め、ひとまず私は急いでご飯を頬張った。
急いでご飯を食べ終えた私が連れていかれたのは荷物を置いている部屋。
そこで私は服を脱がされ、いつもよりどこかはしゃいだアライアの着せ替え人形にされてしまうのだった。
「――――おや、思いの外、帰ってくるのが早かったねルーコちゃん」
合流した矢先、アライアが意外そうな表情でそう口にする。どうやらその口ぶりと発言に対して誰も特に言及しなかったことから、アライアだけでなく、みんなも私が追いかけられる理由を知っていたらしい。
「……運よく親切な人に助けてもらいましたからね。というか、皆さん、私がここにきたら追いかけられるって知ってましたよね?」
「知ってたというか……ねえ?」
「……そういう噂が流れているらしいというのは知ってたが、あんな大勢が追いかけてくる程とは思わなかったな」
「正直、王都に入ればそうなるだろうとは思っていたがな。良かったじゃないか、人気者になれて」
私が問い詰めるように聞くと、みんなそれぞれ明後日の方向に目線を泳がせる。まあ、レイズだけは例外でむしろ挑発するようにこちらへ目線を向けてきているけど。
「その……私はルーコちゃんに気を付けてって言おうとしたんだよ?でもアライアさんとレイズさんが面白そうだから黙ってようって……」
「ん?もしかして自分だけ良い子になろうとしてるのかな?サーニャだって最終的に賛成したでしょ」
「う……それは……」
「……確かにルーコちゃんに危害が及ぶ訳じゃないからと、止めなかった私も同罪ですね……まあ、悪いのはアレとアライアさんですけど」
言い包められるサーニャと自分の非を認めながらも、ぼそりと責任を二人に押し付けるノルン。まあ、私からすれば誰が悪いというより、みんな等しく同罪だ。
そう思いながらじとりとした目を向けていると、それに耐えられなくなったのか、ウィルソンが頭を掻きながらばつの悪そうに口を開く。
「あー悪かったよルーコの嬢ちゃん。また今度、好きなものいっぱい作ってやるからその目でじっと見るのは勘弁してくれ」
「……ほらウィルソンもこう言ってるんだから許してやれよルーコ」
「なんで偉そうなの?馬鹿兄も同罪でしょ」
「というかあの様子じゃルーコちゃんにとって誰が悪いとか関係ないんじゃない?ここは素直にみんなで謝った方がいいと私は思うよ」
「どうだかな。謝ったところでルーコの気が済むとは限らんぞ」
「……貴女みたいな底意地の悪いのと一緒にしないでくれるかしら?ルーコちゃんは素直な良い子なんだからきちんと誠意をもって謝れば許してくれるわ」
「…………ルーコに許す事を強要してないか、それ」
みんながそれぞればらばらに喋るものだから、私も微妙に反応に困り、その内に怒るのも馬鹿らしくなって、一気に力が抜けてしまった。
「………………はぁ、もういいです。それよりも私、お腹が空きましたし、疲れました。早く何か食べに連れていってください」
「……なんだ?急に――――」
「馬鹿兄!ルーコちゃんがいいって言ってるんだから余計な事を言わないの!」
怪訝な顔をして何か言おうとしたトーラスの口をサーニャが慌てて封じる。たぶん、トーラスの言葉で私の機嫌が悪くなる可能性を考慮したのだろう。
「……まあ、本人がいいって言ってるんだからもうこの件に関しては終わりでいいだろ。それより俺もルーコと同意見だ。腹が減ったし、とっとと店に行くぞ」
「だからなんで貴女が……はぁ、もういちいち言うのも馬鹿らしくなってくるわね」
「まあまあ、それじゃあ、ひとまずはどこかお店に入ろうか。あ、疲れたならおんぶしてあげようかルーコちゃん?」
「……大丈夫です。自分で歩けますから」
悪戯っぽい笑みを浮かべてそう提案してくるアライアに対して私は仏頂面で返し、ふいっとそっぽを向いて歩き出した。
それからお店に入ってみんなでご飯を食べた私達はそのまま近くに宿を取って王都での初日を終える。
そして次の日、王宮に向かうのは明日という事で今日一日の空き時間を自由に過ごしていいらしく、私が朝、起きる頃にはアライア以外の全員がどこかに行ってしまった後だった。
「――――おはよう、随分と遅いお目覚めだねルーコちゃん」
宿の飲食ができる場所で紅茶を飲んでいたアライアから開口一番、にこやかにそう言われてしまう。
「……おはようございます。アライアさん」
別に怒られているわけでもないけど、どことなく気まずく、誤魔化すように朝ご飯を注文しながらその正面に座った。
「まあ、別に今日は何もない日だからゆっくりしてても大丈夫なんだけどね。みんなは出掛けたみたいだけどルーコちゃんはどうするの?」
注文した料理が届けられ、少し寝ぼけながらも、もしゃもしゃと食べ始めたところでアライアに尋ねられる。
「むぐ……んん、そう言われても王都に何があるのか知りませんし、そもそも不用意に外を出歩けばまた追いかけられちゃいそうで……」
「あーそっか、確かにルーコちゃんにとっては初めてくる街だもんね。昨日みたいに街頭で変装すれば出歩けると思うけど、行きたい場所がないとそうまでして出歩きたいとは思えないか」
紅茶に口をつけつつ、考えるような仕草を見せるアライア。そして何かを思いついたかのように立ち上がると、含みのある視線を私に向けてきた。
「えっと、アライアさん?」
「ふっふふ……良い事を思いついたよルーコちゃん。王都に何があるか知らないなら知っている人と回ればその問題は解決するんじゃないかな?」
「それは……そうですけど……」
確かに王都の中を知っている人に案内してもらえれば知らない私でも楽しく過ごせるかもしれない。
けど、私はわざわざ追いかけられるかもしれない可能性を無視してまで出掛けたいわけでもなかった。
「なら決まりだね。今日一日、ルーコちゃんは私と一緒にデートしよっか」
「でーと?それってつまり…………」
言葉の意味が分からずに首を傾げていると、アライアは残った紅茶をぐいっと飲み干し、困惑したままの私の手を引っ張ってくる。
「一緒にお出かけしようって事だよ。さ、まずはお洒落……もとい、変装するためにまずは部屋にいくよルーコちゃん!」
「え、あ、ちょ、まだ食べてる途中……分かった、分かりましたからちょっと待ってくださいってば!」
食べ終わっていないのに腕をぐいぐい引っ張ってくるアライアをどうにか宥め、ひとまず私は急いでご飯を頬張った。
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