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スパダリ領主様に雇われたおっさんシーフですが、夜伽は業務範囲外です!
四話
しおりを挟む『ゆっくり慣らしていこう。私はいそがないよ、レイモンド』
ジェラルドはそう言って笑うだけで、俺を抱かない。
毎日毎日寝所へ呼ぶくせに、おかしな魔道具で俺を快楽に狂わせるだけで一度も挿入してこない。
あれから新しい魔道具が次々届いている。嬉々として細い玉の連なった道具を出された時は、本気で何をされるのかわからなかった。楊枝より太くてペンよりは細い。そんな魔道具は尿道に差し込むためのモノで、それを使われた初日、俺は恐怖と快感で泣き叫んでしまった。
柔らかい道具で尿道に入れても中を傷付けることはなかったが、引き抜くときに玉の粒々が引っかかって俺は悲鳴を上げた。ずっと射精しているかのような快感が襲ってきて、無意識に腰が揺れてしまう。
ちゅこちゅこと細かく出し入れされて泣かされ、次には深い場所までずるぅっと押し込まれて恐怖に泣く。
ずっと泣きっぱなしの俺を見て、ジェラルドは嬉しそうに笑っていた。『気に入ったようでよかった』と言われても、俺は何も喋ることができない状態だった。
そんな責め苦の後でも、ぐしゃぐしゃになった顔を温かいタオルで拭われ、慈しむように口付けられると堪らない多幸感が頭の中を支配した。
そうして毎夜俺を苛むくせに、ジェラルドはまたあの日からアナルには触れてこない。
朝になって部屋に帰ると、自分で指を突っ込んで慰めるだけだ。
乳首につけられたあのクリップは、日中もずっとつけっぱなしにするよう言われた。流石に棘が出たり振動したりはしないが、金属の冷たい感触が常に乳首を挟み込んでいて落ち着かない。
部屋で自慰をするときは、クリップをつけたままそこを指でいじった。
ジェラルドはずっと俺の部屋を監視しているから、すべて見られていると感じながら、自慰をしている。
どこに映像をとる魔道具があるのかは知らないが、一度鏡から見た角度を思い出し、そちらに向けて脚を開く。
「ふ、ぅ、あ、あ、あ、……あぅ、ひ、んっ……」
濡らした指をアナルへ突っ込んで、ぐちゅぐちゅとかき混ぜる。俺は自分の指以外はジェラルドの手しか知らないから、あの白く美しい手が俺の中を蹂躙していく様を思い出してそこをいじった。
もっと、と乞うようになればいいとジェラルドは言った。もう、とっくにそうなってしまっている。
ジェラルドに頭を撫でられると、疼くような感情が胸の中を支配する。甘くて、苦くて、息苦しくも感じられるような強い衝動だ。
不意に泣きたくなるような感情の揺らぎを感じる。
してほしい。ジェラルドに抱かれたい。貫かれて、強く抱きしめられて、支配されたい。猛禽類のようなあの金の目に射抜かれて、いっそ息の根を止められてもいい。
「っ……て、ジェラルド……」
──抱いて。奥まで貫いて、中から溢れるくらい注いで、溺れさせてほしい。
あの魔道具、音は拾うんだろうか?
そんなことを頭の端で思いながら、俺はイッたと同時に意識を失った。
ふと目を開けると、銀色の光が見えた。さらりと俺の顔に落ちかかってくるそれは銀色の髪だった。きらきらとした光を辿るように顔を上げる。
息を呑むような神秘的な金の瞳が俺を見下ろしていた。慈しむように俺の頭を撫で、覗き込んでくる。
「起きたか」
「……?」
「おいたが過ぎると一生この部屋に閉じ込めるぞレイモンド」
見回すと、そこは朝までいたジェラルドの部屋のベッドだった。天蓋のカーテンがひかれているが、漏れている光で昼間なのがわかる。
不意に、ガチャリと頭上で音がした。見上げてみると、俺の両腕が柔らかな布にくくられて鉄のフックにかけられている。服は全て脱がされていて、何故か装備のベルトだけが身体に巻かれていた。
なんだこの格好は?何が起きた?
「今日は一日ここに監禁だ」
「……は?」
「私が執務から帰ってくるまで、いいこで待っていなさい。レイ」
見惚れるほど美しい笑みを浮かべたジェラルドがカーテンの向こうに消える。それと同時にカチリ、と嫌な音がした。
「ぁ、あ゛、あ゛、い、ゃあああ、ァ────!!」
びゅく、びゅく、と俺の性器から白濁が吹き上がった。臍の下と会隠に吸い付くように装着された魔道具が、ビリビリと電撃のような刺激を与えてくる。それが性器の奥にある快楽の点を強く刺激して、強制的に射精を促していた。
ガチャガチャと鉄のフックにかけられた腕を跳ねさせるが、簡単な拘束のくせに外れない。まさかこれも魔道具か?いや、身体をベルトに拘束されてるせいで上手く動けないのか。焦るうちに、どんどん身体のほうは追い詰められていく。
びゅ、とまた性器から精液が吹き出した。しかしあまり勢いがなく、白濁はだらだらと亀頭から裏筋を伝っていく。
「は、あ、ぁ、も、出なっ──ぁ、あ゛っあ゛あ゛ぁっあ゛、あ゛っ」
びゅ、びゅく、とまた立て続けに射精する。ビリビリと脳髄を刺激する電撃は止まない。
何度も射精を繰り返し、精液が空になっていた。
もう出ない、出せない、と腰だけカクカクと揺らしながら咽び泣く。
しかしそのうち、何かが迫り上がってくるような不思議な感覚があって、俺はシーツから腰を浮かせて悲鳴を上げた。
プシュ、と音を立てて吹き出したのは透明な液体だった。
小便かと思ったが匂いはしないし色もない。
不審がっている暇もなく、次の快感の波がやってくる。またソレを吹き上げて、ガクガクと腰が震えた。
「あ、ァ、アァァァ、……ア゛、ア゛、ア゛ッ──っ」
おかしくなりそうだった。
いや、もう既におかしくなっていた。
獣のような咆哮を上げながら、暴力的な快感に翻弄され腰を振りたくる。満たされないアナルがヒクヒクと震え、でも手は拘束されていて指をつっこむことさえできない。
そんな目も眩む快楽地獄の中でも、俺がもとめていたのはジェラルドだった。
──はやく、はやく帰ってきて。俺を撫でて、抱きしめて、あんたのをココにぶち込んでくれ。
そう切望しながらも、本当はわかっている。ジェラルドは俺を抱かない。おそらくこれは貴族の道楽のひとつで、毛色の違う冒険者にたまたま目をつけただけなんだ。
こうして目をかけられて、いっとき愛しまれただけでも平民にとってはありがたいことなのかもしれない。
領主様なんて雲の上の存在で、しかもジェラルドはその中でもとびきり出来が良い。
神話の神々のような美しい容姿に、貴族でありながら剣を持って私兵団を率いる強さ、政治的な手腕、どれをとっても完璧だった。
こんな厳つい四十路近い冒険者の男まで魅了して、陥落させちまうんだから、恐ろしいったらねぇ。本気になんか、しないつもりだったのに。クソが。
「……っ、は、……ぅ、っく……」
ヒクン、ヒクン、と僅かに腹が痙攣する。もう出すものも無くなった。それでも脳の痺れるような快感は止まない。脱力してシーツに倒れ、ぼんやりと天蓋の模様を眺める。
気がつくと、ぼろぼろと溢れていた涙が乾いていた。快感のために流したのか、胸を引き絞るような痛みに泣いたのか、もう、わからなかった。
「レイモンド。いいこにしていたかな」
どれくらい時間が経ったのか。
体を苛む魔法具は外され、思いのほか力強い腕に抱かれてベッドを出た。そしてジェラルドの手で入浴させられている。浴室に召使いは1人もおらず、ジェラルドだけが俺を見つめていた。
「たくさん潮吹きできたようだね。上出来だ、レイ」
犬でも褒めるように、ジェラルドが微笑みながら俺の髪を撫でる。その手に頬を擦り付けたのは無意識だった。ハッとして動きを止めると、ジェラルドは嬉しそうにまた俺の頭を撫でてくる。
「お前は本当に可愛いな」
「……目が悪いんすかねぇ。ああ趣味が悪いのか」
「おや、元気が出てきたか」
ジェラルドがそばに居るだけで、まるで尻尾を振る犬になったようだった。体の奥底から歓喜が湧き上がって、触れてほしくて堪らなくなる。そんなおっさん気持ち悪いだろうが。落ち着け、何やってんだ俺は。
「俺はいつも通りです」
「そうか。それなら、いい」
耳の後ろを掻くように撫でられて、ぞくりと走った快感に身体をすくめる。俺は歓喜を押し殺すように目線を下げたまま、おずおずとその手に頬を寄せた。
ジェラルドが俺を構うのは、毛色の違う男だからだ。
平民のくせに容易く落ちそうにない、身体だけ従順な天邪鬼を楽しんでいる。気の利いた駆け引きなんかできないが、憎まれ口は得意だった。
それなら、俺の取るべき行動はひとつだ。
なるべく長く、ジェラルドの関心を引けるようにする。甘えるだけではダメだ。たまに抵抗して楽しませて、無礼にも聞こえる言葉で罵倒して、それから……それから……
──ジェラルドに抱かれることを、求めない。
機嫌を損ねるような希望は、だめだ。
どれだけ求めても、それは与えられない。諦めろ。はじめから、あり得なかったことだと思えばいい。
「……レイモンド?」
「なんでもない。疲れた……」
「眠って構わないよ。また運んであげよう」
濡れた髪の先からぽたりと湯が落ちた。
先ほど枯れるまで泣いたせいか、もう涙の一粒も出てはこなかった。
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