触手の苗床にされてた剣士を助けたんだけどエロさが半端ない!

天城

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四話

2-5(クロード)

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 『アンタ変わってるな』と苦笑した冒険者は、荷物から服を出して俺に貸してくれた。体格はそう変わらないように見えたが、彼の方が厚みがあるらしく服は布が余った。

 ――冒険者は、ヴィノードと改めて名乗った。

 はじめただの案内だと思っていたし、下手をすれば片道案内になると思っていたので名前など聞き流していた。しかし帰り道でその名前を聞き、それから何度か続けて案内を頼むことになった。話し慣れていない俺にヴィノードは根気よく付き合ってくれて、次第に道中の会話も増えていった。

 ……森の中に潜むそのテンタクルボールが、俺の身体に触れてくる動きは、『愛撫』としか言えないものだった。柔らかな触手で間違いなく可愛がられていた。この死を待つばかりの、役立たずな俺が。

 慈しまれて、どろりとした快感に頭の中まで浸蝕されて、ただただ泣き喘ぐ。それを繰り返し、初日から血を吐かなくなった俺の身体は日に日に回復していった。俺の血を採って調べた兄は、本当に病が完治していると驚いていた。

 また、苗床になってから背中の古傷が次第に薄くなり、醜く痕になっていた鞭の跡が消えていった。その癒しの力は、俺の精神をも慰撫していくようで、いつしかテンタクルボールの元に通うのを止められなくなった。
 兄から行けと言われていなかったのに、俺はそれからも頻繁にテンタクルボールに会いに行った。ヴィノードはウィトリー家からの依頼でない時もそれに付き合ってくれて、テンタクルボールとの逢瀬を助けてくれた。
 逆に、ヴィノード以外を案内に使わないでくれとまで言われて首を傾げた。少し頬を火照らせたヴィノードは、眉を寄せたまま『アンタの痴態は目に毒だ』と苦笑した。

『……毒か』

 ヴィノードの言葉の意味がわからないほど初心ではない。
 俺に劣情を抱く男はいくらか学園にもいたから、言わんとする事は判る。ただそれでは、ヴィノードならいいという意味がわからない。この毒とやらは、ヴィノードには効かないからなのか。そう考えたら不思議と心臓がぎゅっと掴まれたように痛んだ。

 ……できれば、効いてほしい。毒されてほしい。

 そんな、叶わない願いを口にしたら、ヴィノードはきっと困るだろう。いつもの苦笑を滲ませて、俺の頭を撫でて離れていくのかもしれない。ヴィノードはウィトリー家からの高額な指名依頼を無くすし、俺はヴィノードという案内役を失う。どちらにも良くない結果しかもたらさないのだから、俺は口を噤むしかない。

 ヴィノードは不思議な男だった。
 友達など作ったこともない、他人と話すのは師匠くらいだった俺に気さくに話しかけてきて、森歩きの間には薬草や食べられる木の実なんかを取ってわけてくれたりした。冒険者はいいぞ、と笑いながら話すので、少し羨ましくなってしまった。
 何処へでも行ける、自由な冒険者に憧れを抱いた。俺にそんなもの望めるわけがないけれど、夢をみるくらいはいいだろう。

 ――いつからか、俺は鞭打ち台の悪夢を見なくなっていた。

 それは明らかにヴィノードとテンタクルボールとの出会いのおかげだった。

      ‡

 人生の中で一番穏やかで幸せとも言える日々が続いたある日、俺は突然部屋に来た兄に押し倒された。着ていた服の上から股間を膝で押され、筋肉の張り出した胸を鷲掴みにされる。
 驚いて声も出なかった俺は、初めて正面から兄と対峙した。その目にギラギラとした嗜虐の色と、欲望の炎が灯るのを見た。
 それはまるで、地下に俺を連れて行く時の父のようで、恐怖に身体が硬直した。

『抵抗しようなどと思うな! お前はこの家の奴隷だ! 貴様を弟などと思ったことはない!』

 ――その通りだった。俺はこの家に貰われてきた初日から、それを身体で覚えさせられてきた。ここにあるのはウィトリー家の次男という殻で、その中身はただの奴隷だ。


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