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九話
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しおりを挟むちなみに四つも五つも一気に産む時は、クロードは苦しがりつつも気持ちは良いらしく、産みながら空イキしてるのが伝わってきた。
こういうのクロードは隠したいんだろうが、俺は知っててよかったと思う。とりあえず本気のイヤイヤと、イイの意味のイヤが判るのは助かるなホント。
本気のイヤは全力で聞いてやりたい。クロードが嫌がることは俺も触手達も絶対に、したくないと思う。
これからこの世界の誰が、クロードにどんな事を強いようと、それらから守るのが俺達の役割だ。
「……ん。クロード、そろそろアレンが戻ってくるらしい」
「連絡が……?」
「ああ。交渉は上手くいったみたいだな」
「起き、なくては、……ッ」
「下までは俺が運ぶから心配すんな」
「あの……ヴィンセント、あたって、いるが……」
「もう一発するくらいの時間あるんじゃねぇ?」
「……」
コプッ、と最後の種を産み落とした穴がヒクヒクと震えて俺を誘っている。いつまでも元気な俺の性器を逞しい尻に擦りつけたら、クロードは小さくため息をついてこちらを振り返った。自身の手で尻を割り開き、白濁を零すエロ穴を俺に晒して目を細める。
「もう一回、だけ」
こんな誘い方されては普通に自制が吹き飛んだ。
そのせいでアレンが到着して世界樹の下から声をかけるまで、可愛い声を上げるクロードを散々貪ってしまった。生まれた種はその頃にはベッドから溢れて転げ落ちていた。
‡
「エルフ自治領……?」
「そうだ。それにもう一つ、神殿を建て新しい『ユグドラシル(世界樹)教』をつくれと指示してきた。司祭候補も信者も集まってきているようだから問題なさそうだ」
綿に包まれた世界樹の種を浄化の小川でくるくると洗いながら、アレンはクロードに説明していた。アレンが帰ってきたのは日もすっかり暮れた頃で、今はもう明け方が近い。光る苔や世界樹のぼんやりした灯りのおかげで森自体は薄明るいから視界は良好だ。
俺はこの計画についてはチビ経由の連絡で聞いてたから、種洗いのほうに集中する。まあ精液まみれっつってもほぼテンタクルボールの粘液なんだけどな。無味無臭で無害な液体だ。人体にだけは強力な媚薬だけど、種には無害。
「世界樹を中心に、以前の王国の跡地をハイエルフの区域に。そしてその外周だったあたりまでの森をエルフ・ハーフエルフの住む区域にした」
「その豊かな地を奪うために他国の人間が押し寄せてきたんじゃなかったのか。そんな交渉が通じたのか」
「通じた。交渉材料として、最初はエルフの扱う魔法を授けるつもりだった。あとは脅しでもなんでも……と思ってたら都合よくクロードが戦場に姿を現わしたものだから交渉はとんでもなく簡単だった」
「……?」
クロードが首を傾げているので、俺は洗った種を籠に入れて手の水をピッピッと落としながら口を開いた。アレンの説明はいろいろ端折るから判り難いんだよな。
「マナが大地と空気にたっぷり混じるようになってから、魔法はとっくに使えるようになってんだわ。だけど人間側にはその技術が失われてる。だから魔法を授けるっていって知識を与えれば有り難がってこっちの交渉にも応じると思ったんだよな。ただそれだけじゃ過去に人間側は自滅っていう失敗をしてる。今度はエルフから伝わった新しい宗教で人間の記憶に世界樹の存在を深く植え付けようっていう計画だ。何世代にも渡って語り継がれるような信仰を作る」
小川ではクロードも自分の産み落とした種を、ちょっと恥ずかしそうにしつつも洗っていた。それにしてもずいぶん数があるな。小さめの籠が一つ、そろそろいっぱいになる。で、綿玉はまだ木の上にたくさん転がってるんだが。
さっきからアレンのため息が止まらないのも気になる。前回これだけの種があれば実験し放題だったのに、とか呟いていた気がする。こいつのド変態研究者気質は素なのか。素なんだな?
「世界樹があるから世界が安定する。緑が豊かになり、大地は肥沃に、水が豊富に湧き出て作物が育つ。マナのおかげで魔法が使える。そういう自然信仰みたいな宗教だ。これが何百年後になっても続いていけば、人々に根付いた信仰のおかげでこっちの土地を侵略しようってヤツは現われないだろう。てか、現われても神殿と信者に潰されるようにしたい」
「……そんなに上手くいくだろうか」
「まあ時間はかかるだろうな。始めは小さくてもゆっくり活動を支えていって発展させていく、というのが計画だったんだ。でもクロードがさ、戦場に現われたわけだ。あいつら人間の目で見て、納得する『神様』の姿が。もうこれは効果覿面だろうな。あいつらの国の国教になってもおかしくないぞ。ちなみに司祭志望にクマ将軍もいた」
クロードの輝く金髪を指で梳いて、ひと房手に取る。
見惚れるほどに綺麗な髪だ。見慣れた俺でもこうなんだから、初めて見る人間達には相当な衝撃だっただろう。エメラルド色の瞳も、森のぼんやりした仄かな灯りを映していて吸い込まれそうだった。これが見えるほど近くに人を寄せ付けるつもりはないが。
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