1 / 2
プロローグ
しおりを挟む
小さな頃、人が怖かった。
同じ生物の筈なのに、全てが分かってしまっているような感覚に陥っていてなんだかとてつもない嫌悪感を示していた。
今から思えばそんな平凡な少年Cが何故そんなことになったかが思い出せない。
しかし、今となっては全く覚えていない。何もかもを。
だがそんな少年Cも子供らしくクリスマスのサンタは喜んだし、誕生日には昔はやっていた戦隊モノのおもちゃなどは喜んだ。
外食や旅行も大好きだったし、祖母や祖父からもらうお年玉やおこずかいなんかも貰うのも好きだった。
中学生ぐらい……いやもっと前だ……小学生の高学年らへんからその変な感覚は無くなり人が怖くなくなり、ただただ暗いやつになった。
ただ単に子供ながらに人見知りだっただけなんだろうなぁと今は思っている。
そう俺にとってはそのぐらいの感覚だったんだ
────君に出会うまでは
「能力適正者番号、15681…見つけた」
突然空から飛んできた少女はあまりにも綺麗で華麗で、儚かった。
触れたら消えてしまいそうなのに何故か強い決して消えぬ光のようなものを感じた。
それは多分小柄な少女には合わない「拳銃」を両手に持っていたからだと思う。
だがそんな事はどうでも良くなるほど、俺はその少女に魅入ってしまったんだ。
その少女は白銀に光る髪をなびかせ、片目を覆っている髪を不規則に揺れる柔らかな風で「その目」を見せるように揺らしていた。
夕陽に照らされ「その目」はより一層宝石のように輝いていた。
これが「能力殺し」の異名を持つ望月珠代と偽善者の青年Cとの出会いである。
あらかじめ言っておくがこれは決して良い物語ではない。なんだか凄い能力が使えるだとか世界を救うなどの話では無い。
ただ、正義とは何かを問う物語である。
いやそんな大それたことでもないな……。
そう……言うなればこれは
────少女と俺の物語である。
同じ生物の筈なのに、全てが分かってしまっているような感覚に陥っていてなんだかとてつもない嫌悪感を示していた。
今から思えばそんな平凡な少年Cが何故そんなことになったかが思い出せない。
しかし、今となっては全く覚えていない。何もかもを。
だがそんな少年Cも子供らしくクリスマスのサンタは喜んだし、誕生日には昔はやっていた戦隊モノのおもちゃなどは喜んだ。
外食や旅行も大好きだったし、祖母や祖父からもらうお年玉やおこずかいなんかも貰うのも好きだった。
中学生ぐらい……いやもっと前だ……小学生の高学年らへんからその変な感覚は無くなり人が怖くなくなり、ただただ暗いやつになった。
ただ単に子供ながらに人見知りだっただけなんだろうなぁと今は思っている。
そう俺にとってはそのぐらいの感覚だったんだ
────君に出会うまでは
「能力適正者番号、15681…見つけた」
突然空から飛んできた少女はあまりにも綺麗で華麗で、儚かった。
触れたら消えてしまいそうなのに何故か強い決して消えぬ光のようなものを感じた。
それは多分小柄な少女には合わない「拳銃」を両手に持っていたからだと思う。
だがそんな事はどうでも良くなるほど、俺はその少女に魅入ってしまったんだ。
その少女は白銀に光る髪をなびかせ、片目を覆っている髪を不規則に揺れる柔らかな風で「その目」を見せるように揺らしていた。
夕陽に照らされ「その目」はより一層宝石のように輝いていた。
これが「能力殺し」の異名を持つ望月珠代と偽善者の青年Cとの出会いである。
あらかじめ言っておくがこれは決して良い物語ではない。なんだか凄い能力が使えるだとか世界を救うなどの話では無い。
ただ、正義とは何かを問う物語である。
いやそんな大それたことでもないな……。
そう……言うなればこれは
────少女と俺の物語である。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる