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五十週目
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畑中純一は正直なところ、うんざりしていた。
九月になってもいいことはあまりなかった。八月の第一週におこなわれた裁判で事実上の勝利判定を受けた段階で、教唆犯の存在は公判を通して印象づけられ、しかし相手はネットに既に深く潜ってしまったことがほぼ確定したくらいだ。それを良い事と言うかどうかは純一にとって疑問だった。
ゴルトベルグこと金城女史かあるいはギルガメッシュタバーンのマスターになんらかの助力を頼めば、幾らかの真実のタシに辿りつけたのかもしれないが、本質的に法廷闘争を求めているわけでない純一には法廷での勝利は心慰められる出来事でもなく、あまつさえアングラヒーローとしての立場を密かに獲得していたという事実は更に純一の心を傷めつけるものだった。
アンダーグラウンドのリテラシーとして純一の日常はただ静かに観測されていただけだが、その気になれば容易にソレを破壊できる、なんらかの襲撃をおこなうには十分な情報が大量に蓄積されており、純一が密かにどちらかに連泊していることが明らかにされていた。幸いその連泊先は追跡されていないが、たまに純一の発見報告や積極的な追跡希望などもあった。あるいは法廷に提出されたログの内容からギルガメッシュタバーンを根城としているという噂も既にあって、そのマスターの威名によってネットワークハッカーたちは面倒を避け、というかまずは遠巻きに様子を見ていることで多少の小康状態を保っているようだった。
酒場のマスターは仲介のお礼に足を向けたときに、面白そうにそんな話をしてくれた。
「まぁ、一種の絶滅危惧種みたいなモノだからね。キミみたいな分かりやすい正義の味方は」
「どういう意味です?」
軽く入ったマスターの言葉に、不穏な響きを感じて純一は目を眇めてしまった。
その様子に多少マスターは動揺をしたが、話を振った責任として完結させることにした。
「ニュースの追跡から始まったキミの生い立ちを遡って追跡したファンサイトがあるんだよ」
見せてもらうと、いわゆる勝手連のような、とくに好奇心以上の悪意はない畑中純一追っかけサイトが立ち上がっていた。
パスワードを要求される会員専用サイトだったが、マスターが見せた内容は新聞記事の収集から中学の大会記録、裁判傍聴記録、つい春先の学会発表、ストーカーまがいの写真集、どういう経路で集まったか分からないがみっしりと記事があった。
そこまではタイトルとテーマから耐えられたのだが、女の子四人分の様々なスナップショットが恋人として掲載されているのは純一の神経を削った。
コメントページの内容も純一の頭に血を上らせるに十分な内容だった。
このクソ熱いのに、と夜月が揶揄するほどにバッティングセンターに通いつめ、プロ用というケージに篭ってワンコインでホームランパネルを鳴らすことができるほどになっていたのは少し前、八月の終わりの出来事だった。
別に望んでおこなったコトでないモノに奇妙な評価をくだされるのはひどく純一の神経を苛んでいたが、まだ他にもあった。
人造湖の脇の飯場で死んだ男のウチの二人の遺族がどう考えても社会的責任能力のない幼い男女だったことだ。
「この度は兄が畑中さんには大変ご迷惑をおかけしました。満足なお詫びの言葉もありませんが、賠償は絶対にきちんとさせていただきたいと思います」
そう言った米田隆仁は痩せて細く、兄の米田雅仁とどことなく似た整った顔をしてた。怒りとも悲しみともつかなかったが、他の加害者の家族とは別に緊張した顔で純一の前に立って言った。中学生だと言った。
「こんなコトを畑中さんに聞くのは全く筋違いなのは分かっていますが、兄を殺したナニかについてなんでも分かることはありませんか」
そう言った明智晴臣の妹、明智由美は縋るような目を純一に向けた。純一が気絶していた後のことは覚えていないと言うと、ひどく寂しそうに可憐に笑った。高校進学を諦めると言っていた。
結局、純一が不意打ちを食らった強姦事件の初公判以外はほぼ完全に順調な形で進み、九月の最初の週には強姦事件はおそらく終わるだろう、そんな雰囲気のままに公判は進んだ。どういう意味でも被告側の弁護士は精細を欠いており、不可思議というほどに鈍く、裁判官が体調不良を心配して公判後の時間で交代を希望するかというような確認をおこなうほどだった。
阿吽魔法探偵事務所にいる純一の気配はダラけているというよりは疲れており、バッティングセンターでバットを振って頭を空にして、無理やり自宅に不機嫌を持ち込まないようにしていた。仮想的な暴力を自らに課す純一の様子はそうは言っても共同生活者には筒抜けであったが、内面にあるものが単純要因によるでないとすれば単純な外圧で状況を好転させるのは難しく、ひとつきも経っていないことからお互いの微妙な距離感が今は様子見という行動を自称恋人たちに採らせていた。
「俺が気絶したあとナニがあったんでしょうねぇ。四人が死んで市川は腕を砕かれて。ようやく公判での証言能力が回復してきたみたいですけど、未だにロボットみたいな状態で」
純一は溢れくるままに、そう口にしていた。
「ああ、うん。殺された加害者の方の話ですか」
冷たくもなく暖かくもなく斎夜月は応じた。強いて言えば、退屈しのぎの良い話題という軽い雰囲気だった。
「生きていれば、本人に罪を清算させるのはどうとも思わないんですけど、ソレを遺族にっていうのは」
「ああ、うん。まぁそうとも言えますけど、どういう形でも結局、周りに迷惑をかけますよ。だいたい犯罪者なんていうのは、ひとりではどうにもならない環境があってなる種類のモノですから。日本では特にそうです。海外ですと純粋に趣味的な犯罪も結構多いですが。……ああ、まぁそうは言っても、ここしばらく格差社会とか言われてきてますしね。そういう流れでは欧米並には趣味的な犯罪も増えていますね。もちろん全然良いこととは思いませんけどね。日本でも昭和初期辺りまでは結構あったことですよ」
探偵という職業柄か、夜月の犯罪者観は社会的な疾患という一般化をされているようで、プロの目という言い方もできるがあまりに巨視的で純一には違和感を感じた。
「昭和ってもう平成もいい加減経っていますよ」
「もちろんそうなんですが、本質的に人の営みなんて変わりませんからね。倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る、と、古い言葉にもあるようにヒトサマに追いついて満足ができて、満足できたところで落ち着いて周りを見る、とまぁ器質的に正常なヒトであってもそういう具合であれば、犯罪者の過半が器質的に問題のない日本であれば、社会疾患と考えてもいいと思いますよ。ソレを許容できるか出来ないかは別の問題ですが、身近で起こらなければ問題と看做さないというのが、効率的だと思います。もっとも、平成なんてバブルな名前を年号に持ってきた辺り日本人の傲慢を感じさせるので、かつて歴史上あらゆる世界で誰も理解できなかった理想郷を目指しているというカッコよく前向きな発想を持っていれば、犯罪者の家族の救済というのはひとつのテーマともいえます」
そう言って、夜月は言葉を切った。
「つまり、俺の言っていることは単なる偽善だと、そういう風に言っているわけですか」
純一は夜月の言葉が切れたことに苛立ったように言った。
「偽善、と言ってしまうと無責任な善意を否定するコトになるので私はそうは言いませんし、アレは善意を受ける側となす側にのみ許された意見であって、第三者の客観視点から偽善と糾弾するのは、また更に愚かしい、余計なお世話というヤツです。ただ、ソレを偽善と胸の中で感じると思うなら、その善行が完了できない疑いを持つナニカを感じているということです」
「俺が無責任なコトを言っているということですか」
純一は拗ねたように焦れたように唸る。
「無責任は大いに結構だと思います。そもそも議論の発端と言うのは誰も責任を持てないので、責任を整理するために議論を起こすはずですから。問題は、現状出ている議論の展開では処理可能な結論を導き出すことは困難ではないかと、多くの賢人先達がかつて諦めた問題に、畑中さんがイマ改めて挑んでいるということです」
「つまり、イマの俺には無意味な問題を考えているということですか。でも例えば、あの子たちからは損害賠償をとらない方法だってあるはずですし、他の方法だってナニか、きっと……」
純一は夜月の言葉に理解が追いついているかを確認して、自分が良いように惑わされているのではないかと疑いを持って夜月の論旨を確認した。
「彼らのことを思うなら、損害賠償請求で手加減をすることはあまり意味がありません。他の方々の分も均等に減らすと言うなら、まぁ分からなくもないと言うか、ありえなくもないですが、ソレを知った彼らは誇りを傷つけられるでしょうね。まぁそれでも結局同じことですよ。今の日本で中卒で心健やかな年収を稼ぐのは困難ですし、ソレをなすのは地獄と大差ない苦痛でしょうし、海外っていうのも悪くはないですが、日本で暮らしての都落ちだと相当辛い大バクチでしょうね。まぁ、高等工科学校生徒ってのが中卒でしかし将来を捨てない方法で一番確実と思います」
「なんです?高等工科学校生徒ってのは」
何でもいいから、前向きな希望が欲しい純一は訊いてみた。
「むかし少年自衛官と俗に言っていた制度ですよ。防衛大学校と同じような勉強しながら公務員になるっていうナカナカ素敵なシステムです。かなり身体制限が厳しいので一般に簡単と一言では言えませんが、難関と諦めるほどのものでもありません。とくに今回の……米田隆仁くんのようなケースでは本人の言葉を信じるなら、可能性は捨てたものでもないと思います。自衛隊に入るっていう道の一つなんで一般的とはお世辞にも言いにくいですけどね」
自分が探偵などしている夜月が言うのも変だがというような皮肉げな表情で、純一に懸念の一つについての希望を語った。
「じゃぁ、明智さんもその制度を利用して――」
「ところが、陸上自衛隊の設備と管理上の問題から女の子は受け付けていないんですよ。高等工科学校生徒は」
夜月が先に示した希望をあっさりと断つ。
「そんな、ソレっておかしくないですか。今の世の中、男女差別ってどこかに問題にならないんですか」
「まぁ、塹壕掘ったり泥にまみれて山の中歩いたりする仕事ですからね、兵隊さんってのは。野郎なら怒鳴りつければ伝わって、ビンタはって気合入れて、やってみせながらケツ叩くってのは、意外と面倒くさいですが流れ作業で出来るんです。けど、男女でノウハウの位置が違いますからね。男で上手くいったからって女で上手くいくとは流石に言えないんで、教育のプロではない後輩の同僚を育てている公務員としては少し腰が引けますよ。高等工科学校生徒って、男子校みたいなニュアンスですね」
夜月が説明した。
「女性でも自衛官はいるじゃないですか」
「まぁ、女性の将官もパラパラいるのでそうなんですが、思春期ですからねぇ。管理が面倒だというのが大きいでしょうね。普通の全寮制の男子校と同じでたまぁに色々問題も起こるらしいので、全寮制の女子校で問題が起こるとまた困りますし、本当を言うと国が予算を削った都合ってのもありますし」
問題の背景を大雑把に夜月が説明した。
「それじゃぁ、中卒の女の子がマトモにお金を稼ぐのは、無理ってことですか」
「まぁ、おとぎ話じみたよほどの幸運を必要とするのは間違いないですね。なんとか大賞とかなんとかクイーンとか」
夜月は純一が無意識に使ったマトモ、という言葉に反応したが、流して言った。
「なにかないんですか」
純一は苦しげに訊いた。
「博打を打つにしても、元手がないとダメですからね。どっかのお妾にでもなるのが昔の流儀です」
「本気で訊いているんです。もちろん偽善的な発想とは思いますけど、ひとりには何かがあってもうひとりにはナニモナイってのは、ただの偽善をなす意味すらない」
短く切った夜月の言葉に純一は言った。
「一番いいのは、全寮制の学校の特待生になって食費も学費も給付してもらうコトでしょうねぇ。で、卒業後にどこか会社に就職してソコから弁済ってのが一番理想的です。単純に生活が~っていうだけなら進学せずに市井で働けば、食いっぱぐれない程度の努力は可能ですが、そうでないなら最低限高卒で公務員あるいは大学進学で企業に就職はしていないと厳しいでしょうね。大卒なら初任給から生活費引いたらクルマのローンは払えるくらい残りますから、歯をくいしばる位で済みますけど、中卒だと風邪も惹けませんよ。高等工科学校生徒はそういう意味ではかなりのオススメです。手取りではたいした金額にならないと思いますが、無形の部分が大きいですからね。偽善と言わずに奨めてみるのは、米田くんには良いと思います。たぶんそんなものがあることにも気がついていないでしょうから。あるいは気がついていても、保証人のところが問題になるかもしれません。その辺は畑中さんがなんとか出来るでしょう」
少なくともひとりについては賭けの分はみえた、と夜月は純一に示してみせたようだった。
「で、明智さんのほうは……」
縋るような純一の視線に夜月は困ったような顔をする。
「一番簡単なのはどこか老舗の風俗で春をひさいで、水商売のお店を出す。――いや、冗談です。夢見がちなコースですけど、中卒の女の子がソコまで順調なケースを私はほとんど知りません。この手のモノには運と才覚と経験が必要です。モノになる前に私生児産んでもう一人不幸な子供が出来るってパターンでしょうね。パートで働いてってのも似たような結末です。自力で自尊心を満足させるには最低限、高卒公務員、大卒企業就職でしょうね。あるいはソレまでに人脈をつかんで起業するか。いずれもできないから、絶望的となると――」
夜月はナニカにはたと気がついたように言葉を止めて純一を見る。
「なにかあるんですか。いいアイディアが」
純一は夜月の視線に突かれるようなナニカを感じて訊いた。
「あぁーうん。いやね。まぁ過去にないわけでもない話を思い出したんですけどね」
「聞かせてください」
「うーん。まぁ、そこまで言いたくなるくらい、カワイイ子なんですね」
夜月の言い方に純一は眉をひそめる。
「中学生ですよ」
つい純一は咎めるように口にした。
「まぁそうですね。結局ソコがこの問題の根幹です。高校卒業までの三年余りという時間とお金の問題です。その期間を明智さんがどう過ごすかと言う問題ですね。私は児童福祉施設について、今回はあまり期待をしていません。精神的な支えにはなってくれるかもしれませんが、時期的な問題とお金の問題を考えれば実効性には疑問があるからです。……彼らが無能と言っているわけでなく、単に時期が悪すぎるというだけです」
純一は夜月に無言で頷いて先を促した。
「ソコから先は聞きたければ紅茶を入れてください。ちょっとつかれました」
夜月はそう言うとキッチンを指さした。
純一にも夜月の仄めかしの意味はなんとなく読み取れたが、夜月の解答例が知りたくて立ち上がると黙って紅茶をいれた。
「まぁつまり、高校なり大学なりに進学できれば、弁済の可能性もあるということですよ。多少苦労するにしてもですけどね」
そう言って純一のいれた紅茶を夜月は口にした。紅茶は多少いがらっぽいように純一には感じられたが夜月はとくにナニも言わなかった。
「ですが、それが困難だというのが問題なのでは」
「誰かがそこまでの保護者になればいいのですよ。つまり養子にしてもらえればいいのですよ」
簡単だろうという顔を夜月はしてみせた。だが純一にはそう上手くいくとも思えない。
「そんなに都合よく見つかるものなんですか、養子縁組の引取り手ってのは」
「まぁ、運次第ってところでしょうね」
夜月は手札を投げ晒すように言った。
「それだと、高校進学もムリって言ってるみたいじゃぁないですか」
「――まぁ心当たりがないでもないですけどね。聞いてみます?」
純一の脳裏には水本弁護士のテラテラの頭が目に浮かんだ。
「お願いします」
「そしたら、水本先生のところに行きますか」
水本弁護士は忙しそうにしていたが、夜月と純一が揃って現れたことに不思議な興味を引かれたらしく、不機嫌ということもなく時間をとってくれた。
「先生、明智由美さんの法定代理人ってのはなっていただけるものですかね」
夜月は挨拶のあとに水本に促されそう切り出した。
「……お前さんが用意した資料を見れば理屈の上では、まぁなれんこともないだろうが、なにかあるのか」
「養子縁組するとなると、十五歳未満には必要ですよね。法定代理人」
「まぁそうなるな。誰か引き取りたいって口があるのか。彼女を」
興味ありげに水本弁護士が身を乗り出した。
「――どうでもいいって言う話でもないし、虐待とかは勘弁して欲しいから賠償金がらみなら俺はヤだぞ」
「畑中さんが学歴獲得まで後見したいということなので、虐待は問題ないでしょう。賠償の方はまぁ先生の方にはちょっと待ってもらった方がいいと思いますが」
「待ってください。てっきり俺は水本先生がどなたかご存知かと思って」
純一が慌てたのを大人ふたりは呆れたように眺めた。
「おい、斎くん。キミの早とちりと言うか、引掛けのシコミか」
「いや、もうてっきり畑中さんも理解して承知しているものだと思ったので、連れてきてしまったのですが」
夜月の言い訳に、仕方ない、というように水本がため息を付いた。
「畑中くん、養子縁組を斡旋するケースは弁護士業務の一環としてはもちろんある。だが、今回のように民事上の賠償が絡んだ訴訟がある場合には流石にムリだ。ややこしい問題を先方に持ち込むことになるからな。養親が良心的な人物でも一般に私は断っている。それはコイツも分かっていたはずだ。だから敢えてと言うときには、なにか裏があると思って興味があった。まぁだからキミが彼女を引き取りたいという申し出の希望があるなら、それは明智さんの判断を含めた作業に移るのは吝かではない。だが、そこまでの覚悟がないなら、辞めておき給え」
そう言って水本は夜月を睨みつけた。
「まぁ、あとは無料で二人の家庭教師やってあげるくらいですかね。私が思いつくのは」
帰りの車の中で、夜月は運転しながらそんな風に言った。
九月になってもいいことはあまりなかった。八月の第一週におこなわれた裁判で事実上の勝利判定を受けた段階で、教唆犯の存在は公判を通して印象づけられ、しかし相手はネットに既に深く潜ってしまったことがほぼ確定したくらいだ。それを良い事と言うかどうかは純一にとって疑問だった。
ゴルトベルグこと金城女史かあるいはギルガメッシュタバーンのマスターになんらかの助力を頼めば、幾らかの真実のタシに辿りつけたのかもしれないが、本質的に法廷闘争を求めているわけでない純一には法廷での勝利は心慰められる出来事でもなく、あまつさえアングラヒーローとしての立場を密かに獲得していたという事実は更に純一の心を傷めつけるものだった。
アンダーグラウンドのリテラシーとして純一の日常はただ静かに観測されていただけだが、その気になれば容易にソレを破壊できる、なんらかの襲撃をおこなうには十分な情報が大量に蓄積されており、純一が密かにどちらかに連泊していることが明らかにされていた。幸いその連泊先は追跡されていないが、たまに純一の発見報告や積極的な追跡希望などもあった。あるいは法廷に提出されたログの内容からギルガメッシュタバーンを根城としているという噂も既にあって、そのマスターの威名によってネットワークハッカーたちは面倒を避け、というかまずは遠巻きに様子を見ていることで多少の小康状態を保っているようだった。
酒場のマスターは仲介のお礼に足を向けたときに、面白そうにそんな話をしてくれた。
「まぁ、一種の絶滅危惧種みたいなモノだからね。キミみたいな分かりやすい正義の味方は」
「どういう意味です?」
軽く入ったマスターの言葉に、不穏な響きを感じて純一は目を眇めてしまった。
その様子に多少マスターは動揺をしたが、話を振った責任として完結させることにした。
「ニュースの追跡から始まったキミの生い立ちを遡って追跡したファンサイトがあるんだよ」
見せてもらうと、いわゆる勝手連のような、とくに好奇心以上の悪意はない畑中純一追っかけサイトが立ち上がっていた。
パスワードを要求される会員専用サイトだったが、マスターが見せた内容は新聞記事の収集から中学の大会記録、裁判傍聴記録、つい春先の学会発表、ストーカーまがいの写真集、どういう経路で集まったか分からないがみっしりと記事があった。
そこまではタイトルとテーマから耐えられたのだが、女の子四人分の様々なスナップショットが恋人として掲載されているのは純一の神経を削った。
コメントページの内容も純一の頭に血を上らせるに十分な内容だった。
このクソ熱いのに、と夜月が揶揄するほどにバッティングセンターに通いつめ、プロ用というケージに篭ってワンコインでホームランパネルを鳴らすことができるほどになっていたのは少し前、八月の終わりの出来事だった。
別に望んでおこなったコトでないモノに奇妙な評価をくだされるのはひどく純一の神経を苛んでいたが、まだ他にもあった。
人造湖の脇の飯場で死んだ男のウチの二人の遺族がどう考えても社会的責任能力のない幼い男女だったことだ。
「この度は兄が畑中さんには大変ご迷惑をおかけしました。満足なお詫びの言葉もありませんが、賠償は絶対にきちんとさせていただきたいと思います」
そう言った米田隆仁は痩せて細く、兄の米田雅仁とどことなく似た整った顔をしてた。怒りとも悲しみともつかなかったが、他の加害者の家族とは別に緊張した顔で純一の前に立って言った。中学生だと言った。
「こんなコトを畑中さんに聞くのは全く筋違いなのは分かっていますが、兄を殺したナニかについてなんでも分かることはありませんか」
そう言った明智晴臣の妹、明智由美は縋るような目を純一に向けた。純一が気絶していた後のことは覚えていないと言うと、ひどく寂しそうに可憐に笑った。高校進学を諦めると言っていた。
結局、純一が不意打ちを食らった強姦事件の初公判以外はほぼ完全に順調な形で進み、九月の最初の週には強姦事件はおそらく終わるだろう、そんな雰囲気のままに公判は進んだ。どういう意味でも被告側の弁護士は精細を欠いており、不可思議というほどに鈍く、裁判官が体調不良を心配して公判後の時間で交代を希望するかというような確認をおこなうほどだった。
阿吽魔法探偵事務所にいる純一の気配はダラけているというよりは疲れており、バッティングセンターでバットを振って頭を空にして、無理やり自宅に不機嫌を持ち込まないようにしていた。仮想的な暴力を自らに課す純一の様子はそうは言っても共同生活者には筒抜けであったが、内面にあるものが単純要因によるでないとすれば単純な外圧で状況を好転させるのは難しく、ひとつきも経っていないことからお互いの微妙な距離感が今は様子見という行動を自称恋人たちに採らせていた。
「俺が気絶したあとナニがあったんでしょうねぇ。四人が死んで市川は腕を砕かれて。ようやく公判での証言能力が回復してきたみたいですけど、未だにロボットみたいな状態で」
純一は溢れくるままに、そう口にしていた。
「ああ、うん。殺された加害者の方の話ですか」
冷たくもなく暖かくもなく斎夜月は応じた。強いて言えば、退屈しのぎの良い話題という軽い雰囲気だった。
「生きていれば、本人に罪を清算させるのはどうとも思わないんですけど、ソレを遺族にっていうのは」
「ああ、うん。まぁそうとも言えますけど、どういう形でも結局、周りに迷惑をかけますよ。だいたい犯罪者なんていうのは、ひとりではどうにもならない環境があってなる種類のモノですから。日本では特にそうです。海外ですと純粋に趣味的な犯罪も結構多いですが。……ああ、まぁそうは言っても、ここしばらく格差社会とか言われてきてますしね。そういう流れでは欧米並には趣味的な犯罪も増えていますね。もちろん全然良いこととは思いませんけどね。日本でも昭和初期辺りまでは結構あったことですよ」
探偵という職業柄か、夜月の犯罪者観は社会的な疾患という一般化をされているようで、プロの目という言い方もできるがあまりに巨視的で純一には違和感を感じた。
「昭和ってもう平成もいい加減経っていますよ」
「もちろんそうなんですが、本質的に人の営みなんて変わりませんからね。倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る、と、古い言葉にもあるようにヒトサマに追いついて満足ができて、満足できたところで落ち着いて周りを見る、とまぁ器質的に正常なヒトであってもそういう具合であれば、犯罪者の過半が器質的に問題のない日本であれば、社会疾患と考えてもいいと思いますよ。ソレを許容できるか出来ないかは別の問題ですが、身近で起こらなければ問題と看做さないというのが、効率的だと思います。もっとも、平成なんてバブルな名前を年号に持ってきた辺り日本人の傲慢を感じさせるので、かつて歴史上あらゆる世界で誰も理解できなかった理想郷を目指しているというカッコよく前向きな発想を持っていれば、犯罪者の家族の救済というのはひとつのテーマともいえます」
そう言って、夜月は言葉を切った。
「つまり、俺の言っていることは単なる偽善だと、そういう風に言っているわけですか」
純一は夜月の言葉が切れたことに苛立ったように言った。
「偽善、と言ってしまうと無責任な善意を否定するコトになるので私はそうは言いませんし、アレは善意を受ける側となす側にのみ許された意見であって、第三者の客観視点から偽善と糾弾するのは、また更に愚かしい、余計なお世話というヤツです。ただ、ソレを偽善と胸の中で感じると思うなら、その善行が完了できない疑いを持つナニカを感じているということです」
「俺が無責任なコトを言っているということですか」
純一は拗ねたように焦れたように唸る。
「無責任は大いに結構だと思います。そもそも議論の発端と言うのは誰も責任を持てないので、責任を整理するために議論を起こすはずですから。問題は、現状出ている議論の展開では処理可能な結論を導き出すことは困難ではないかと、多くの賢人先達がかつて諦めた問題に、畑中さんがイマ改めて挑んでいるということです」
「つまり、イマの俺には無意味な問題を考えているということですか。でも例えば、あの子たちからは損害賠償をとらない方法だってあるはずですし、他の方法だってナニか、きっと……」
純一は夜月の言葉に理解が追いついているかを確認して、自分が良いように惑わされているのではないかと疑いを持って夜月の論旨を確認した。
「彼らのことを思うなら、損害賠償請求で手加減をすることはあまり意味がありません。他の方々の分も均等に減らすと言うなら、まぁ分からなくもないと言うか、ありえなくもないですが、ソレを知った彼らは誇りを傷つけられるでしょうね。まぁそれでも結局同じことですよ。今の日本で中卒で心健やかな年収を稼ぐのは困難ですし、ソレをなすのは地獄と大差ない苦痛でしょうし、海外っていうのも悪くはないですが、日本で暮らしての都落ちだと相当辛い大バクチでしょうね。まぁ、高等工科学校生徒ってのが中卒でしかし将来を捨てない方法で一番確実と思います」
「なんです?高等工科学校生徒ってのは」
何でもいいから、前向きな希望が欲しい純一は訊いてみた。
「むかし少年自衛官と俗に言っていた制度ですよ。防衛大学校と同じような勉強しながら公務員になるっていうナカナカ素敵なシステムです。かなり身体制限が厳しいので一般に簡単と一言では言えませんが、難関と諦めるほどのものでもありません。とくに今回の……米田隆仁くんのようなケースでは本人の言葉を信じるなら、可能性は捨てたものでもないと思います。自衛隊に入るっていう道の一つなんで一般的とはお世辞にも言いにくいですけどね」
自分が探偵などしている夜月が言うのも変だがというような皮肉げな表情で、純一に懸念の一つについての希望を語った。
「じゃぁ、明智さんもその制度を利用して――」
「ところが、陸上自衛隊の設備と管理上の問題から女の子は受け付けていないんですよ。高等工科学校生徒は」
夜月が先に示した希望をあっさりと断つ。
「そんな、ソレっておかしくないですか。今の世の中、男女差別ってどこかに問題にならないんですか」
「まぁ、塹壕掘ったり泥にまみれて山の中歩いたりする仕事ですからね、兵隊さんってのは。野郎なら怒鳴りつければ伝わって、ビンタはって気合入れて、やってみせながらケツ叩くってのは、意外と面倒くさいですが流れ作業で出来るんです。けど、男女でノウハウの位置が違いますからね。男で上手くいったからって女で上手くいくとは流石に言えないんで、教育のプロではない後輩の同僚を育てている公務員としては少し腰が引けますよ。高等工科学校生徒って、男子校みたいなニュアンスですね」
夜月が説明した。
「女性でも自衛官はいるじゃないですか」
「まぁ、女性の将官もパラパラいるのでそうなんですが、思春期ですからねぇ。管理が面倒だというのが大きいでしょうね。普通の全寮制の男子校と同じでたまぁに色々問題も起こるらしいので、全寮制の女子校で問題が起こるとまた困りますし、本当を言うと国が予算を削った都合ってのもありますし」
問題の背景を大雑把に夜月が説明した。
「それじゃぁ、中卒の女の子がマトモにお金を稼ぐのは、無理ってことですか」
「まぁ、おとぎ話じみたよほどの幸運を必要とするのは間違いないですね。なんとか大賞とかなんとかクイーンとか」
夜月は純一が無意識に使ったマトモ、という言葉に反応したが、流して言った。
「なにかないんですか」
純一は苦しげに訊いた。
「博打を打つにしても、元手がないとダメですからね。どっかのお妾にでもなるのが昔の流儀です」
「本気で訊いているんです。もちろん偽善的な発想とは思いますけど、ひとりには何かがあってもうひとりにはナニモナイってのは、ただの偽善をなす意味すらない」
短く切った夜月の言葉に純一は言った。
「一番いいのは、全寮制の学校の特待生になって食費も学費も給付してもらうコトでしょうねぇ。で、卒業後にどこか会社に就職してソコから弁済ってのが一番理想的です。単純に生活が~っていうだけなら進学せずに市井で働けば、食いっぱぐれない程度の努力は可能ですが、そうでないなら最低限高卒で公務員あるいは大学進学で企業に就職はしていないと厳しいでしょうね。大卒なら初任給から生活費引いたらクルマのローンは払えるくらい残りますから、歯をくいしばる位で済みますけど、中卒だと風邪も惹けませんよ。高等工科学校生徒はそういう意味ではかなりのオススメです。手取りではたいした金額にならないと思いますが、無形の部分が大きいですからね。偽善と言わずに奨めてみるのは、米田くんには良いと思います。たぶんそんなものがあることにも気がついていないでしょうから。あるいは気がついていても、保証人のところが問題になるかもしれません。その辺は畑中さんがなんとか出来るでしょう」
少なくともひとりについては賭けの分はみえた、と夜月は純一に示してみせたようだった。
「で、明智さんのほうは……」
縋るような純一の視線に夜月は困ったような顔をする。
「一番簡単なのはどこか老舗の風俗で春をひさいで、水商売のお店を出す。――いや、冗談です。夢見がちなコースですけど、中卒の女の子がソコまで順調なケースを私はほとんど知りません。この手のモノには運と才覚と経験が必要です。モノになる前に私生児産んでもう一人不幸な子供が出来るってパターンでしょうね。パートで働いてってのも似たような結末です。自力で自尊心を満足させるには最低限、高卒公務員、大卒企業就職でしょうね。あるいはソレまでに人脈をつかんで起業するか。いずれもできないから、絶望的となると――」
夜月はナニカにはたと気がついたように言葉を止めて純一を見る。
「なにかあるんですか。いいアイディアが」
純一は夜月の視線に突かれるようなナニカを感じて訊いた。
「あぁーうん。いやね。まぁ過去にないわけでもない話を思い出したんですけどね」
「聞かせてください」
「うーん。まぁ、そこまで言いたくなるくらい、カワイイ子なんですね」
夜月の言い方に純一は眉をひそめる。
「中学生ですよ」
つい純一は咎めるように口にした。
「まぁそうですね。結局ソコがこの問題の根幹です。高校卒業までの三年余りという時間とお金の問題です。その期間を明智さんがどう過ごすかと言う問題ですね。私は児童福祉施設について、今回はあまり期待をしていません。精神的な支えにはなってくれるかもしれませんが、時期的な問題とお金の問題を考えれば実効性には疑問があるからです。……彼らが無能と言っているわけでなく、単に時期が悪すぎるというだけです」
純一は夜月に無言で頷いて先を促した。
「ソコから先は聞きたければ紅茶を入れてください。ちょっとつかれました」
夜月はそう言うとキッチンを指さした。
純一にも夜月の仄めかしの意味はなんとなく読み取れたが、夜月の解答例が知りたくて立ち上がると黙って紅茶をいれた。
「まぁつまり、高校なり大学なりに進学できれば、弁済の可能性もあるということですよ。多少苦労するにしてもですけどね」
そう言って純一のいれた紅茶を夜月は口にした。紅茶は多少いがらっぽいように純一には感じられたが夜月はとくにナニも言わなかった。
「ですが、それが困難だというのが問題なのでは」
「誰かがそこまでの保護者になればいいのですよ。つまり養子にしてもらえればいいのですよ」
簡単だろうという顔を夜月はしてみせた。だが純一にはそう上手くいくとも思えない。
「そんなに都合よく見つかるものなんですか、養子縁組の引取り手ってのは」
「まぁ、運次第ってところでしょうね」
夜月は手札を投げ晒すように言った。
「それだと、高校進学もムリって言ってるみたいじゃぁないですか」
「――まぁ心当たりがないでもないですけどね。聞いてみます?」
純一の脳裏には水本弁護士のテラテラの頭が目に浮かんだ。
「お願いします」
「そしたら、水本先生のところに行きますか」
水本弁護士は忙しそうにしていたが、夜月と純一が揃って現れたことに不思議な興味を引かれたらしく、不機嫌ということもなく時間をとってくれた。
「先生、明智由美さんの法定代理人ってのはなっていただけるものですかね」
夜月は挨拶のあとに水本に促されそう切り出した。
「……お前さんが用意した資料を見れば理屈の上では、まぁなれんこともないだろうが、なにかあるのか」
「養子縁組するとなると、十五歳未満には必要ですよね。法定代理人」
「まぁそうなるな。誰か引き取りたいって口があるのか。彼女を」
興味ありげに水本弁護士が身を乗り出した。
「――どうでもいいって言う話でもないし、虐待とかは勘弁して欲しいから賠償金がらみなら俺はヤだぞ」
「畑中さんが学歴獲得まで後見したいということなので、虐待は問題ないでしょう。賠償の方はまぁ先生の方にはちょっと待ってもらった方がいいと思いますが」
「待ってください。てっきり俺は水本先生がどなたかご存知かと思って」
純一が慌てたのを大人ふたりは呆れたように眺めた。
「おい、斎くん。キミの早とちりと言うか、引掛けのシコミか」
「いや、もうてっきり畑中さんも理解して承知しているものだと思ったので、連れてきてしまったのですが」
夜月の言い訳に、仕方ない、というように水本がため息を付いた。
「畑中くん、養子縁組を斡旋するケースは弁護士業務の一環としてはもちろんある。だが、今回のように民事上の賠償が絡んだ訴訟がある場合には流石にムリだ。ややこしい問題を先方に持ち込むことになるからな。養親が良心的な人物でも一般に私は断っている。それはコイツも分かっていたはずだ。だから敢えてと言うときには、なにか裏があると思って興味があった。まぁだからキミが彼女を引き取りたいという申し出の希望があるなら、それは明智さんの判断を含めた作業に移るのは吝かではない。だが、そこまでの覚悟がないなら、辞めておき給え」
そう言って水本は夜月を睨みつけた。
「まぁ、あとは無料で二人の家庭教師やってあげるくらいですかね。私が思いつくのは」
帰りの車の中で、夜月は運転しながらそんな風に言った。
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