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第8章
ライオンの弱点
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秋彦は眠りに落ちた。
けれど、はっきり今の言葉は秋彦も、谷崎も覚えている。
それでも思わずにはいられない。
簡単に終れるものなのだろうか。
谷崎自身、思うことを終らせることが出来なかったのに。
今、確かに聞いたまるい声。
けれど、自信が持てない。
仔ウサギをを一瞬で奪い去ることが出来るだろうオオカミの影に、谷崎は怯える。
そして、その時、秋彦が選ぶのは自分ではないと谷崎は何となく思ってしまう。
「どうしたの?怖い夢見た?」
腕の中で秋彦が秋彦が見つめる。
「俺を、選んでくれますか?葉山先輩じゃなくて…」
秋彦はそっと谷崎の頬に手を添え、深く口づけた。
「これが、答え」
秋彦の微笑みの中にある一抹の寂しさ。
切なさを埋めようと、谷崎は口づける。
深い口づけを繰り返す。
もう、『友達』は捨てた。
秋彦は谷崎を選んだ。
朝、目を覚ますと腕の中に秋彦がいる。
夢じゃないかと、谷崎は秋彦の柔らかそうな頬に触れる。長い睫毛に縁取られた瞼が、眠たそうに開かれる。
大きな瞳が柔らかに目を細め谷崎を見つめる。
「おはよう、谷崎くん」
「おはようございます。先輩。
今更ですが…ちょっと恥ずかしいっすね。
腕苦しいですよね、すみません」
谷崎が回した腕をほどこうとすると、秋彦は谷崎に引っ付くように身体を寄せた。
「谷崎くん、あったかい。暫くこうしてて」
「俺は先輩専用のブランケットですか?」
ふざけて谷崎がそう言うと、秋彦は、
「僕以外…暖めないで」
腕の中でそうねだる秋彦は朝の斜めの陽を浴びて清廉な色っぽさがあった。
暫くするとそのまますやすやとまた寝息をたて始めた。
「殺し文句っすよ…」
───────────続
けれど、はっきり今の言葉は秋彦も、谷崎も覚えている。
それでも思わずにはいられない。
簡単に終れるものなのだろうか。
谷崎自身、思うことを終らせることが出来なかったのに。
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けれど、自信が持てない。
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深い口づけを繰り返す。
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「谷崎くん、あったかい。暫くこうしてて」
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ふざけて谷崎がそう言うと、秋彦は、
「僕以外…暖めないで」
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