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第10章
ライオンと妖艶なウサギの夜②
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身体を這う谷崎の大きな手。
的確に快感の場所を刺激する。
整った口で秋彦の脚の間を愛撫するとあっという間に秋彦は上り詰め、吐精した。
秋彦の汗で濡れた髪を優しく指先で梳いたあと、谷崎は用意していたゼリー状のローションで秋彦の後らをほぐしていき、
暫くし、耳元で囁いた。
「先輩。力、抜いて、息を、吐いて」
秋彦の身体は谷崎の身体を受け入れる。
それからは秋彦はただ喘ぐだけだった。
とうに身体は何回も達していて、限界なのに、まるで獣に成り下がったかのように貪欲に
『もっと』と谷崎をねだった。
身体を繋げながらキスをした。
揺さぶられて、
「俺には先輩だけなんです」
と言われた瞬間、思い切り奥を突かれ、
頭が真っ白になる。
それからは、谷崎の広い背中にしがみつき、
半泣きになりながら上り詰め、
秋彦はクタリと果てた。
頭が炭酸に浸かってるみたいだと秋彦は思う。
行為を終えたあともまだふわふわしていた。
谷崎はスキンの後始末をしていた。
「先輩、大丈夫?スミマセン歯止め聞かなくて」
「不思議な感じ。満たされて、気持ちよくて」
「少し眠ります?」
「傍にいて」
谷崎と少しでも離れるのが寂しい。
「ちょっと待っていてください」
穏やかにそう言うと谷崎は、
何故か不自然に置いてある箱のティッシュで、秋彦の身体を丁寧に拭く。
いとしそうに目を細めて、
行為の名残を拭き終わると、
谷崎は秋彦を腕枕し、空いた片手で包むように抱きしめた。
「先輩、あなたが好きです。どうしようもないほどあなたが好きです」
「僕も、谷崎くんが好きだよ?」
「…先輩がくれたメーカーの、柚子ののど飴、たまに買うんです。
寂しいとき、ずっとこの飴をなめてた。
今まで関係を持ったひとは何人かいます。
だけど、先輩みたいに好きになったひとはいません。
そのひとの喜ぶ顔が見たい。
しあわせであって欲しい、
そのひとのしあわせの中に自分がいられたらいいのに、と思うひとは、俺の中で今まで居ませんでした。先輩、あなたのしあわせの中に俺はいますか?」
「いるよ。僕のしあわせの中に谷崎くんはいるよ。ずっといるから。
谷崎くん、好きだよ、泣いてるの?
どうしたの?」
「いえ…きっと、しあわせだからです。
先輩、俺、夢見てるみたいだよ。
でも、いつか目が覚めるみたいに全部消えちゃうのかな。先輩の気持ちも、先輩も」
青い瞳からこぼれる涙があまりにも切なかった。秋彦はギュッと谷崎にしがみつく。
「怖がらないでいいよ。あのね、これだけは信じて欲しいんだ。
僕は谷崎くんの傍にいるよ。
『もしも』のときはそれは谷崎くんが手を離したとき。
僕は谷崎くんのことが好きだから。
ずっと一緒にいるから。
僕の心臓の音、聴く?安心するよ」
谷崎はトクントクンといつもより早めの秋彦の胸の鼓動を聴く。
心地いいリズムと埋めた秋彦の懐の甘い匂いに安心する。
秋彦は、腕の中に目を瞑る恋人が、
あまりにいたいけで、いとしく思えた。
───────────続
的確に快感の場所を刺激する。
整った口で秋彦の脚の間を愛撫するとあっという間に秋彦は上り詰め、吐精した。
秋彦の汗で濡れた髪を優しく指先で梳いたあと、谷崎は用意していたゼリー状のローションで秋彦の後らをほぐしていき、
暫くし、耳元で囁いた。
「先輩。力、抜いて、息を、吐いて」
秋彦の身体は谷崎の身体を受け入れる。
それからは秋彦はただ喘ぐだけだった。
とうに身体は何回も達していて、限界なのに、まるで獣に成り下がったかのように貪欲に
『もっと』と谷崎をねだった。
身体を繋げながらキスをした。
揺さぶられて、
「俺には先輩だけなんです」
と言われた瞬間、思い切り奥を突かれ、
頭が真っ白になる。
それからは、谷崎の広い背中にしがみつき、
半泣きになりながら上り詰め、
秋彦はクタリと果てた。
頭が炭酸に浸かってるみたいだと秋彦は思う。
行為を終えたあともまだふわふわしていた。
谷崎はスキンの後始末をしていた。
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「不思議な感じ。満たされて、気持ちよくて」
「少し眠ります?」
「傍にいて」
谷崎と少しでも離れるのが寂しい。
「ちょっと待っていてください」
穏やかにそう言うと谷崎は、
何故か不自然に置いてある箱のティッシュで、秋彦の身体を丁寧に拭く。
いとしそうに目を細めて、
行為の名残を拭き終わると、
谷崎は秋彦を腕枕し、空いた片手で包むように抱きしめた。
「先輩、あなたが好きです。どうしようもないほどあなたが好きです」
「僕も、谷崎くんが好きだよ?」
「…先輩がくれたメーカーの、柚子ののど飴、たまに買うんです。
寂しいとき、ずっとこの飴をなめてた。
今まで関係を持ったひとは何人かいます。
だけど、先輩みたいに好きになったひとはいません。
そのひとの喜ぶ顔が見たい。
しあわせであって欲しい、
そのひとのしあわせの中に自分がいられたらいいのに、と思うひとは、俺の中で今まで居ませんでした。先輩、あなたのしあわせの中に俺はいますか?」
「いるよ。僕のしあわせの中に谷崎くんはいるよ。ずっといるから。
谷崎くん、好きだよ、泣いてるの?
どうしたの?」
「いえ…きっと、しあわせだからです。
先輩、俺、夢見てるみたいだよ。
でも、いつか目が覚めるみたいに全部消えちゃうのかな。先輩の気持ちも、先輩も」
青い瞳からこぼれる涙があまりにも切なかった。秋彦はギュッと谷崎にしがみつく。
「怖がらないでいいよ。あのね、これだけは信じて欲しいんだ。
僕は谷崎くんの傍にいるよ。
『もしも』のときはそれは谷崎くんが手を離したとき。
僕は谷崎くんのことが好きだから。
ずっと一緒にいるから。
僕の心臓の音、聴く?安心するよ」
谷崎はトクントクンといつもより早めの秋彦の胸の鼓動を聴く。
心地いいリズムと埋めた秋彦の懐の甘い匂いに安心する。
秋彦は、腕の中に目を瞑る恋人が、
あまりにいたいけで、いとしく思えた。
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