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珠合わせ前の騒動〖第54話〗──①
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縺れた糸は綻んで、儀式に望む。悪意は返り、悪を喰らう。君を背に空を駆け、暗闇の儀式に授かったのは、金色の珠。二人の欲して止まなかった愛しい赤子。
***
いよいよ、儀式当日。珠合わせの儀の日だ。珠合わせは酉の刻に特別な社に入る。
儀式の条件は夜明けまで二人きりでいること。睦み合うのも自由。話し込むのも自由。外では祝詞を術師や巫女があげ続ける。
今回は大叔母さまはが主となり祝詞をあげてくれることとなった。大叔母さまは昔、山神さまの巫女候補だったが、今は亡き大叔父さまに一目惚れしたので、候補を降りたと言う。
午前中に簡単な儀式を済ます。潔斎中食べられるのは何故か臼でついた白餅と橙だ。それだけは食べ放題だ。申の刻をまわったら、禊、浄めの儀式が始まる。
「橙、酸っぱいけど美味しいね」
「餅と合わさるとが少し胸やけるな。儀式、面倒じゃないか?」
「ううん、一つ終わる度に、そうにいちゃんのお婿さんになれるんだなぁって、思うから」
そのはにかむような笑顔を最後に、空は姿を消した。
「父上!空がいません!」
「何だと!白だな。あのうつけ、まだ懲りてないのか!早くあの馬鹿を探せ!私の御抱え衆に空様双方の捜索を頼むが、この広い敷地では………」
頭を抱える父に思い付いたように蒼は言った。
「この子に、星影に伝えます。金の笛を吹くようにと」
指輪からパタパタと星影が姿を表した。父とは少しだけ会わせたことも話をしたがこうも長く、光を振り撒く姿を見せるのは初めてだ。
「まさに星影だな。星の瞬きそのものだ。美しい」
そう父は、目を細め言う。すると父の指にとまり、パタパタと羽を動かした。
「父上が気に入ったみたいです。星影、空に伝えてくれ『金の笛を吹け。どこにでも飛んでいく』と」
左手をかざすと石に吸い込まれるように星影は消えた。待つ時間がもどかしい。怖い。
「蒼、空様に術は効かない。正しく言えば空様を対象とし、術をかけられない」
「そういえば、お祖父さまも『術師が負ける』と」
「多分、監禁されてるな。良く耳をすませ」
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