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ずっと待ってる〖第17話〗──②
しおりを挟む正座の膝におかれた自分の手が震える。ずっと一緒にいられると思っていた。この想いは、後悔しない。恥ずかしいものではない。ただ、恋した相手は山神さまの子。あまりにも身分違いだった。それでも思わずにはいられない。
『一生をかけて守ります。だから、一緒にいることを許して下さい』
と。あまりにも悲しい。空を忘れたくない。こんなに好きなのに。こんなに愛しいのに。好きだけではだめなのか。何よりも大切なのに。そして、空はまた、孤独に生きるのか。
神官にはあと五年。それだけの年月を、独りで外に出れば『穢れた巫女の子』と言われ。石を投げられて、虐げられ。これが最善なのか。
「だから、婚約話ですか。俺には無理です。一生を空に捧げます。この想いは空以外にはありません」
「……だから珠合わせの約束したのか」
ギクッとした。自分と空の話は全部筒抜けだということか。
「空様は、その間お前を待ち続ける。十五歳までと安易に約束したお前を!ずっとな!空様に術をかけるなど不可能。術師が負ける。幼い空様は愛しいお前をただひたすら待ち続けることになる!空様には上手く言っておく。下がりなさい。婚約は、破棄しておく………」
泣くつもりなんかないのに目頭が熱くなる。忘れてしまうのか、この白菊も、寒桜も。隣で笑う、空も。あまりにも、つらすぎる。
「風が変わったよ。もうすぐ、雪が降るよ」
「こんなに晴れているのに?」
「うん。風花、降るよ。ほら!きらきら綺麗だよ。最初の雪だね………そうにいちゃんと見れてよかった。そうにいちゃん、空はね、そうにいちゃんのことずっと好きだよ。『永遠は、幻だ』なんて言うけど、空は……そうにいちゃんを信じてる。だから、忘れないで、空のこと、忘れないで。春になったらそうにいちゃんの家を出るよ。そうにいちゃんのお祖父さんが泣きながら謝ってた。
『婚約は致しませぬ、けれど蒼を忘れてくだされ』
って。でも、そうにいちゃん、空が十五歳になったら祝言をあげるんでしょ?それまでに準備をして迎えに来てくれるんでしょ?お祖父さんに、
『そうにいちゃんと珠合わせの約束をしました。僕はずっと待っています』
って言ったら、
『再会したとき、最初、蒼に会っても、悲しまないでくだされ。宿命の星があるなら必ず蒼は空様を見つけます。そして答えを見つけます。そうしたら珠合わせを。それは宿命です』
って。僕は待ってるよ。ずっと、待ってるから」
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