僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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あきにいちゃんの病〖第45話〗──②

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「どうするか、だな。相手は術を解除するわけ無いし、暁の親父さんの姿じゃ拷問できないし。最悪な答えは『暁の親父さんが、暁を呪詛したこと』になる。汚いことを!」

    悔しい、つらい、何も出来ない。暁の口の端から、血が伝う。呼吸すら苦しそうにする暁を泣きながら『しっかりしろ!』と呼びかけることしか出来ない。

 自分には、何も出来ない。親友が苦しんでいるのに見ているしか出来ない。無力な自分に腹が立つ。傍らに座る蒼は歯をくいしばり泣いた。
    
 寝台に横たわる暁が、急に苦しみだした。胸をかきむしりだす。爪で掻いた傷が数えきれないほどある。塞がらない傷からは血が止まらない。あまりにも痛々しいのに、自分は見てるだけだ。傷から血が出て胸が血だらけだ。蒼は、

「駄目だ、駄目だ、暁、血が出てる、爪で掻くな!頼むから、苦しいけど耐えてくれ!」

    そう言って泣きながら両腕を掴んだ。暁の傷がこれ以上増えるのを見たくなかった。何回も名前を呼んだ。

「どうすれば……そ、空?」

 空が見たこともないような冷たい顔をした。

「そうだ、術を返せばいいよ。術師の元へ返せばいい。あきにいちゃんが味わった苦痛を何倍にもして。それが一番だよ」

    空は静かに言った。空の瞳は澄んでいた。『神降り』ではない、自らの意思で、白く細い指で、暁の胸に印を書き、目を瞑り唱える。

『黒き蛇よ帰れ。術師を縛り死すら求める苦しみを与えよ。本性を表せ、邪な心には罰を!』
 
 そう空が言うと、暁の胸から黒い大蛇がするすると這い出し、部屋を出ていった。暫くすると暁の父の部屋のようになっている離れから絶叫があがった。屋敷の者に紛れ見に行くと、黒装束の術師が悶絶し叫び声をあげていた。
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