僕の宿命の人は黒耳のもふもふ尻尾の狛犬でした!【完結】

カシューナッツ

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あきにいちゃんの奥さん〖第48話〗──②

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 「獅子尾家は力が強いけど、術が弱いの。どうしたら良いかな?今回のお手柄は綺麗なお客様って聞いたよ。私は息子をつれて別荘に避難してた。暁さんが、喋るのがおぼつかなくなってきた頃、伝染ったら大変だからお前は避難しろってお義父さんに言われて。祈るしか出来なかった自分が悔しかった……空ちゃん、何か私にも、いえ、獅子尾家でも身につけられる術ってない?」

    空は考えた末、言った。

「力を飛ばす訓練から初めてみてはどうでしょうか。術の下地になります。それから好きなひとと話したり、綺麗なものを見たり。身体に陰の気は貯めない方がいいです。獅子尾家は朝に武術の訓練すると聞きました。その一環として行えばいいかと。力を飛ばすのは、術が苦手でも簡単に出来るようになりますよ。少し離れた相手を攻撃するときにも役に立ちます。力を飛ばすのが慣れたらそれぞれの得意な術を見つけるのが一番だと思います」

「ありがとう。空ちゃん。本当にありがとう。あ、これ、家で食べて。今年取れた林檎を絞った『じゅうす』ってものを兎野さん家から貰って寒天で固めたの。匙で食べると良いわ。美味しいわよ」

    夫と、嫁と婿同士部屋を同じくして話が別に盛り上がる。空と薫さんは料理。こっちは、

「あの二十二日、出席できそうか?つらそうだな。代理でも……」
    
心配そうに蒼が見つめると暁は笑って言った。
「腹減ってるだけ。平気だよ。二人ともおめでとう。薫、何か茶菓子の他に食いもんないか?何か腹減って。あのクソ術師、水も食いもんもまともに寄越さねえで。ガリガリになっちまうよ」

    確かに暁は痩せてしまっていた。筋肉の下が骨、と言う感じだ。着物のあわせの部分から見える身体があまりに頼りなく、蒼は目を伏せた。

    話はつきることなく続き、いつの間にか未の刻を過ぎていた。

「お昼、遅くなったけど、食べていって」

「そうしたいのは山々ですが、父に連絡を入れたいことがありまして。また、必ず来ます」

    そう言うと、薫さんは、パタパタと部屋から奥へ急ぎ足で消えた。

「用意したお昼、お弁当みたいにしたからお家で食べて。空ちゃんまた来てね。蒼さんも」

    袋二つの色々なお土産。玄関先で二人は手を振る。耳と尾を出す。流石に薫さんのいる前では狗の姿にはなりづらい。いきなり驚かせたくない。

「お土産いっぱい有難うございます、あきにいちゃん、かおるねえちゃんまたね。婚礼の儀にはいらしてください。そのためにも、あきにいちゃん、養生してね」

「色々有難うございました。暁、早く元気になれよ。薫さん色々お世話になりました」
 
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