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〖第18話〗
しおりを挟む「何で………最初からあきらめるの? 『みんないらない、みんなどうでもいい』って、寝言で言ってたけど。何かあったの? それと俺の友達に会うの、そんなに嫌?」
私は一呼吸置いて真波の質問に答えた。惨めになるのは解っていた。
「正直に言うと、嫌よ。歳を重ねて『魅力が増した』なんて言われるのは、ほんの一部の女の人なの。他はね、皆ただの『おばさん』になるの。それにね、知り合ったばかりの知らない人に混じって楽しく話すほど、私はタフではないし、図太くもない。譫言は………会社で嫌なことがあったの。それだけのことよ」
「『直樹』は嘘つきだったの?」
真波は、少し遠慮がちに言った。私は淡々と答えた。
「嘘つきじゃないよ、私が無駄に期待しすぎただけ」
「何を期待してたの?」
「何だろうね。自分でも解らないな」
「自分なのに解らないの?」
「一番信じて、大切にしなければならないのに、解らないの。解らなくなるのよ。どうして、だろうね」
本当は解っている。その意味が、あなたも解る日が来るよ。
あまりにも、それは誰にも残酷で平等なの。でも、仕方ないって真波には諦めないで欲しいと思った。私みたいにはならないで欲しいと思った。
*****
「多分、会うことはもうないね。さよなら、真波くん」
別れる前に、面白いもの見せてあげると、私の化粧していく過程を見せてあげた。
汚い顔が、滑稽な表情をして、美しい面を作り上げる過程。
「面白いね。どんどん綺麗になる。キャンバスに絵を描いてるみたいだ」
彼の感性が好きだと思った。
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